Neetel Inside ニートノベル
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私が私になった日
【四年前 五月】

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 中学に入学して、もう一カ月が経ちました。
 昔からお友達と仲良く遊ぶのが好きだった私は、中学でもみんなと仲良くなろうとがんばっています。多分、仲良くなれたんじゃないかなと思います。
 学校から帰ってくると私は玄関に靴をぬぎすててリビングへと走り、元気にドアを開けます。
「ただいま!」
「あら、おかえりなさい」
 リビングにいるお母さんは私が帰ってくるといつもにこりと笑ってくれます。そんなお母さんの笑顔が大好きなので、ただいまは欠かせません。
「今日は?」
「この後友達と遊んでくるのです!」
「あら、もうお友達作ったのね」
「もちろんです!」
 エヘン。
 目一杯胸を張ってみせます。お母さんはおかしそうに笑っています。その顔はとってもきれいで、うらやましいのです。私の自慢のお母さん!
「でも、ちゃんと着替えてから行きなさいね」
「はーい」
 友達を待たせてもいけないのですぐに自分の部屋へ行きます。私の部屋は階段を上がって奥の部屋です。
 急いで階段をかけあがり、廊下を早歩き。あんまり思いっきり走ると怒られてしまうのです。
「ただいま!」
 階段を上ったすぐの部屋の前でも私はこういいます。なぜかと言えばこの部屋にはお姉ちゃんが居るのです。最近はあまり姿を見せてくれないのですけど、きっとまた出てきてくれるのです。
「さーって、お着替えお着替えっと!」
 ベッドの下にある服に着替えます。どれを着るかちょっと迷うけど、そこは私。ぱぱぱっときりっと男らしく決めてしまうのです。女の子ですけどね。そういうところが私の愛嬌ってやつなのですよ。
「いってきます!」
 着替え終わるとそう言って、私は外に駆け出します。もちろん階段を下りる前に、お姉ちゃんにもいってきますしましたよ?
「ちゃんと6時には帰ってくるのよー」
「おっけーです!」
 学校に行く時とは違う、カワイイ靴を履いてルンルンと集合場所へと向かいます。こんな毎日が続くなんて夢のよう。
 学校って、とっても楽しいですね!

       

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