Neetel Inside ニートノベル
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Lock at time
第二章

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千代里と出会い
あの出来事が起こってから早いこと1年…
俺と千代里は奇跡的に同じクラスだった
「はーい今日から皆さんの担任になった春日居でーす」
俺らのクラスの担任は陽気なやつだった
「しかも今日このクラスに転校生がなんと二人もやってくるのです!」
転校生?

ガラガラッ

「皆さんはじめまして道理 直紀でス」
「はじめまして 歯 舞です」

「…アイツらは…」
「ん?千代里なんか言ったか?」
「…いや、なんでもない」
俺たちの会話が聞こえたのだろうか道理が俺らの方を見て笑顔を見せた

あいつらもしかして…
千代里もこれを思ったのだろう

放課後…

俺たちは道理たちを呼びとめた
「お前たちコッチに行ったことある?」
「あるヨ」
あっさりだった
「直紀は私の脳内で生まれた記憶だからな…」
歯も認めた
「…お前らの目的は?」
「あなたたちの観察…といいましょうカ」
「…観察ではなく監視なのでは?」
「おわかりでしたカ…」
記憶同士の会話を俺と歯はただ聞いていた
「私はできるだけあなたたちには危害を加えたくないのよ…」
いきなり歯が口を開いたので驚いた
「襲うことはしないってこと?」
俺はとっさに聞いた
「あなたたちが私たちを襲わなければね…」
歯はそんなに悪いやつではないらしい
問題は…
「…なんで監視してる?」
「それは言えないナ~」
「…なら...力ずくで言わせてやる!」
「まさか…記憶断絶!?」
千代里のまわりが目を開けているのがつらいほどまぶしく光りだした

     

「…記憶断絶!」
千代里の手が振り下ろされた
「!?空が!?割れた!?」
なんと指先から徐々に空が
まるで紙でも切るかのように二つに割れた
それもほんの一瞬のできごとだった
「うぉっとあぶねェあぶねェ…」
道理はあっさりとよけて見せた
「…すばやいな…」
「記憶断絶ができるのはオマエだけじゃないんだゼ」
「…ちっ」
「1」
こいつ数を数えているのか?
「2」
道理は続ける
「3」
いい終えたと同時に千代里の周りに無数の断絶された記憶の亀裂がはしった
「…!?」
千代里は道理の攻撃の速さに追い付けず
その場に立っていた
「なぁ~んだ 君遅いんダ~」
「…くっ」

「待った!」
本気になっていた道理に歯が言った
「おいおいやっと楽しくなってきたのニィ~」
「…やめにするのか?」
「何言ってやがる今回は歯がとめたからダ!今度会ったら覚悟しろヨ」
「今度もコイツらには手を出すな!」
歯が本気の顔で怒鳴った
「...わかったヨゥ...」
道理を圧倒した態度
コイツ本当は凶暴なのか?
「…お前たち私たちを見逃すのか?」
「千代里さん そういうことにしとくわ」

今回は歯たちに見逃されて助かったが
また俺は千代里に頼ってしまった
その後悔を胸に俺たちは家へと帰った

     

"強くならなくちゃ強くならなくちゃ強くならなくちゃ強くならなくちゃ強くならなくちゃ強くならなくちゃ強くならなくちゃ"
俺は思い続けた
「…智?大丈夫?顔色悪いよ?」
「えっああ大丈夫だよ...」
俺は昨日の夜も同じことを考えていた
「...なぁ千代里」
「…何?智?」
「俺って千代里の役になってる?」
「…何よいきなり...役にねぇ~」
「俺って弱いからさ…」
「…智ずっとそれで悩んでたの?」
「...そう」
「…智は役に立ってるよ」
「ありがとう」
「…なんで感謝する?」
「...千代里のおかげで不安がぶっ飛んだから」
「…そう役に立ててうれしいわ」
こんな会話をいままでもしていた
だが今日はこの会話のおかげで立ち直れた

コツン...

そのとき俺の部屋のまどに何かが当たった音がした

「なんだろう?」
俺はカーテンを開けて窓から外を見た

ベランダから外をのぞくと、家の前に歯舞がいた
ベランダには木の枝が落ちていた
きっとこれを投げたのだろう

でもなんで俺の部屋の位置を…?

とにかく俺は下へ降り外へでた

「歯、何で俺んちに?」
歯によって俺は聞いた
「道理直紀の件で貴方に相談したいことがあって...」
俺は歯の相談を聞くことにした
「んで何だ?」
「道理直紀は私の記憶へアクセスしてこの現実世界の私という一部を手に入れようとしている」

「手に入れてどうする気だ?」
俺は歯がなにを言ってるのかわからなかったが聞き返した
「通常記憶の中の存在は現実世界という強大な力によって自身の力を制御されてしまう
しかし、この現実世界の人間を取り込むことによって彼は人間と化して強大な力を得ることになる」
つまり人間でありながら記憶断絶ができるということか

     

でもまてよ…
「歯…、ちょっとまて…。記憶はその記憶の持ち主にはアクセスできないんじゃないのか?」
そうだ確かそうだったはず
前の孟の事件でもそうだった
彼は俺にアクセスしようとして消えた

今回の道理も消えるのではないだろうか?

