『雀奴 あとがき』
この小説は俺が精神的にへばっているときに書いたもので、娯楽小説というよりは日記や私小説に近いものになった気がします。
これを読めば病んだ俺がどれほどオカシクなってるかがわかるので、その点で価値があります。俺にとっては。
とにもかくにも他人が恐ろしい、信用ならないという雰囲気が全面的に出ていて、あまり愉快な小説ではなかったかもしれませんが、まァこういうのもたまにはアリかな。
麻雀の主人公というのはだいたい強いものだけど、この小説の主人公は最後まで誰にも勝てなかった青年です。
負けるのに打つ意味があるのか? もしくはあったのか?
そんなことを考えながら書いていました。
嶋野の打ち筋が正しかったかどうかはともかく、彼が考え抜いた末の打ち筋がああいう形になった、ということが重要だと思います。
勝ち負けも大事だけど、ここまで思いつめて麻雀打てるやつってのも中にはいていいんじゃないかな。
烈香あたりと仲良くなれそう。
終わり方については、アサノが割食った感がありますが、もともと別々だったナガセの話とアサノの話を統合させたのが6話だったのでこういう形に落ち着きました。
仲良くなる話ではなかったというオチ。
何もかも無駄だったかもしれないけど、そうじゃないと思うこともできる。
闘いを放棄したとはいえ、それでも放棄するまでは、たとえ一度も勝てなかったとしても嶋野は戦士だったんだと思いたいですね。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
え? クリヤなら俺の隣で寝てるよ?