ここ森ノ中高校は名前で分かるように、沢山の木に囲まれてる学校。
個人的には、ゆったりとしていてお気に入りの学校だ。
まぁ~学校の話はまた後で話そう。今日は、そんな学校に転校生が2人もやってくるのだ。
しかも、自分のクラスに。
2人ともイングランドからの帰国子女だそうで、クラス中もその話題で持ちきりだ。
まぁ~そんなこんなで、1人で窓の外を眺めていたら、バカの鈴木がうれしそうに話し掛けてきた。
「おい。聞いたか。2人とも帰国子女らしいぜ。帰国子女ってなんか高級感を感じるよな。すっげぇ~美人なんだぜ!きっと。いやぁ~やっぱ、そういうDNAは欲しいよな?どう思うよ?でも、きっと倍率とか高いんだぜぇ~。俺、どうしちゃおうかな~ワハハハハ」
と、鈴木は言って去っていった。
コイツは、自分の言いたい事だけを言ったら、次のターゲットの所に行くのだ。
長年付き合ってると、気持ちのいい男である。
いい感じに時間も経ち、チャイムと同時に担任の大崎が入ってきた。
「え~みんな、知ってると思うが、今日から一緒に勉強する仲間が2人増える事になった。みんな仲良くしてやってくれよ。」
「イェーイ」
「ヒューヒュー」
「待ってました」
男子生徒はお祭り騒ぎである。
もちろん先頭に立って、はしゃいでいるリーダーは鈴木だ。
いや、自分も美人だったら最高にうれしい。けど、そこではしゃいでしまうと、他の男と一緒でインパクトは残せない。
そこで、1人くらい黙っていた方が、逆に気を引けるという作戦だ。
はしゃいでいる人間で、唯一、注目を集められるのは鈴木くらいのものだ。ん?あいつは人間でいいのか?
まぁ~そんなこんなで大崎の長い話が終わって、いよいよ帰国子女2人組の登場だ。
「じゃあ~2人とも入って」
クラス中の生徒が唾を飲み込む。多分、この音は教室に響き渡っただろう。
ガラガラガラ。細身で長い足をした、まさに美人が教室に入ってきた。
その美人が一歩足を踏み入れただけで、教室の空気がエレガントに変わった。
鈴木は、あまりの美しさに口を開きっぱなしで、アホ面になっている。
あれ?転校生は2人じゃなかった?
教室の入り口を見てみるとドアは閉まっている。
ん?なんだあれは?
美人の後ろに、いかにも小学生体型が隠れている。
まさに、天と地。
転校生の二人目ってあれ?
おいおいマジかよ・・・。ホントに高校生?