中考
プロローグ
「じゃあ私はこっちを探すから、良子はあっちをよろしく」
「ねぇ、やめとこ。警察とかに任しておけばいいじゃん」
「私たちの町なんだから、私たちでなんとかしないと。はいこれ、がんばってね」
「木刀?あ、ちょっと待ってよ! あぁ……行っちゃった」
今、この町には夜な夜な殺人を繰り返すピエロが徘徊しているらしい。
何が目的なのか、それはわからない。
私は友達の好奇心により無理やりピエロ退治にやってきた。
退治ってどういうことよ。
「う~ん……ほんとに出てきたらどうすんのよ」
私は友達にいわれた夜の商店街を探索していた。
明かりも少なく壊れているのか自販機が不気味に光っている、これは怖い。
こんなところでピエロが出てきたら、まさホラー映画のワンシーンだ。
「ていうか木刀でどうしろって言うのよ」
確かに武器としては悪くないけど……ねぇ……
「8、9、10、11、う~ん……」
「えっ!」
いつの間にか故障気味の自販機の前に男の人が立っている。
「何だろうあの人。もしかして……ピエロ!?」
そう思ったがすぐに男性の様子や仕草を見て、違うだろうと思った。
念のため警戒しながら、恐る恐る近づくと
「ん?君、そんなもの持ってどうしたの?」
と、男性は私の木刀を指差し不思議そうにそう言った。
そりゃそうだろう。
こんな時間に木刀を持った女の子が商店街をうろついているんだ。
あぁ、何で私こんなことしているんだろう……
「あ、え~と。護身用です。ほら最近何かと物騒でしょ、例のピエロとか」
「ピエロ?私は最近ここに来たから少しわからないです。あ、10円持っていませんか?」
「え?」
「いや、どうやら足りないようでして……」
「あ、はいどうぞ」
いきなりのことで驚いたが、財布から10円玉を取り出して渡す。
「どうもありがとう」
私はそのとき違和感を感じた。この人、何処かで見たことある気がする?
ガシャンと音がして彼はブラックのコーヒーを取り出した。
「お礼といってはたいしたものじゃないですが、これを受け取ってください」
といって、彼は天使が描かれたカードを私に差し出した。
「あ!」
それを受け取ったときに私は思い出した。
「あの~カードゲームのチャンピオンの美札さんですよね」
「えぇ、私の名前は美札ですよ」
やっぱりそうだ。
彼はこの前テレビで紹介されていた。
カード捌きがとても綺麗で、印象に残っていた
「あの~このカードにサインしてもらってもいいですか?」
「どうやら気が回らなかったようですね。ちょっと待っててください」
美札さんはポケットや変なデザインのポケットからサインペンを探っていた。
「キャハハ、キャハハハ」
その時、商店街入り口のほうから不気味な笑い声が聞こえた。
暗くてよくわからないが入り口に人が立っているようだ。
「誰だろうあの人、変な格好だなぁ……」
影はどんどんと近づいてきて数少ない明かりがその影を照らした。
「ピエロ!?」
「ペンはどこだっけ・・・ん?このカードここにしまってたのか、次の試合で使ってみようか」
美札さんはマイペースにサインペンと探していた……
その間にピエロは私たちの目の前までやってきた。
「こんばんは、お嬢さん。今宵は月が綺麗なのにそんな物騒なものを持ってどうしたのかな?」
「いやいや、あんただってナイフみたいなのもってるじゃない。木刀とか物騒のブの字程度よ。」
どうしよう! 本当に出てくるだなんて思っても見なかった!
とりあえず、どうにかして逃げて、警察にれんらくしないと。
「あなた人殺しなんかして、いったい何が目的なの?」
「人殺しとは失礼な、これはいわゆるショ―の一つさ。」
「中二病なんじゃないのあんた?」
「あった、サインペン!」
そんな緊迫もない会話の横で美札さんはサインペンを見つけたようだ。
「はい、お待たせ」
美札さんは私にサイン済みのカードを渡してくれた。
そうじゃないよ美札さん……
「君は彼女の知り合いかい? だったら君にもカードあげようか?」
「アハハ、面白い人だね、カードかぁ……そうだなぁ、カードなら……僕があげるよ!!」
ピエロは瞬く間にトランプを手にし、美札さんに投げつけた。
ピエロの手から離れたトランプは物凄い勢いで美札さんに向かう!
私は木刀を掴み狙いを済ましてトランプを叩き落とす。
ただのトランプと思ったが、予想以上の衝撃が手に伝わってきた
「美札さん下がっていてください!」
どうやら、簡単には逃がしてくれないようだ。
なら仕方がない……やってやる!
