Neetel Inside 文芸新都
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少年ジャンプが売ってない
少年ジャンプが売ってない

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 少年ジャンプが売ってないという事実が僕を途方に暮れさせた。
 
 今日は火曜日、一般に週刊少年ジャンプが発売されるのは月曜日なので、普段の感覚で行けばたかが一日遅れになる筈だった。
 だがしかし、今週の月曜日は成人式。20歳になったばかりの若者達が大騒ぎする日。
 砕いて言えば、DQNが学生時代のノリを持ち出しヒャッハーする日。
 ネット用語を用いなければ、普段はそれほど反社会的という訳でもないのだが、集団心理というものに火を点けられ、
 最後のモラトリアムを存分に堪能するが為に準暴動を度々起こすようになったのは何時頃からだろうか――。


 ――そうあれはまだ私が「派遣社員こそが俺の生きる道なのだ」と固く決意した日雇い派遣でよくわからないがとにかく重たいものを
 特に装備も整えないまま運んでいた頃。そう、昨日は祝日だったのだ。

 昨日が祝日だったという事を鑑みれば、週刊少年ジャンプが発売されるのは先週の土曜日になるのは業界の定石である。
 (余談であるが、週刊少年サンデーは特に日曜日に発売されるという訳ではない)
 云ってしまえば、私は囲碁の世界で言う所の、初手を天元に置いてしまった本田さんが如き過ちを犯してしまったかと一瞬思ったのだが、本田さんは別に間違えて打った訳じゃないので別に関係なかったのが遺憾の極みである。
 (余談であるが、週刊少年サンデーは日曜の気分を平日にも味わって貰えるような雑誌を志したが故に付けられたらしい)

 さて、それはいいとしてだ。 私は要するに、四日間もその自らのジャンプ愛を忘却の彼方に葬り去り、ただ只管のんべんだらりと三連休を過ごした上、いざ今日思い出したように、そのジャンプを、そのジャンプ愛を取り戻すが故に途方もない冒険を主に近所のコンビニと仕事場近くのコンビニ中心に展開した訳なのだが、時既に遅く、というよりもむしろ、過ぎ去った時を取り戻す事が出来ないのは至極当然であり、其れは気軽に欲しがれるようなものではなく、寧ろ遺憾の極みである。
 であるからして、私は要するに、誰か私にジャンプを恵んでくれないかという希望的観測――否、それが唯一残された希望なのだ。私が私である為に。其れを、貴方達に託したい――ヒャダイン。

 
  

       

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