時間にルーズなことは、私自身が一番自覚していることだった。
「15分前……」
ホットドッグとアイスカフェオレの屑ごみを片付け、本日の目的地へと、足を向ける。
世間一般的に、カードゲームなんていうと、小学生の遊び程度の認知だろう。
けれども、実のところカードゲームユーザーは大きく分けて二つの層が存在している。
1つは今挙げた、低年齢層。
もう1つは大学生、社会人などの20代前半を中心として構成される層だ。
名所のゲームなんかの対象年齢は12歳以上を推奨しているし、他には数百万単位の優勝賞金を用意しているゲームなんかもある。
そして私の趣味としているのは、競技性を追求した、戦略TCG。
名前はレギオンという。
お互いにエリアと呼ばれるカード2枚を用意し、それを攻め落としたほうが勝者となるゲームである。
有志の団体に、それぞれ適所の部屋を、数時間単位で貸し出している施設は思っている異常に多い、今日の大会会場もその1つ、駅からの立地も比較的良い場所だ。
普段は何かの講演などに使われているであろう、三人ほどが並んで座れる机に、丁度面して3つずつパイプ椅子が並べられていた。
有志団体による大会ではあるものの、参加者数は190を超える。
そしてこのレギオンにおいては、その殆どが、興味本位ではなく、頂点を狙うために参加し、ある種の殺伐とした雰囲気が会場内を満たしていた。
「それでは第1回戦、始めてください」
私の対面に座った男性の年齢は二十前後だろうか。
お互いに記入したレコードシートのハンドルネーム欄にはギリシャ文字でΣが記入されている。
「私はF・プリンセス〝セナ〟をコマンダーにセット」
カードそれぞれは基本、コストとして指定された枚数、種類のカードを手札から捨て札に置かなくてはならない。
けど、カードにはネームドと呼ばれる個人名を持つカードが存在する。
ネームドをコストを支払わず、1ターンに1度コマンダーとして場に出すことで、それらは横向き、レスト状態にすることで、コストを1つ、払った物として扱える。
「そして、〝セナ〟をレストして、マリン・スノーを登場させます」
マリン・スノー
青1
パワー2000
フェアリー/アトランティス
登 【自分の手札全てを公開する】
自分のデッキから、自分の手札に存在しない、1コストの
フェアリー1枚を選び、手札に加える。
「……、〝セナ〟にマリン・スノー……、典型的なフェアリーデッキ……?」
「さぁ、どうでしょうね……、マリン・スノーの効果によって手札を全て公開、デッキからお掃除するブラウニーを手札に加えます」
ホットドッグとアイスカフェオレ
デッキ構築は大きく分けて2つ。
1つが私の扱うフェアリーのようにデッキ圧縮能力に特化した小型をベースに多色から、大型や、支援カードをタッチする多色デッキ。
あ、タッチっていうのは少数の枚数のカードをデッキに積むことなんだけど、人によってニュアンスが10枚前後だったり、20枚前後だったりまちまちだけど。
まぁ、レギオンはエリアを抜いた50枚が1デッキだから、その半分に満たない数だと思ってくれると分かりやすいかも。
話が逸れちゃったけど、もう1つのパターンはデッキを単色、とくに種族のシナジーを意識して纏めた形。
レギオンはゲームシステム上、今のところは他カードゲームでよく使われるところの無コストの概念がないから、やっぱりどうしてもこの単色デッキの方が主流ではある。
さっき口ではああ返したものの、実際の私のデッキも単色で組まれたフェアリービート、相手の予測は当たってる……。
「登場ユニットはそのターン行動を取れない、コマンダーの〝セナ〟をスタンドして、私はこれでターンを終了」
「ターンをもらいます2ドロー、メインフェーズ」
先行は半ターン早く、登場制限の解除されたユニットを得れるが、代わりに初ターンは1枚しかカードを引くことが出来ない。
――この1枚の差が、どこまで響いてくるか……
「手札から、月明かり差し込む〝イリーガル〟をコマンダーにセット、そして、イリーガルをレスト、手札から1枚の追加コスト、雑踏の〝ドッペル〟を登場、すぐさま効果を発動し、ドッペルを捨て札に置いて、デッキから2枚の精気を欲する者を登場させる」
雑踏の〝ドッペル〟
黒2
パワー6000
ミュータント/キラーマンション
起 [このユニットを捨て札にする]<メイン>
自分の山札から、2コスト以下のテキストのない同名ユニットを2枚まで選び、自分のフィールドに登場させる。
精気を欲する者
黒2
パワー6000
高パワーによって、相手のユニットを上から殲滅するタクティクスを得意とする黒のミュータントデッキ。
特に、今の一手目はミュータントデッキにおいて最良の一手で、3枚の手札消費で、効果こそ持たないものの、パワー6000を誇るユニットを2体も並べられてしまった。
1つが私の扱うフェアリーのようにデッキ圧縮能力に特化した小型をベースに多色から、大型や、支援カードをタッチする多色デッキ。
あ、タッチっていうのは少数の枚数のカードをデッキに積むことなんだけど、人によってニュアンスが10枚前後だったり、20枚前後だったりまちまちだけど。
まぁ、レギオンはエリアを抜いた50枚が1デッキだから、その半分に満たない数だと思ってくれると分かりやすいかも。
話が逸れちゃったけど、もう1つのパターンはデッキを単色、とくに種族のシナジーを意識して纏めた形。
レギオンはゲームシステム上、今のところは他カードゲームでよく使われるところの無コストの概念がないから、やっぱりどうしてもこの単色デッキの方が主流ではある。
さっき口ではああ返したものの、実際の私のデッキも単色で組まれたフェアリービート、相手の予測は当たってる……。
「登場ユニットはそのターン行動を取れない、コマンダーの〝セナ〟をスタンドして、私はこれでターンを終了」
「ターンをもらいます2ドロー、メインフェーズ」
先行は半ターン早く、登場制限の解除されたユニットを得れるが、代わりに初ターンは1枚しかカードを引くことが出来ない。
――この1枚の差が、どこまで響いてくるか……
「手札から、月明かり差し込む〝イリーガル〟をコマンダーにセット、そして、イリーガルをレスト、手札から1枚の追加コスト、雑踏の〝ドッペル〟を登場、すぐさま効果を発動し、ドッペルを捨て札に置いて、デッキから2枚の精気を欲する者を登場させる」
雑踏の〝ドッペル〟
黒2
パワー6000
ミュータント/キラーマンション
起 [このユニットを捨て札にする]<メイン>
自分の山札から、2コスト以下のテキストのない同名ユニットを2枚まで選び、自分のフィールドに登場させる。
精気を欲する者
黒2
パワー6000
高パワーによって、相手のユニットを上から殲滅するタクティクスを得意とする黒のミュータントデッキ。
特に、今の一手目はミュータントデッキにおいて最良の一手で、3枚の手札消費で、効果こそ持たないものの、パワー6000を誇るユニットを2体も並べられてしまった。