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TOY'S

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物体に生命を宿す『命宿チップ』

…今日では、救急・看護・発展に用いられていたこのチップだが悪用を目的とした人間たちにも漏出している。

このチップは通称Lチップと言われ、小型用・中型用・大型用・超大型用の4つが存在する。

自己防衛などの理由から今では一般人にも一人1枚のLチップが配布されている。

大人たちは一般に小型・中型を使っているのだが大体の人々はペットとして愛用している。
子供たちは学校に入り上級生になると同時に1枚の小型用Lチップが配布される。

子供たちは各自主におもちゃなどにLチップを装着してパートナーとすることを許される。
もちろんそれは、犯罪者の増幅にともなう最低限の自己防衛を目的とするものだが、最近では、子供たちの遊びとしてバトルなども少なくない。

学校では最低限の戦闘実習などがあり、いざという時にそなえて体制は整っていた。



これは、そんな不思議なLチップを手にした一人の少年から始まる物語である。

少年の名前はポパイ。
運動・勉強まるでダメのいいとこなしだったが、とてもやさしい少年だった。

ポパイもついにLチップがもらえる事となった。

担任のコリー先生が教室にはいってくると自慢の馬鹿でかい声で話し出した。
「ついにこの日がやってきたな。みんなこれからLチップを配布する!!」
子供たちは歓喜きわまりざわついた。

「ポパイ、ついにLチップの配布ね、ポパイはパートナーきまったの?」
同級生のコリンが話しかけてきた。

「う、うん、まだ決めてないんだ、僕ってひんと優柔不断だよね。」
コリンと話してるうちにコリン・ポパイにもLチップが手元にきた。

「私はもう決めてるの、いつもつけてるこのピンクのリボン」
そぉ言うとコリンは布製のピンクのリボンにLチップをつけた。
すると、Lチップはリボンの中に溶けるように消えていった。
…と同時にリボンは生命を宿した。リボンはヒラヒラ・ピクピク動いている。
Lチップで命を宿した物たちはパートナーとの信頼関係から話せるようにもなる。
「コリンよろしくね。」
大事に大事にしていたコリンのリボンはもうすでに話すことができたようだ。
「よろしくね、リボンさん。名前も考えてるの、あなたは今日からピンキーよ。」
ピンキーはうれしそうにひらひらしている。


ドンッ、ドンッ、パリンッ!!
激しい物音の跡に教室の窓ガラスが割れた。

「おーい、待ってくれよ!!」
落ち着きのない少年コテツが叫ぶ。
…コテツはもらったLチップを待ちきれずに拳サイズの石ころにつけたようだ。
信頼関係の全くない石ころは激しく暴れた後にガラスを割って外に飛んでいってしまった。
「ったく、強そうだったからつけたのによぉ!!まってくれよぉ~」
そぉいって、コテツは追いかけ外に飛び出していった。


…ポパイはまだ悩んでいた。

「一生のパートナーともなりえる問題だ。時間をかけてもいいんだよ。」
考え込むポパイにコリー先生は優しく声をかけた。

「わかりました。ありがとうございます、ゆっくり考えたいとおもいます。」

授業が終わり、みんな下校する時間となりポパイも家へ帰った。

「ただいまぁ~。」
ポパイは家につくと部屋に入って考えていた。

「どぉしよぉ~かなぁ・・・。」
Lチップを手にのせて眺めながらなやんでいた。
「このチップをつけるだけで命がやどるなんてホント不思議だよなぁ…。」

「ポパイ、先にお風呂にはいりなさ~い。」
ポパイママがポパイを呼ぶ。
「わかったよぉ~。」
とポパイはチップをもったままお風呂にはいった。
お風呂の中でもポパイはチップをみつめ考えていた。
―もちろんLチップは圧力、水、温度などいかなるものにも破壊することはできないよう作られているためお風呂でも問題はなかった。



ポッチャン・・・

「あっ、チップ落としちゃったよ…どこかなぁ。」
お風呂のなかにチップをおとしたポパイは手探りでお風呂の底を探した。


「ふう、よかった。みつかったぁ。」
っとほっとしたポパイは頭を洗おうと湯船からでた。

チップを持ったままでは洗えないと、ポパイは湯船に浮かんでいるアヒルのおもちゃにチップをおいた。

ゴシゴシ…ゴシゴシ…

頭を流して、目を開けるとアヒルに乗せたはずのLチップがない!!!

