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第7話『僕が激怒した夜』

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 皆さん、こんにちは。神道です。

 今回は特定の人物や商品をプッシュする内容になっていますが、あくまで僕が個人的におすすめしているというだけです。何か商売目的で宣伝をしたいわけではありませんので、あらかじめご了承ください。

 さあそれでは、始まりです。



 第7話「僕が激怒した夜」



36, 35

  


 今まで言うタイミングがなかったので、ここで初めて言うことになるのですが……僕と月子は金曜日の夜、どちらかの住まいにお泊りすることになっています。
 金曜日の夜からお泊り(ゴニョゴニョとかしたり)して、土曜日は一日中いっしょにいます。外に出ずゴロゴロしたりどこかに遊びに行ったりして過ごし、特にお互いの予定がなければまたお泊りして(ゴニョゴニョしたり)週明けの月曜日を迎えます。


 今回はそんなお泊りの夜に起きた出来事のお話です。


 金曜日の夜でした。その日は僕の住まいでお泊りの日、僕は小さく響いてくるシャワーの音を聞きながら、ぼんやりとテレビを見ていました。
 言うまでもありませんが、今、月子がシャワーを浴びています。いっしょに浴びることも稀にありますが、月子が恥ずかしがるのでたいてい別々です。
 ちょっと寂しくはありますが、僕も目のやり場に困るんですよね……浴室というのは、ベッドの上とはまた違った魅力がうんぬん……

「おまたせ、陽くん」

 シャワーを終えた月子がとてとてと僕の元まで来て、そしてすぐ隣に座りました。

「えーいっ」

 僕の肩に頭をぶつけ、そこをぐりぐりとする月子。意図がわからない行動ですが、月子は構ってほしいときはやけに幼児化する癖がありまして……
 ぐりぐり攻撃を受けながら、僕は月子を意識してしまいます。しっかり拭いていないのか、肌にぺっとりと張りついているパジャマ。水気を含んでしっとりと艶やかに光る黒髪。くっついた腕から伝わる高い体温。
 お恥ずかしい話しですが、お泊りって時点で、何というか、こう、僕は、やる気満々になってしまっているというか……そんな僕が、すぐ隣の、シャワー後の月子を黙って座らせておくなんて、できません。

 僕は月子の肩に手を置きました。ぐりぐりが止まり、じっと月子は僕の様子を伺っているようでした。ちょうど僕たちの前にあったリモコンがカタカタと小さく動きました。緊張なのか期待なのか不安なのか、念力が勝手に出ているようです。

「月子」
「……なあに?」

 僕はただ月子を呼んだだけで、そのまま抱き締めました。リモコンが浮き、落ちてカタンと音が鳴ると、月子は抱き返してくれました。
 月子の体温、吐息、鼓動が僕の全身に伝わってくるようです。

「陽くん」

 腕の中で、僕の胸に顔を埋めた月子が、ぽつりと呟きました。

「なに?」
「ちゅー、していい?」

 こんなこと訊かれて断わる人なんているんでしょうか。月子の顔を優しく持ち上げると、月子は目を閉じていました。僕は月子の唇に触れるだけのキスをしました。柔らかな感触が唇に拡がって、そしてすぐ目の前には「えへへ」と笑う月子の顔。
 ああ、なんて幸せなんでしょうか。ずっとこうしていたいぐらいです。が、そういうわけにもいきません。

「月子、そこの引き出しにあるから、取ってくれない?」

 こくりと頷いて、月子は四つん這いで僕が言った棚に向かいました。

 月子が僕のところでお泊りするとき、いっしょにDVDを見ることにしています。それを見るのが目的ではなく、ほら、ゴニョゴニョ前って、何だか切り出しにくいじゃないですか。なので半分ぐらいのところで、それとなく僕が求めて、月子が応える、そしてゴニョゴニョ開始、みたいなことをしていまして……

 引き出しを探ろうとする月子。僕はその小さなお尻をじっくりと眺めていると――

 最悪なことに気づきました。


 そこの引き出し、買ったばかりのAVが入ってる!