「彼は貴方の記憶『孟』を使って一度試しているわ
だからきっと消えない手段を習得しているはずよ」
俺の質問に対しての歯の回答は意外なものだった

なぜ俺の記憶と歯の記憶が接触しているんだ?
「なんでだよ、なんで俺の記憶の中の孟とお前の記憶の道理が接触してるんだよ?」

歯は俺を見つめたまま何も言わない

「なんか言ってくれよ…」
くそ…
「...それは...私が…孟のいとこだから」
「どういう意味だ?」
「わたしは記憶と人間の間に生まれたの…母が記憶で父が人間…」
え?
「あなただって千代里という記憶と愛し合っているじゃない?
それと同じことよ…。私の両親も記憶と人間が愛し合ってはいけないという禁則を犯したの」
俺と千代里の関係は…禁則事項…
記憶と人間は関係を深くしてはならない…
刹那―
『記憶…断絶ゥ…!!』
グシャッ
俺の顔に血がついた…
俺の目に映ったそれは…
歯舞という人間と記憶のハーフが
真っ二つになったものだった…
「…ったク。しゃべりすぎなんだヨ…」
「道理…!」
こいつ…!!自分の記憶の持ち主を切りやがった…
「さてト…さっさとコイツの記憶と一体化するカ…」
「まて…!」
そんなことさせてたまるか…!
「あぁン?」
「―おまえは…」
『…記憶断絶』
千代里!?
パシュゥゥゥ!!
道理の周りに無数の記憶の歪みができた
「この技は!?」
間違いない!道理の使ってきた技だ
「てめェ…俺の技をパクリやがったなァ?」
「…あなたの攻撃を見て学ばしてもらったわ」

カッ!!

一瞬まばゆい光が景色を覆った

「…!?」
「なにっ!?」
俺と千代里は驚いた…

「何だヨ?学習能力はあるみたいだガ…全然キレがないヨ?」
まったくの無傷…だと!?

「今度ハ…俺の番だよネ?」
「…くる!」

「記憶隔離!!」
スゥン!


…………
俺たちは真っ暗闇の中にいた
「ここは?どこだ?」
「…道理はわたしたちを隔離した」
「え?」
「…記憶隔離はこの世界から記憶を隔離する技…。まんまとやられたのよ」


その頃、現実

「ふゥ…邪魔者はいなくなったシ、さっさと済ますカ」
道理は崩れ落ちた舞の肉体に手をあてた
「記憶結合!」
歯舞というハーフの記憶すべてと道理が一体化していく
記憶の最凶悪禁則事項を道理が破った瞬間だった
彼はジョーカーへと変貌を遂げている

ガシッ

「…ッ!?」
道理は腕に違和感を感じた
道理の腕を歯舞がつかんでいるのだ
「貴様!?まだ生きていたのカ!?」
歯舞は苦しそうに言う
「あ…あんた…なんかに…私の記憶なんて…渡…さない!」
「あの攻撃を食らっテどうして生きていタ?」
「あん…たら…記憶は…傷ができるとすぐ再生するでしょ?
私はハーフだから…速度は遅い…けど…再生できる…のよ」
「畜生!まさかジョーカーになるためのこの作戦ガ最後の最後で失敗するなんてナ…」
「道理…さっさと終わらせましょう」
「何をする気ダ!?…まッまさカ!?」
「記憶…拒絶!」

「貴様ァ!拒絶だト!?」
歯舞が道理を取り込んでいる
逆に道理という記憶が歯舞というハーフと一体化している

「それはね…私が…
記憶と人間の副産物だから…」
「くそッくそッ!うぐゥぅぁああああああああああああああああアァ―!!」

シュゥ…

道理は消えた

そのことを知ったのは俺と千代里が記憶隔離から開放されてからだった

     

道理が消えてから3日後

キーンコーンカーンコーン

放課後

「ねぇねぇ、智!」
「この声は舞か?」
「へへへ、正解」
ここ最近、舞がやけに俺に絡んでくる
「舞、俺に何か用か?」
「あのさ、智。」

『一緒にどこかいきませんか?』




下校後

寄り道としてゲームセンターへ寄った

「ねぇ智。」
格闘ゲームで対戦しながら舞が言った
「なんだ?」
「どうして千代里さんまでいるの?」
「…いちゃだめなの?わたし」
バチッ

ん?なんか一瞬二人の間に稲妻が…?

「ねぇ智、一緒にプリ撮ろうよっ」
「え?あ、いいよ」
「…わたしも一緒に…」
「千代里さんはそこで待ってて!」
「まぁまぁ、舞。俺ら3人で撮ろうよ」
「え~っ。二人だけで撮りたかったのにぃ…。でもいいよ。智が決めたことだから」
このときなんとなく舞が俺に寄せる気持ちに気づいた

プリクラの機械にお金を入れ、パシャッ

記念に撮った
きっといい思い出になるだろう


数時間後

「すっかり暗くなったな」
あたりが暗くなったので俺がそういったら
「じゃあ、そろそろ帰ろうよ」
舞がのった
「…それじゃあ」
千代里ものってくれた

3人で歩く街中
何分か歩いた後
Y字路で
俺と千代里は舞と別れた


翌日

千代里が俺に新聞を見せてきた
見出しは「新型の爆弾か!?バス変型事件!」
なっ!?この事件俺たちの住む街で起きたのか!

「…智、それより内容読んで」
「う、うん」
内容は昨日俺らがいたゲーセンの近くでバスが爆発?して
側面に無数の穴が開いたという事件だった
死者は4人

「…このバスの側面みて何か思い当たるものない?」
え?俺は千代里に言われてじっくり見直す
「まさか…そんな…」
「…そう、これは記憶断絶の痕」
そんな…
しかもこんな数を同時に断絶できるのは彼女しかいない…

「…舞よ。」

こうしてまた事件が起きた

       

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Neetsha