そぉです!!アヒルのおもちゃにLチップは装着され命を与えてしまったのです。
ポパイは気づかずに湯船の底を探し回る。

―ない。「そんな…」ポパイはショックを隠しきれない。

「明日先生に何て言おう。もう僕は…」
ポパイはお風呂をでて、ママに水を抜くとき気をつけるように話した。

晩御飯ができあがり食べていると、お風呂から何か聞こえる。

「パパ、お風呂から声が聞こえるの!!」
ママはパニック気味でパパを呼ぶ。

がパパは相手にしていないようで、ポパイはお風呂に近づいていく。

「お・・・、だ・か・・・いないの?」

ポパイにも声は聞こえた。
さらに近づく。

「お~い、誰かぁ~、おいてかないでよ。」

ポパイはなぜか恐怖心が芽生えなかった。

一呼吸おいてポパイはすべて悟った。
急いでお風呂のドアを開けてはいると、そこにはアヒルのおもちゃが浮かんでいる。
「おい、ポパイ、いくらお風呂のおもちゃだからって置いていくのはひどくないかい?僕は君のパートナーなんだろ?」

アヒルのおもちゃがしゃべった!!!













「えぇ~!!アヒルおもちゃのガッチュがパートナーになちゃったの?」
ポパイは驚きをかくせなかった。
「あら、いよいよポパイも初級トイズね♪」
ママがポパイにつぶやいた。
「初級トイズ?何?」
「あなた学校で何ならってるの?ちゃんと学校でならったんじゃない?よく思い出してごらん。」

トイズとはパートナーを持った人たちのことをあらわす。

「なぁ~んとなく、ならったよぉな・・・」
ポパイはやっぱり勉強ダメダメな様子。おまけにみんなは興味深々だったLチップにもたいした関心は寄せていなかったよう。

「・・・とにかく、ガッチュごめんね。さぁ一緒に部屋にあがろう。」

「うん!!」

ガッチュを手の平に乗せたポパイは部屋に戻った。
そして、話せるようになったガッチュはポパイとの思い出話に華をさかせ、しばらくして眠りについた。



―翌日。

「おはようございます!!」
コリー先生のご自慢の大声で今日も学校がはじまった。

教室の様子はいつもと少しちがうざわついた様子だった。
みんなトイズとなり、新たな毎日のはじまりだった。

「ポパイおはよう。」
「よぉ、ポパイ。」
コリンとコテツがポパイによってきた。

「ポパイ、おめぇのパートナーはどぉなったんだ?おめぇには2階の便所の便所サンダルかレモン石鹸がいいんじゃねぇの?」
コテツがポパイをからかう。
「テツ何言ってるの!!あんたこそ石につけちゃって逃げられてたくせに、見つかったからよかったものの。」
「ほんと、ほんと。」コリンに続けてリボンがつぶやく。

「うっ・・・僕もパートナーきまったけど・・・。」そぉいうとポパイはカバンからガッチュを出してあげた。

「・・・ぷっ。がはははははははぁうひゃひゃ。おめぇ何でぼろっちいアヒルのおもちゃにつけちゃってんの?」
コテツはまたまたからかった。

「誰が、ぼろっちいんだ。このゴツゴツくんとゴリラえもん。」
威勢よくガッチュが話した。

「うっ。おめぇのパートナーも話せるのか・・・まわりを見てもほとんど話せてるんだよなぁ。・・・でも俺の石ころ、『ロックスター』は
この前隣街でカツアゲした時にいただいた、ヒートチップつけてるから、何もしてないこのクラスではロックスターがまず1番強いだろうがな。」

