Neetel Inside ニートノベル
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Z軸を投げ捨てて
新橋

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 信じられない出来事が起こった。信じたくない出来事でもある。


 今朝いつものように学校に向かっている途中、曲がり角で食パンを咥えて走ってきた女子と激突したんだよ。
 その時の相手の発言はこう。
 「きゃっ、いたた……ちょっと、どこ見て歩いてんのよ……! こ、このヘンタイ!!」
 そう言って俺の頬に思いっきりビンタをかました後、「そうだ、遅刻遅刻!」と走って行っちゃったんだ。
 学校に到着し、ちょうど俺が席についたところでチャイムが鳴った。
 HRの時間に「今日は転校生が来るんだってさ。へへ、かわいい女子だといいな」と悪友の話を聞いて、どんな奴が来るのかと思ったら……。
 なんと入って来たのはさっきぶつかった女子!
 「あっ、お前は!」
 「あっ、さっきのヘンタイ!」
 「何で俺がヘンタイになるんだよ!」
 「私のパンツ見たでしょ!」
 「ありゃお前が勝手に見せたんだろ!」
 「何ですって!?」
 「何だ、お前らもうそんなに仲が良いのか。ちょうど今隣が空いてる事だし、そこの席でいいな」
 「嘘でしょ!? 何でコイツの隣に座らなくちゃなんないのよ!」
 「こっちだって願い下げだ!」
 「おいおい、夫婦喧嘩は家でやれよお二人さん」
 「「夫婦じゃな~い!!」」
 おいおいこれからどうなっちゃうんだ~!?


 そして、今に至る、と。
 まるで一昔前の恋愛マンガか、お約束を逆手にとってネタにする最近のマンガのような話だ。
 信じられない出来事と思われるだろうが、これは事実だ。
 実際に起こってしまったのだからしょうがない。
 そして信じたくない出来事なのだが、これは俺の後ろにいる奴の話だ。
 俺には全く関係が無い。
 かろうじてあるとしたら、主人公クンに「今日は転校生が来るんだってさ。へへ、かわいい女子だといいな」と言った事くらいだ。
 
 やはりお前も「そっち側」だったと言うことか。
 死ねばいいのに。

       

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