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ある女子生徒の戯言(仮)

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 子供の頃から砂糖の塊を食べるのが好きで、皆が敬遠するクリスマスケーキ登頂寸前ののサンタをもらってはよく食べた。そのせいかどうかは知らないが、最近コンビニで見つけた「クイニーアマン」なるパンも特に抵抗なく美味しく食べられた。変な名前だったが、それも気にならなかった。私は食べ物に対して、まずイメージから入らない。だいいち、食べ物に対して、その見た目でもなく味でもなく、イメージから入る、ということがあるだろうか。「トムヤムクン」と聴いて、ああこれは人間の肉を調理しているのだな、「トムヤム」君をいただくのだな、そう思って吐き気を催すことがあるだろうか? 私はあった。
 あれっ?

 「あれっ?」とかクエスチョンマーク、つまりフランス流に言えばケスチョンマークを付けてまで可愛いコぶる必要も無かったのだ。ああ、そういえば、ケスチョンマークって、何だか可愛い。「あれっ?」とか言ってしまう私よりもダブルはおろかトリプルスコアをつけて勝っている。悔しい。去年の夏のあの思いを、いや憶いを、私は、いや私たちは忘れてしまったのだろうか。
 ここで色々とはっきりさせておかなくてはならない。まず、今のところ私はひとりなので、前の形式段落の最終文にある「私たち」は訂正で、「私」のままにしておいて下さい。いや、だって、ほら、「あの思いを、いや憶いを、」なんて書いたら筆がノっちゃうじゃん? ……「じゃん?」って言ってるけど横浜じゃないのはわかってる。でもいいじゃん。使ったっていいじゃん。むしろみんなに使ってもらった方が横浜弁の地位向上につながるじゃん? え? でもみんなが使えば使うほど共通語として認識されちゃうね。ジレンマだね。いや、ディレンマだね。
 閑話休題、と言いつつ私たちはこの話の本題を見失いつつあるんだけど、まあ見栄えもいいし、やっぱ「閑話休題」にしておこう。よくよく考えてもいない本題を無理矢理ねじ込んで話を作ってみるけれど、私は去年の夏、どんな悔しい憶いをしたのだっけ(「憶い」って言葉を言い直したりせずにさらっと入れられると、やっぱり格好良い。)?
 あの夏、プリプリ的に言うと「世界で一番熱い夏」、私は校庭で汗を流す彼を、見てない。いや、これは本当に見てないよ。だって、うちそこそこ進学校だったから授業中に部活とか無かったし、部活の特待生とか入って来ないし。公立だし。だいたい校舎の窓から野球部の彼を見ることができるとか、室内系の部活に全然力入れてない証拠だし。なに、ゆとり? ゆとっちゃってんの? うちはギリギリゆとってる。残念なんだけどね。しょうがないね。時代の流れってヤツだね。でもって、それじゃあ私はどこで彼を見ていたんだろう。あ、思いついた。いや、思いついたってより、思い出したの。うん、本当。いや、作り話とかじゃないから。私ね、野球部のマネージャーだったの。マネジャー? どっちがいいのかな。コンピューターとコンピュータみたいな、そういう問題だよね。「表記のゆれ」って言うのかな。あ、今なんだか私すごく頭良さそうに見えたよね。進学校だし。えへっ。

 いかん、こんどは「えへっ」だって。もういい加減にしたいよね。さすがに「えへっ」とか意識的に使っちゃう年頃、もう卒業したいよね。進学校だし。あはっ。

 ……閑話休題。と言いたい所なんだけれど、そういえば、だんだんと文体がブロークンになっていることに気がついた? 私は今気がついたの。でも、まあ、大した構想を持って書きはじめた訳でもないし、いいかなと思って。
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