「はあああ!」
意識を高め、木刀を強く、握り締める。
集中したエネルギーを凝縮し、木刀に纏わせる。
木刀が青く光り、一閃を放つと、青光の刃がピエロをめがける。
「ねぇ、やめとこ。警察とかに任しておけばいいじゃん」
「私たちの町なんだから、私たちでなんとかしないと。はいこれ、がんばってね」
「木刀?あ、ちょっと待ってよ! あぁ……行っちゃった」
今、この町には夜な夜な殺人を繰り返すピエロが徘徊しているらしい。
何が目的なのか、それはわからない。
私は友達の好奇心により無理やりピエロ退治にやってきた。
退治ってどういうことよ。
「う~ん……ほんとに出てきたらどうすんのよ」
私は友達にいわれた夜の商店街を探索していた。
明かりも少なく壊れているのか自販機が不気味に光っている、これは怖い。
こんなところでピエロが出てきたら、まさホラー映画のワンシーンだ。
「ていうか木刀でどうしろって言うのよ」
確かに武器としては悪くないけど……ねぇ……
「8、9、10、11、う~ん……」
「えっ!」
いつの間にか故障気味の自販機の前に男の人が立っている。
「何だろうあの人。もしかして……ピエロ!?」
そう思ったがすぐに男性の様子や仕草を見て、違うだろうと思った。
念のため警戒しながら、恐る恐る近づくと
「ん?君、そんなもの持ってどうしたの?」
と、男性は私の木刀を指差し不思議そうにそう言った。
そりゃそうだろう。
こんな時間に木刀を持った女の子が商店街をうろついているんだ。
あぁ、何で私こんなことしているんだろう……
「あ、え~と。護身用です。ほら最近何かと物騒でしょ、例のピエロとか」
「ピエロ?私は最近ここに来たから少しわからないです。あ、10円持っていませんか?」
「え?」
「いや、どうやら足りないようでして……」
「あ、はいどうぞ」
いきなりのことで驚いたが、財布から10円玉を取り出して渡す。
「どうもありがとう」
私はそのとき違和感を感じた。この人、何処かで見たことある気がする?
ガシャンと音がして彼はブラックのコーヒーを取り出した。
「お礼といってはたいしたものじゃないですが、これを受け取ってください」
といって、彼は天使が描かれたカードを私に差し出した。
「あ!」
それを受け取ったときに私は思い出した。
「あの~カードゲームのチャンピオンの美札さんですよね」
「えぇ、私の名前は美札ですよ」
やっぱりそうだ。
彼はこの前テレビで紹介されていた。
カード捌きがとても綺麗で、印象に残っていた
「あの~このカードにサインしてもらってもいいですか?」
「どうやら気が回らなかったようですね。ちょっと待っててください」
美札さんはポケットや変なデザインのポケットからサインペンを探っていた。
「キャハハ、キャハハハ」
その時、商店街入り口のほうから不気味な笑い声が聞こえた。
暗くてよくわからないが入り口に人が立っているようだ。
「誰だろうあの人、変な格好だなぁ……」
影はどんどんと近づいてきて数少ない明かりがその影を照らした。
「ピエロ!?」
「ペンはどこだっけ・・・ん?このカードここにしまってたのか、次の試合で使ってみようか」
美札さんはマイペースにサインペンと探していた……
その間にピエロは私たちの目の前までやってきた。
「こんばんは、お嬢さん。今宵は月が綺麗なのにそんな物騒なものを持ってどうしたのかな?」
「いやいや、あんただってナイフみたいなのもってるじゃない。木刀とか物騒のブの字程度よ。」
どうしよう! 本当に出てくるだなんて思っても見なかった!
とりあえず、どうにかして逃げて、警察にれんらくしないと。
「あなた人殺しなんかして、いったい何が目的なの?」
「人殺しとは失礼な、これはいわゆるショ―の一つさ。」
「中二病なんじゃないのあんた?」
「あった、サインペン!」
そんな緊迫もない会話の横で美札さんはサインペンを見つけたようだ。
「はい、お待たせ」
美札さんは私にサイン済みのカードを渡してくれた。
そうじゃないよ美札さん……
「君は彼女の知り合いかい? だったら君にもカードあげようか?」
「アハハ、面白い人だね、カードかぁ……そうだなぁ、カードなら……僕があげるよ!!」
ピエロは瞬く間にトランプを手にし、美札さんに投げつけた。
ピエロの手から離れたトランプは物凄い勢いで美札さんに向かう!
私は木刀を掴み狙いを済ましてトランプを叩き落とす。
ただのトランプと思ったが、予想以上の衝撃が手に伝わってきた
「美札さん下がっていてください!」
どうやら、簡単には逃がしてくれないようだ。
なら仕方がない……やってやる!
「はあああ!」
意識を高め、木刀を強く、握り締める。
集中したエネルギーを凝縮し、木刀に纏わせる。
木刀が青く光り、一閃を放つと、青光の刃がピエロをめがける。
突然のことに驚くピエロだったか、すばやい動きでかわされてしまった。
「君・・・一体何者かな」
「どこにでもいるただの女子高生よ!美札さん、もう少しさがって!」
「彼は何者なんだ。君は?」
と美札さんは聞いてくるが答える間もなくピエロが突然笑い出した。
「キャハハハハハ、ただの女子高生にしてはずいぶんと面白い事が出来るみたいだね。
あぁ、今夜のショーはいつも以上に楽しめそうだなぁぁぁぁ!」
そういうと、また何枚ものトランプがこちらに目掛けて飛んでくる。
木刀でトランプを薙ぎ落とすが、何枚かが腕をかすめた。
「痛ッ、しまった」
その隙を狙うかのように飛んでくるトランプ
どうにか回避しようとしたが、これは……間に合わない!
