第一級戦闘員
「あれ? 今日の訓練で使うインストカードどこいった。
確かこのデスクの中に……」
ゴソッ
「な、なんだこりゃ? 白い布でいっぱいだ!
どう見ても魔璃亜のパンツです。
なんで俺のデスクに……
すげえいい匂いがする、興奮する、クンカクンカ。
って匂いかぎながら頭にかぶってる場合じゃねえ!
はやくインストカードを探さないといけないんだよ!
うおおおおパンツパンツ!」
「なにしてるんですか?」
「うひゃあ! パンツの主が目の前に!」
「いやぁーっ! 私のパンツの匂いかいでるぅぅっ!
しかも頭にかぶって喜んでるぅぅっ!
マスターがそんなに変態だったなんて……
別にショックじゃありませんけど」
「魔璃亜だろ、俺のデスクにパンツ詰めたのは」
「しまう場所がなかったので」
「自分の部屋があるだろ」
「マスターが喜ぶと思ってやりました」
「確信犯じゃねえか! 喜んだけど困るよ!」
「すいません、自重します」
「あ、もしかしてこの前の、
俺が光ちゃんのパンツに興奮してたのが
気に障ったとか?」
「……違います」
「いま一瞬、目を逸らしただろ……。
それはともかく、インストカード知らないか?」
「私があたためておきました……どうぞ」
「ちょ、どこに入れてんだよ! それも嬉しいけど困る!」
「私の仕事は、マスターの最大支援」
「……魔璃亜の方が変態じゃね?」
「マスターの影響です」
「いやいや絶対に違う」
「ところでマスター、首領からメールがありました。
第一級戦闘員の資格試験を受けるようにとの事です」
「うおお、マジか」
「マスターの日々の努力が認められたのでしょう。
おめでとうございます」
「ありがとう、魔璃亜のサポートのおかげだよ」
「申請書を持ってきました」
「準備がいいな。訓練が終わったら書いておくよ」
「マスター、早い方がいいでしょう。
今すぐここで書きましょう」
「えっ? いや、もう訓練の時間だし」
「では、この項目だけ。
私の見ている前で今すぐ書いて下さい。
お願いします」
「な、なんだよ魔璃亜、目が怖いぞ……。
わかったよ、ええっと、この項目だな」
第一級戦闘員になるにあたって
エレメントドールの変更を申請しますか?
イエスかノーで選択して下さい。
「ノウ! 絶対にノウ!」
「わかったわかった……」
「備考欄にもしっかり書きましょう。
俺は魔璃亜じゃないと駄目なんだ、
魔璃亜がいたからここまで頑張れたんだ。
俺は魔璃亜とずっと一緒にいるって決めた!
魔璃亜可愛いよ魔璃亜愛してる超ラブラブ!
これからも魔璃亜の為に俺は戦い続ける愛の奴隷。
もう魔璃亜と水さえあれば生きていける!」
「恥ずかしいよ! そんなに書くスペースねえよ!」
「うっきゃー! うっきゃー! うっきゃー!」
「こら、暴れるな! デスクが壊れる!
あんまりワガママ言うと変更申請するぞ?」
「ごめんなさい……」
「ああ、ごめん、嘘だから……
急に泣きそうな顔しないで」
「あなたは死にます」
「書いたぞ、これでいいよな?」
「はい……」
「そんなグシャグシャになるまで握り締めるなよ……。
さて、そろそろ行くか。
うひゃあ、このインストカード、マジあったけぇ」
「いつまでパンツかぶってるんですか、変態マスター」