Neetel Inside ニートノベル
表紙

わが地獄(仮)
キャプスロック

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 親父の左目が見えていないらしい。何度も人を轢きそうになっている。
 母は見えてないならダメよと言い、父はそれを無視する。
 無様な生き方。
 人を殺しそうになっているのに、無理して高級車を買う。誰も見ていないのに。
 中身のない空っぽの人間のやり方。
 車を知らない人間にとって高級車なんてただ黒光りする運転しにくい車でしかない。どうしても左視野欠損のまま運転したいなら、運転しやすい車にすればいい。下取りに出せばほとんど無料でそういう車が手に入る。
 母にいってもあの人は納得しないよで終わる。
 納得するとかしないとかじゃない。自分や他人が死ぬかもしれないに当たって、危機感もなくへらへら車を運転していることが気に入らない。
 こいつらバカなのかと思う。世界はおまえらのためにあるんじゃない。
 こういう自分勝手な連中のせいで人が死んだり苦しんだりする。我が親ながら愚かすぎて嫌になる。
 こいつらのせいでろくな人生じゃなかった。親を変えられるなら変えてしまいたい。
 最近、お料理教室に通っている。電気の勉強で謎の先生たちの動画も見ている。
 親に育ててもらえなかったぶん、金を出して自分を鍛えてもらう。これが新しい世代の生き方だ。親も教師も選ぶもの。ガキの頃に自分が考えていた世界に近づいている。血なんて大量の雨の前には簡単に薄まる。字面のいい言葉だけ使って「血よりも濃い」だなんて言うバカの何人が、実際に血が水よりも濃いと体験したことがあるんだろう? 体験もしていないことを知ったふうぶって書くからぱりっとしないものができあがる。
 何度もキャプスロックを叩いて英字になってしまう。この機能はなんとかしたい。いっそキーをぶっ壊すか。それもいいかもしれない。なんで誤操作しやすい小指のそばに全体を変換してしまうキーを置くんだ。バカなのか?
 キレている割に実生活は順調に進んでいる。ただ見通しが立ってしまったぶんつまらなくてイライラしている。よくない傾向。キャプスロックをひっつかんで力任せに外そうとした。躁鬱なのか?
 調べたらマイナスドライバーで簡単に外せるらしい。すぐにやった。キーボードの中にほこりがぎっしり。全部バラして掃除したほうがいいかもしれない。リアルフォースの15kするキーボード。確かに使い心地はよい。
 キャプスロックなんてやっぱりいらなかった。なければ押し間違えることもない。設定で無効化するやつは何度やっても反映されなかった。言葉より暴力に限る。これでもうキャプスロックが俺の左小指を騙すことはない。ぶっ殺してやった。ざまぁみろ。
 スタデューバレーのMODだけ入れてプレイしていない。いろいろ理由はある。いいコントローラがないとか。MODのやり方に慣れてないとか。いろいろある。でも結局、遊んでない。なんだか何をやっても虚しい。勉強ばかりしている。
 リングフィットのレッグバンドがどこかへ消えた。レッグバンドなんてどこかへなくなるわけがない。ただフィットボクシング用の器具と混ざらないようにリングと一緒にどこかへ分けたのは覚えている。だからといって俺の視界から消えることはないだろう。探しても探しても見つからない。アマゾンでポチった。俺には金運がない。800円の損。
 世界が俺への思いやりに欠けている気がする。人を轢き殺しかけた親父のように。完全に歩道のババアがびっくりしてこちらを見ていた。親父には轢き殺されかけた人が可哀想だという気持ちはないんだろうか? 自分の父親も交通事故で死んでいるのに。死んだときだけメソメソして反省しない。人間のクズ。
 キャプスロックみたいに俺の親父も死ねばいい。ずっと嫌いだった。生きる指標としてそぐわなかった。だからいらない。邪魔でしかない。ずっと嫌いだった。
 男がメソメソするな。気色悪い。

