早見 真理(はやみ まり)は、普通だ。360度、どの角度から見ても普通であり、ましてクラスの人気者であるはずはまずない。だからといって、特に誰からも嫌悪感を抱かれない。学園生活において、いや、もしかしたら家でも彼女を取り巻く環境は、空白なのかもしれない。
俺が最初に早見さんの話をしているのは、ただ単純に彼女のことはここで話しておかないといけない思ったからだ。まー、要するに普通すぎて、物語の進行のなかで紹介するタイミングがないかもしれないからだ。
とりあえず、こんな能書きはいいとして。俺は、これからの1年、色んな奴らと色んな経験をしていく。ようするに色々な場所にも行く事になるんだが。それでも、始まりの場所は汚い町の路地裏、俺があの時あそこを通らなければどうなっていたは、わからない。でも確かにあの場所から始まったんだ。