「ドロー、フロップよりウォール発動」
「君・・・一体何者かな」
「どこにでもいるただの女子高生よ!美札さん、もう少しさがって!」
「彼は何者なんだ。君は?」
と美札さんは聞いてくるが答える間もなくピエロが突然笑い出した。
「キャハハハハハ、ただの女子高生にしてはずいぶんと面白い事が出来るみたいだね。
あぁ、今夜のショーはいつも以上に楽しめそうだなぁぁぁぁ!」
そういうと、また何枚ものトランプがこちらに目掛けて飛んでくる。
木刀でトランプを薙ぎ落とすが、何枚かが腕をかすめた。
「痛ッ、しまった」
その隙を狙うかのように飛んでくるトランプ
どうにか回避しようとしたが、これは……間に合わない!
「ドロー、フロップよりウォール発動」
突然私の前に透明な壁が現れた、後ろではカードを構える美札さん。
「なにが起こったの?」
「君たちしているのと同じようなことさ」
彼は一体何者なんだろうか。しかし、今はそんなこと考えている余裕はない。
「美札さんは……私を助けてくれるんですか?」
私は傷を抑えながら彼に尋ねる。
「もちろん、君は困ってる僕を助けてくれた良い子だからね」
美札さんは、そう言って優しく微笑んだ。
「キャハハ、どうやらもっとショーが楽しくなりそうだね。だけど今日のショーはこれにて閉演」
するとピエロは何処からか赤いマントを取り出した
「では、お二人さん、また次のショ―にてお会いしましょう、キャハハハハハ」
まるで手品のように自身の体をマントで覆うと、ピエロの姿がなくなった。
「なにが起こったの?」
「君たちしているのと同じようなことさ」
彼は一体何者なんだろうか。しかし、今はそんなこと考えている余裕はない。
「美札さんは……私を助けてくれるんですか?」
私は傷を抑えながら彼に尋ねる。
「もちろん、君は困ってる僕を助けてくれた良い子だからね」
美札さんは、そう言って優しく微笑んだ。
「キャハハ、どうやらもっとショーが楽しくなりそうだね。だけど今日のショーはこれにて閉演」
するとピエロは何処からか赤いマントを取り出した
「では、お二人さん、また次のショ―にてお会いしましょう、キャハハハハハ」
まるで手品のように自身の体をマントで覆うと、ピエロの姿がなくなった。
「手札よりヒール発動」
「傷が……」
痛みはほとんど消えて、傷が治った。
「ありがとうございます、あのぅ……美札さん、あなたは一体?」
「もうすぐ夜が明けるし学校もあるでしょ? だから、その話はまた今度……ね?」
確かに言われてみると、商店街も太陽の日差しで明るくなり始めてきている。
体よくかわされた気がするけど、また今度って言ってくれたしね。
「はい、これあげる」
美札さんはさっき買ったブラックコーヒーを私に渡す。
「授業中に眠たくならないようにね。ブラックは大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です、ありがとうございます」
「ちょっとぬるくなっちゃたかな……あぁ、そういえばまだ名前を聞いてなかった。いいかな?」
ほんのり暖かい缶コーヒーを握り締め、元気よく答える。
「私は良子って言います。良いにの子供の子で」
「ふふ、本当に良い子なんだね。じゃあ良子ちゃん、これからもよろしくね」
「はい! こちらこそよろしくお願いします」
これが私と美札さん、そして殺人ピエロとの出会いだった
「傷が……」
痛みはほとんど消えて、傷が治った。
「ありがとうございます、あのぅ……美札さん、あなたは一体?」
「もうすぐ夜が明けるし学校もあるでしょ? だから、その話はまた今度……ね?」
確かに言われてみると、商店街も太陽の日差しで明るくなり始めてきている。
体よくかわされた気がするけど、また今度って言ってくれたしね。
「はい、これあげる」
美札さんはさっき買ったブラックコーヒーを私に渡す。
「授業中に眠たくならないようにね。ブラックは大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です、ありがとうございます」
「ちょっとぬるくなっちゃたかな……あぁ、そういえばまだ名前を聞いてなかった。いいかな?」
ほんのり暖かい缶コーヒーを握り締め、元気よく答える。
「私は良子って言います。良いにの子供の子で」
「ふふ、本当に良い子なんだね。じゃあ良子ちゃん、これからもよろしくね」
「はい! こちらこそよろしくお願いします」
これが私と美札さん、そして殺人ピエロとの出会いだった