「陽くん……」

 月子の冷たい声。

 万事休す。
   時間よ戻れ。
     時すでに遅し。
       許してくれるまで土下座。

 様々な言葉が僕の脳裏に横切りました。

「つ、つきこ」
「巨乳モノですか、そうですか」
「駄目だったかー!」
「たぶん被害妄想なんだろうけど、この人、ホッシーナに似てるよね」
「思い切り被害妄想だよ! 似てないよ!」

 蒼井そら先生とホッシーナは似てないよ! 胸のサイズは似ているだろうけど……

「やっぱり巨乳か、巨乳が好きなのか」
「むっ」
「ごめんなさいね、ぺったんこで。この人みたいに大きかったら良かったのにね」
「む、むむむっ」

 僕はその言葉に苛立ってきていました。
 月子は、大きな勘違いをしている。

「だいたい何さ、不潔、不潔だよ、こんなの見て、お、オナ、オナニーなんてしちゃったりして」

 僕はこの言葉に、カっとなってしまいました。

「違う、違うよ」
「え?」
「蒼井そら先生は! 単なる巨乳女優じゃないんだ! 美の象徴なんだよ!」

 そう言って、僕はCDラックからブラームス交響曲全集を取り出しました。中に入っているのはCDではなくAV。透視をされたら一発でアウトですが、できる限りのカモフラージュです。

「まずはこれを見ていただこう」


(鑑賞中。ところどころ早巻き)


「……うう、うう」
「これはよくある、素人モノのAV。素人モノの良いところは臨場感、そしてリアリティがあって『もしかしたらこんなことあるかも』と期待してしまうところなんだよね。まあ裏側を言っちゃうと……演技が下手でも、素人モノってことである程度は許されるからね」
「で、これが、なんなのよぅ」

 AV鑑賞効果からか、手をすりすり、脚をもじもじ、超能力が暴走してバチバチと放電している月子。実に食べごろ(なんと下品な表現だろう)だが、今はそれどころではない。月子に、蒼井そら先生をわかってもらいたいんだ。

「次にこれを見てもらおう」
「……姫姫旅行?」

 月子は僕が差し出したそれを読み上げました。表裏、表裏と、まじまじと眺めています。

「そう、それは福島中央テレビで放送されていた、姫姫旅行という番組のDVD。パリ編ね」
「へー、旅番組?」
「うん。でもこの二人、AV女優さんなんだ」
「ええ、そうなの?」

「普通のおねーさんだ」という月子に、僕はニンマリとしてしまいます。そうなのです。これは日曜朝に旅番組として流れていてもおかしくないぐらい、普通な旅番組なのです。

「さあ、蒼井そら先生をとくとご覧あれ」


(鑑賞中)


「うわー、綺麗な人だったー」
「だろうだろう、パリ親善大使みたいだろう?」
「うん! ゆまさんは可愛いらしいし、そらさんはすっごい美人さんだね!」
「ふふふん。さあ、そこでこれだ」

 ここで、最初に見つけられたDVDに戻る。

「これは蒼井そら先生のAVだ」
「むっ」
「あのパリ親善大使が、普段どのような仕事をされているのか。気にならないかい?」
「む、むむむっ」
「もはや彫刻のように美しい蒼井そら先生が」
「み、見る!」

 月子はDVDをデッキに入れました。


(鑑賞中)


「…………」
「いやぁよかった。さすが蒼井そら先生だ」

 惚れ惚れしてしまいました。もう美、美の象徴ですね。あの裸体は彫刻となって飾られててもおかしくないです。

「陽くん。最初にバカにしたこと、謝る」
「そうか、わかってくれたか……!」
「でも、これでオナニー、するんでしょ?」
「…………はい」

 それはそれ、これはこれ!

「……」
「…………」

 沈黙が続き、やがて月子が立ち上がり、そのままベッドに向かって潜り込みました。

「……月子?」
「ねえ、来てよ」

 顔をこちらに向けず、囁きました。


「し、シたいの……」


 あ、立て続けにAVを見たもんだから興奮してしまったようです……

 …………

 皆さん、今日はこのへんで! おやすみなさい、良い夜を過ごしてきます!
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