「ヒートチップ?って何なの?」
ポパイはさっぱりな表情でささやく。

「ヒートチップはボディー系チップのひとつで表面温度を急上昇させることができるみたいだ。この能力を与えるチップは他にもたくさんの種類があるんだけど、本体の形状によってつけられるものと無理なもののあるんだそうだ。」
コテツは自慢げに話した。

「ま、基礎戦闘実習の時には俺がトップってのを証明してやるさ、ははは。」
そぉいって、コテツは席についてすぐ居眠りを始めた。

「確かにチップ装着してるのはクラスではコテツくらいでしょうね。子供には高すぎるし、それに、チップは本格的に戦闘する人が使うものでわたし達にはあまり無縁なのかもしれないわ。」
コリンは冷静に話した。

「そぉだよね。ガッチュは戦いなんてできそうにないしね。」


・・・それにしてもあたりを見回すといろいろなものがいる。はさみ・ペン・車のおもちゃ・ビー球・めずらしいものでは輪ゴムなどがあった。




2, 1

  

-次の日

「おい、ゴラァぁぁぁ!!クソがきはどこだ!!」
額にPOと墨を入れたいかにも悪党な外見の大人が学校に殴りこんできた。

ポパイ・コリンもその罵声に気づき、窓から眺めていた。

「なんだぁ?朝からうっせ~のは・・・」
コテツがだるそうに後ろからやってきた。

「ん・・・あいつの後ろにいるやつ。この前カツアゲした、野郎だ!!あのへんちくりんめ!!仲間でもよびやがったか。」

後ろにいた弱そうな少年がコテツに気づき指差す。

「あのガキか!!したっぱとはいえPONIKU(ポニク)団の団員に手をだすたぁ~いい度胸だ!!」
コリー先生顔負けの大声でコテツを威嚇した。

とその直後!!

両手にもった大型のみずでっぽう2つを地面にむけた。
「ジェット!!POWER3!!」

勢いよく地面に発射したとたん、コテツたちのいる部屋まで一気に飛んできた!!

「ガキっ!!わびてもらおぉか!!」

「ロックスター!!こんなでこちんに落書きしてるよぉなおっさん、けちらしてやろぉぜ!!」
そぉ言ってコテツはがむしゃらに襲い掛かった。

「ヒートボディー!!いけっ、つっこめロックスター!!あの鉄砲をけちらせ!!」

「ガキが!!まったく『戦い』ってやつをご存知ないなぁ。へへっ」
そぉいうとロックスターに狙いを定めた。

「ジェット!!POWER1!!」
勢いよく発射された水がロックスターに直撃した。
ジューっと音をたててロックスターの体は冷やされ、油断したところをメリケンをつけた拳でPOのおっさんが殴りつけた。

ロックスターは吹っ飛んだ。

「ロックスターぁぁ!!」
「ふぅ~、ガキがいきがるから・・・。トイが生身の人間に吹っ飛ばさるなんて、笑えるぜ。」
「名乗り忘れてたなぁ、失礼。俺ぁポニク団のポリディー様だ。」


「ロックスター、大丈夫か?」
コテツが涙ぐみながら気遣う。

「ごめ゛んょ。」
ロックスターが初めて言葉をを発した。

「ロックスター!!俺のせいでこんな目に・・・。すまねぇ。」
コテツは泣きながらロックスターに言った。


「もぉ俺はたたかえねぇ。他のやつらにも手をださないでくれ。すまなかった。」
コテツはポリディーに謝罪したが・・・

「おいおいいきなりいい子ちゃんかよ。とりあえずてめぇのイシコロ粉砕しねぇと気がすまねぇんだよ!!」
ポリディーはそう言い放つとロックスターの方へ走りよっていく!!



