Neetel Inside ニートノベル
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わが地獄(仮)
砂世界

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 碗ですくってもすくっても、砂が零れ落ちていく。北風が強く吹き抜けていく中で、俺は砂場に膝を突いて、延々と砂をすくっている。同じ行為を繰り返すたびに一つずつ感覚が滑り落ちていく気がする。砂と一緒に俺も砂になっていく。問題なのは、砂は砂場に還るだけだが、俺は落ちれば落ちただけ消えてしまって、もういくらすくっても戻ってこないということだ。いつからこうなのか思い出せない。俺はもっと何か理由があって、砂をすくい始めた気がするのだが、碗に穴が空いていることに気づいても、それをやめようとする理由も砂に混じって落ちていった後だった。誰もいないし、助けも来ない。それをわかっていて始めたはずだったが、それをどうわかっていたのかがもう記憶にない。何もかもが過ぎ去っていくだけで、あとには何も残らない。最初から何もなかったかのように。俺は地獄を見ている。

       

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