4 旅立ち
あれから3ヶ月の時が流れようとしていた。
飯島の遺体はあまりにも腐臭がひどく、体はもうゲル化していたので、さっさと捨てた。
だが第一研究室はもう蛆の住処となってしまった。とにかく臭い。
飯島はどうやら莫大な資産を持っていたらしい。親はいるのか知らんけど。
第二研究室は薬品などを作るための化学実験室、第三の研究室は宇宙開発の部屋だった。
親からコンタクト取ってきたらめんどくさいなー。飯島と一緒に埋めようかな。そのとき考えよ。
繚乱学園 午後4時
アナウンス「一年三組飯島咲、今すぐ校長室に来なさい。」
やっべーバレたんじゃねーのか。いやでも死臭は外には漏れてないハズなんだけどな…
繚乱学園 校長室 午後4時10分
「飯島君、まぁそこへ座ってくれ。」
「あ、はい。」
「えーとね、ちょっと今までにないことで私も困惑してるんだけども…。」
「そうですね…。私もこれからどうなるかサッパリです…。」
「もう新聞にも載ってね…。うちの学園の1年がこういうことをすると私も本当に大変だよ。」
「はぁ…。」
「君、今日で卒業だ。」
「へ?」
「いや、ほら君この前のオリンピア模試で全教科満点だったじゃない。あれですべての大学から推薦がきてるわけよ。」
「は、はぁ。」
「で、国から優良生徒ということで今日で卒業できるわけ。まぁ『できる』だからこのまま学校にいて思い出作っても」
「行きます!この学校に未練はありません!」
「…あ、そう。あと、全国一位ということで奨学金2億届いてて、もう口座に振り込んでおいたから確認しておいてね。」
「そういえば優良者って写真撮るんですよね?あれっていつでしたっけ?」
「あれは2週間後の今日だね。まぁそれまでゆっくりしてなさい。はい卒業証書。」
「2週間ヒマだ…。なにしよ…。」
2週間後
繚乱学園 校長室 午後2時
「き、君…。なんだねその格好は…。」
「2週間暇だったんで、タイで性転換手術してきました!あ、もう籍も変わったんでよろしくお願いします。って今日で最後ですね。」
オリンピア模試優良者
一位 繚乱学園 1年生 飯島秋吉 600点
二位 灘木高校 3年生 久保塚良助 574点
三位 動乱帝峰高校 3年生 大島和弘 567点
そこには半袖短パンでピースサインの男が映っていた。
つづく