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三話-新たな人生の始まり-前編-

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目が覚める。天井が薄い青だ。ここはどこだろう。確か俺は学校に行ってて・・・車に撥ねられたんだったか。だとしたらここは病院だろう。

白い老人が目の前にヌッと現れた。医者だろうか。喉にホースが繋がっていて喋ることが出来ない。医者が口を動かしているが、何を言っているのかわからない。伝えようにしても、手や足はホースだらけで動かせないし、どうしようもない。あきらめて寝よう。

目が覚めた。違う天井だ。今度は白い。また老人が目の前に姿を現した。老人が口を開いて何かを言っている。聞き取りにくい。入れ歯でも無くしているのか。よくわからない。

「なんて?」と聞くと、「目を覚ましたようじゃの。」と言った。普通に話せるらしい。

「ここはワシの研究室だ。お前を改造させてもらった。今日からお前は機械人間狸男(サイボーグ/タヌキオトコ)だ!と言った。よくわからない。

「俺、改造されたんですか?」と聞く。「うん。」と老人が言う。「どうしてですか?」の返答は「事故にあったから。」だ。

納得はいった。けれど機械人間なんて本当になれるものなんだろうか。「何か今までと違うんですか。」と俺が尋ねる。すると老人は、咳をして、俺に「見せてやろう。」と言って、歩き始めた。とりあえずついていこう。
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「今からあの的狙って、左腕を伸ばしてみろ。」と、老人が言う。とりあえずサッと左腕を伸ばすと、手が飛んでいった。

そして、的が爆発した。正確に言えば手が爆発したんだが。

老人に目をやると、「ロケットパンチ。」と言った。なんなのだろうこの人は。しかし、他にも何かあるんだろう。気になる。

「他には?」と聞くと老人が、「じゃあちょっと待ってな。」と言って、外へ出ていった。

まさか本当に改造人間になっているとは思いもしなかった。レーザービームでも出せるんだろうか。目で的を見つめれば出るかもしれない。

・・・キュィーッ

凄い。レーザービームは出なかったが、視界がよく機械の視界として映るような、照準のついた画面へと変更された。右下に、BEND YOUR RIGHT FINGERS TO CHANGE THE MODE.と表示されている。
よく意味は解らないし、右手、指、モード変更っていうくらいの意味はわかる。右指をどうすればいいのだろう。と右腕を動かすと、凄い勢いでモードが変更されていく。
サーモグラフィー、レーダー、google、照準、そして普通の視界。親指を強く曲げるとサーモグラフィー、人差し指を強く曲げるとレーダー、中指を強く曲げるとgoogleといったように変更されるらしい。
ためしに親指と薬指を同時に強く曲げると、サーモグラフィーと照準が同時に使用することができた。

レーダーは周辺の大きなの反応が映っているんだろうと思う。たぶん人間だろうと思う。googleと同時使用でgooglemapだ。便利。
見た目は何も変わらないのになんて便利なんだろう。しばらく暇は無さそうだ。
照準モードはロケットパンチ用なのかと思ったが、どうやら違うらしい。ロケットパンチは一発だけだろうが、照準モードの右下、銃弾の形が描かれていて、その横にx300と書かれている。明らかに残り段数だとは思うけれど、何のためかは解らない。あとで老人に聞こう。

それにしても楽しい。そういえば学校に行けなかったけど、まあいいとは思う。ぶっちゃけこの力さえあればどうでも出来るきがする。googleも何故かインターネット接続されていて検索も可能だし、本当によくわからないけど楽しい。

googlemapを見る限りここは学校の側らしい。たぶん轢かれた所をあの老人が保護してくれたんだろう。俺が病院に居ないということを見ると、おそらく轢き逃げだろう。まあ、おかげで機械人間になれたんだから文句は言わないが。機械人間狸男か。間抜けだけどまあサイボーグとつくのは何となくうれしい。

「どうだその体は。」と老人の声がした。振り返ると、老人がいた。サーモグラフィーをONのまま見ると、老人の色は真っ青だった。多分老人も改造人間なんだろう。

「最高ですね。特に、googleが使えるところなんか。」 と答えると老人は、そうかそうか、と笑った。
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「ところでどうして狸男なんですか?」と俺が聞くと、老人は、「まあ見てなさい。」と言って、俺の頭に葉っぱを一枚乗せた。何で葉っぱなんだろう。

「変身。って言ってみ。」と老人が言った。すると、足元から煙が噴出してきた。煙が俺をまとう。煙たくは無いけれど、気味が悪い。これはなんなんだろう。

「手、見てみ。」と老人の声が聞こえた。左手が戻ってきている。再生なのか?いや、違う。茶色い毛が段々と生えてくる。短いが不気味だ。煙の噴出が徐々に止まっていく。

「ちょっとトイレ行って鏡見てき。」と老人が言った。ならトイレに行こう。
鏡に俺は映っていない。映っているのはなんというか、人の形をした狸だ。老人の言葉がよみがえって来る。----機械人間狸男だ。

だから狸男なんだろう。ラスカル程度ならかわいいだろうけど、これは完全にリアルで不気味だ。まあ、変身する必要は無いからいいけれど。

老人の元へ戻る途中、股間の違和感に気づいた。金玉が巨大化している。3倍とか4倍では無く、もっと大きい。バレーボール並みの大きさだ。

狸だからだろうが、これは弱点なんじゃないのだろうか。老人に聞こう。
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老人に、「この金玉・・・」と聞いた。「それは、エネルギー貯蓄タンクじゃ。それのお陰でパワーアップが出来るんじゃよ。けど破壊されたら変身解けるから気をつけてな。」と言った。

とにかく破壊されてはいけないらしい。その点は金玉と同じだ。「機能は一通り理解していただけたかな?」と老人が言った。俺は、「この照準モードの時についてるx300ってなんですか?」と言った。

老人は、「ああ、それはバルカンじゃ。」と笑いながら言い、「服を脱げ。」と続けた。

服を脱ぐ。服を脱いでも狸だ。なんだこの体。

老人は、「乳首に力を込めてみろ。」と言った。力を込めると、乳首から銃弾が、ダララララララララと発射された。

「変身してなくても使えるぞ!」と老人が、手でグッジョブの形を作って、笑いながら言った。
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