「私の生徒に何をしてるんだぁぁぁ!!!」
大声が一面に響き渡る!!

コリー先生だ!!
先生はポケットからディスクを取り出し、スイッチをおした。

すると・・・目の前に大きなテレビが現れた。
「私の相棒トイのワイズだ。生徒に手をだすやつに容赦はしませんよ!!」

サイズの大きい者は移動の際ラボディスクに収めておくようだ。

「ワイズっ。ディスプレイ・マインドコントロール!!」
ポリディーに向かいワイズの画面に何かが映る。




ポリディーはうつろな目をして学校を後にした。

「みんな、力だけが強さではないのです。」
コリー先生がみんなに話す。
「私はみんなに本当の強さを学んでほしい。だからこれから先の基礎戦闘実習も心して挑んでほしい。」


コリー先生の言葉はポパイや周りの皆の心に深く刻まれた。
4, 3

  

ポニク団ポリディー襲撃事件の約1週間後、ポパイの通うドルフィーナでも基礎戦闘実習もはじまろうとしていた。

この1週間、特に変わった事といえば、コテツの態度だ。さぼることなく授業もうけていた。
・・・あの件で相当考えさせられるものがあったのだろう。・・・というよりは悔しくて仕方なかったのだろう。

「コテツっ、おめぇ次はぜってぇあのPOのやつぶっとばすぞ!!」とロックスター。

コテツのやる気、ロックスターへの思いが伝わり、話す事ができるようになっていた。


ポパイも、負けてはいなかった。実習開始に備え苦手な勉強も意欲的にこなしていた。

「ガッチュ、いよいよ実習だね。がんばろうね!!」

「うん、戦闘ってこわそぉ・・・でもがんばるっ」
ガッチュもポパイの期待にこたえようと頑張っていた。



「おはようございます!!それでは初回実習ルームに案内します。みんなついてくるように。」
コリー先生の誘導で空間コントロールで広大な荒野、森などの作られた部屋に集合した。

「これが噂の部屋かぁ~、すげえな。」
コテツもこの部屋は初めてのようで驚きをかくせない。
コテツだけではない。皆が驚愕していた。


「どうだ?すごい部屋だろう?ここで今まさにみんなとパートナートイとの実習が始まるわけです。」


「なんだか緊張するわね。」
ポパイ、コリンもいよいよ始まる実習に緊張していた。


「いきなりだが、この中で今から君達には1つチップを手に入れてきてもらう。この部屋の土地には自動トイが数知れず散らばっている。そのトイ1体にはそれぞれ1つチップを装着している。そのトイから君達にはチップを勝ち取ってきてもらう。もちろんチップ装着済みのトイだ、初心者の君達にはそう簡単に倒す事はできないよ。」
コリー先生の突然の試練に皆はまた驚愕した。

「大丈夫、ここの自動トイ達は自ら相手の戦闘不能を察知したらとどめはささない。そして何より今回は自分1人で勝ち取れとは言わない。誰と協力してもいいんだよ。」

「だって、よかったぁ。ポパイ一緒に頑張りましょ♪」
コリンはポパイは同行を約束した。


「それではまずは何も戦闘アドバイスはなしだ!!制限時間は今日の日没。時間がきたら部屋のコントロールをオフにしてただの部屋に戻すからちゃんと帰ってこれる。」
「さぁ!!みんながんばってこいっ!!」
コリー先生の大声で初回戦闘実習が開始された。