 水星の魔女を脱落した。ガンダムは格好いいから残念。でも仕方ない。なんとなく合わなかった。
 コミュ障がロボットに乗ってマッチョな世界に挑むのはリアリティがない。なぜなら本物のコミュ障であり才能があった連中はみんな死んだからだ。今は生き残ったやつら、主人公たる資格のない連中がもそもそしているに過ぎない。俺も含めて。ケンシロウもラオウもいない北斗の拳のようなもの。ジャギ様とアミバ様だけで回す話にも限界がある。北斗神拳は出てくるからいいじゃないかという暴論。そういう問題じゃない。
 コミュ障が才能だけで生き延びようとするのは「おおきく振りかぶって」を思い出す。たしかに面白かった。でもあの話は、しょせんピッチャーの世界をキャッチャーは理解できないという結論でしかない。ピッチャーとキャッチャーがうまくいくのはキャッチャーがピッチャーのために死ぬ場合だけだ。それ以外はすべて破局に終わる。水星の魔女もそんな感じがする。天才のことを凡夫は理解できないし、理解すべきでもない。天才のことを放っておく甲斐性もないなら天才に近づくべきじゃない。傷つけられて被害者ぶって去っていくだけの凡夫を見ているとイライラする。覚悟を決めてから近づいてこい。根性に才能は関係ない。
 どう頑張ったって、マッチョな世界ではマッチョになるしかないのだ。自分が許される理想郷=機体のなかで無双、なんてのはありえない。異世界転生みたいに自分にとって都合の悪い要素をすべて虐殺し尽くした世界観の上に構築するならまだしも、現実ぶった企業間のあーだこーだのマッチョな世界で女の子がゆりゆりしたってろくな結果にならない気がする。いっそバッドエンドで二人で逃避行したあとに死体も腐るほど無惨な死に方でもすれば面白いけど、それは俺の好みであってほとんどの視聴者は嫌がる。民主主義ではそんなのタブー。金にならない。ボツでしかない。
 だから俺は、俺を納得させてくれる作者を待ち望んでいた。俺を納得させてくれるのは民主主義では無理。企画を立てて、みんなで相談して、新しいガンダムをつくろう! いっちゃ悪いが文化祭にしか思えない。楽しいのはわかるけど、俺はそれに付き合えない。付き合いが悪いと思ってくれていい。
 ずば抜けた天才がいれば、こんなことに悩まなくて済む。ギーツみたいに。ずば抜けた天才は俺の考えなんて一歩も二歩も先へ進んでくれる。俺を打ち負かして納得させてくれる。それが心地良い。負けて嬉しい喜び。
 気持ちが晴れない。鬱っぽい感じ。躁っぽくもある。よくわからない。わからない。
 先月の支払いが22万を超えていた。ほかの電子マネー決済も入れたら30万近いと思う。何に使ったのかまじで謎。バカなんだと思う。当然給料を超えているし、ボーナスも先払いで使っちまってるようなもの。アホくさい。
 いつも使い込んだ月から2ヶ月くらいは雌伏の時で我慢するがまたすぐ使ってしまう。今もpico4を買おうとしているのをなんとか我慢している。ポケモンで我慢しろ。
 新しいジャケットも買っちゃったし、本当にバカ。先のことなんて一切考えてない。未来なんてあるとは信じてない。だからすぐ使ってしまう。買い物依存症かもしれない。
 深呼吸して、落ち着いて、いまあるもので我慢すべきなのに、PSVRが安くなっていたから買ってしまったり、PS4の回線がおそすぎてファンザがとびとびになるから8catのLANケーブルを買ってONUから上階まで有線を引っ張ったりしている。そんなことしているから金がない。あとMOD入れるためにスタデューバレー買ったり。tear down買ったり。ティアダウンは思ったよりストレスのたまるゲームだった。やっぱり世の中の評価は正しいのかもしれない。参考にすべきなのかもしれない。
 買い物依存症はうちの母親もなんだけども、その根っこには「自分は不幸なのだからこれくらいやっても許される」という被害者意識と犯罪者思想があるからだと思う。基本的にキチガイの家系なのだうちは。まともじゃない。まともがいいとも限らないが。
 とはいえ白のロンティが4000円もするのはどうかと思う。ユニクロの安いやつはすぐしわになる。もっとパリッとしてて欲しいのだ。それだけなのに4000円も支払わされる。世の中のほうがおかしい。
 うちの親父がうちの猫をいじめた。殺したくなる。なんで弱いものをいじめるのか。そんなことして楽しいか? 構って欲しい欲求が抑えられないなら死んでそのつまらん脳みそからさっさと開放されろ。俺は父親としても人間としても、あんたのことが嫌いだし興味がない。出来損ないの人生がどうなろうと知ったことじゃない。俺はあんたから世界のつまらなさとくだらなさしか学ばなかった。自分の父親も、自分の師匠も、自分で見つけて用意する。
 だからさっさと死ね。












       

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Neetsha