それにしても広い。

勢いよくとび込んでいったクラスメイト達はもう見えなくなっていた。



「コリン、いこうかぁ」
ポパイとコリンも進んでいく、湖が見えるのでまずはその方向に向かうことにした。

と、後ろからドシドシと足音が・・・
「いきなりトイかな?・・・」
2人は恐る恐る後ろを見ると・・・

「おぉ~、お前らか。ったく、コリー先生にヒートチップ没収されて出遅れたぜ。」
遅れをとっていたコテツだった。

「まっ、アレがあくても俺は強ぇ~からな。ほらっ、いくぞ!!」
コテツはコリンとポパイを引っ張りリーダー気取りで歩き出した。

「まったくぅ~」




しばらく歩いただろうか。湖にやってきた。周りは木々が生い茂り不気味な雰囲気が漂っている。
湖自体は澄み渡りとてもきれいな場所だ。


「にしてもお前らのおんぼろアヒルとひらひらリボンは戦えんのか??」

「失礼ね、リボンだってトイです、ちゃんと戦えるわよ。」
コリンは自信をもって言い返した。

「・・・」
ポパイは自信がなかった。本当にガッチュは戦えるのか・・・自分は戦いにたえられるのかを。




・・・湖の水面になにか浮かんでいる。

すこしずつ近寄ってくる。


トイレットペーパーだ!!


トイ :トイレットペーパー
質  :紙
チップ:ウォータープルーフ


「ひひひっ、早速おでましたっ!!ロックスター軽くけちらそうぜっ!!」
そう言うとコテツはロックスターに体当たりを命令した。

「だめよ、コテツっ!!そんな事したらロックスターは湖に落ちてしまうわ。もっと冷静に。あいつが来るのをまちなさい。」

「う゛ぅっ」
コテツは落ち着き、踏みとどまった。


「うぅ・・・」
ポパイは恐怖心にうちかてずにかたまっている。



トイレットペーパーは水面から陸にあがってきた。

「ターゲットカクテイ・・・ドルフィーナセイト、コテツ。」

トイレットペーパーはくるくると紙を出し、ロックスターに飛び掛るっ!!

「ロックスターけちらせっ」

ロックスターが激しく動き紙を掻き分けるがきりがない・・・あまりの量にロックスターが完全につつまれてしまった。


「しまった!!くそっ、ヒートチップさえあったらこんなやつ。」

「リボンっ、ロックスターを助けてあげてっ」
コリンがリボンを戦闘に参加させた。


リボンは必死に紙を引っ張りむいているがロックスターは見えない。

「コリンちゃん、だめだわ。きりがないの。」
必死のリボンも手のうちようがない。


トイレットぺーパーはくるみこんだロックスターを引きずったまま、水面に逃げ込んでしまった。

「ロックスターっ!!湖に落ちちまったらあいつは戻ってこれねぇ。くそっ。」

「でも自動トイ達は安全だってコリー先生がいってたし、、、そんなことには-」


アナウンス「みんなげんきだったかい、ヒヒヒ。ポリディーです。俺様がやられっぱなしなわけねぇ~だろ??ちょいと自動トイ達に細工しといたから。健闘いのってるわっ。」


「ポリディー!!あいつ何で・・・って事はあのトイも・・・ロックスターが危険だわ。」

「くそっ!!ロックスターぁぁ!!返事をしてくれっ。」
コテツの叫びはむなしくロックスターに反応はない。


その間にもトイレットペーパーはかなり湖を進んでいる。

すると立ち止まり、紙をほどいている。
ロックスターを湖の上で落水させるつもりだ!!


「っ・・・;;」
ポパイはびくびく見ているしかなかった。

「ポパイっ!!いいのかそれで!!友達ぢゃないの??コテツやコリン、ロックスターを助けなくていいの?確かにコテツとロックスターは嫌なやつだけど・・・友達だろ?ポパイっ!!」


・・・涙ぐむポパイからガッチュは飛び出した。すると湖の水面に着水し、トイレットペーパーの元に泳ぎだした。



すごい速さだっ!!
ポパイはガッチュの速さ、仲間を思う勇気に心動かされた。
ガッチュがすごいスピードで水面を移動していく。

気づいたペーパーが攻撃をしかける。
しかし、ガッチュのスピードには全くついていけない。

「すごいよガッチュ・・・。僕は君なんて戦えないと、弱いと、心のどこかで思っていたのかも知れない。」

ガッチュは攻撃をかわしつつ、無事ペーパーの元にたどりついた。


ガッチュは水しぶきをペーパーにむかって、発射したが、チップの効力によって全く効果がない。

「ドンッ!!」
ガッチュは体当たりをぶちかました!!

水面で速度の出るガッチュの体当たりはなかなかの威力だ。ペーパーはひるんでいる。

「ガッチュ!!僕も戦うよっ!!今行くよっ!!」

ザブーンッ。。。



ポパイは湖に飛び込みガッチュのもとへ、ロックスターのもとへ、半分おぼれたような泳ぎですすんでいく。

ポパイの意識が遠のく。。。



「クウカンコントロールシステム解除シマス」

広大なステージが小さな部屋にもどった。



「・・・パイ・・・ポパイ」

ポパイが目を覚ました。

「よかった。ポパイ君、不正が発見されてあわててシステムを停止させたんだが、こんなことになっていたとは、すまなかった。」
コリー先生がシステムの停止をしたことで、ポパイたちは無事だった。

「ポパイ、嬉しかったよ。ポパイは弱虫なんかぢゃない、かっこよかったよ」
ガッチュはポパイにささやく。



教室の中では皆の会話がとびかっている。
「俺はホッピング。あっ、お前のはスモールウィンドじゃん、いいなぁ」

クラスの大半はチップを勝ち取っていたようだ。

初回戦闘実習だけに、あんなに手ごわいトイはいなかったようだ。



「んなのありかよぉ~!!俺たちチップなしじゃん。」
コテツがガミガミコリーに訴えている。

「確かに今回の件はこちらのミスですから、君達はあとで、私の部屋にきてください。」
「みんなもおつかれさま、今日は帰ってゆっくり休みなさい。」
そういうと、先生は部屋にもどっていった。




「失礼します。」
ポパイ・コリン・コテツはコリー先生のもとにやってきた。

「すまなかったね。君達のがんばりはわかった。君達にもチップを特別に渡そう。」
そう言うと、コリーは一人ずつチップを渡した。


「コリンさん、君の優しさ、思いやりはすばらしいと思います。君にはこれを。」

ヒーリングα紙布チップ。
(軽量の回復術チップ、紙・布のみに有効)

「コテツくん、勢いだけぢゃこの先も同じことが起こりますよ。でも実は仲間思いで、君はいいトイズになりますよ。」

ヒートチップ(返却)
フラワーチップ:タイプ向日葵
(土や岩に向日葵を咲かせる)

「先生そりゃないぜ、こんなチップ。」

「コテツくん。これはは土・岩にしか咲きません。そして咲いた向日葵のついたロックスターは1人2役をするということです。花タイプの攻撃チップをつければその向日葵は君を助けてくれるでしょう。」


「そして、ポパイくん。よくがんばりましたね。でも泳げないのに無茶しましたね。君にはこれを」

そこにはボロボロのチップが1枚。。。

「これは『車輪』というチップです。」
「私が子供の頃使っていたものです、実は私もあなたと同じでアヒルのおもちゃがパートナーでした。君をみていると昔の僕を思い出すよ。」







コリー先生は翌日責任をとってドルフィーナをあとにした。




ポパイたちは、その後も戦闘実習やトイの知識をドルフィーナで熱心にとりくんだ。
コリー先生との思い出を無駄にしないように・・・






-3年後


・ポパイ

目立たないながらも、好成績でドルフィーナを卒業。ポリストイズ目指して、地元民間団体に所属。


・コリン
戦闘実習はあまり優れた成績ではなかったがその他は好成績で卒業。ポパイと同じ地元民間団体に所属。


・コテツ
ドルフィーナをトップの成績で卒業。都会のポリストイズの団体に所属。




今彼らのトイズとしての物語はスタートしたばかり。
6, 5

KEITA1号 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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