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女流武者 御剣桜華 第十一幕 潜入、伸朗の砦!!

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 播磨の辺境の村人を救うため、桜華たちは伸朗の砦へと向かっている途中、見張りをしている伸朗の武士に見つかってしまい、戦いを余儀なくされた。
 「東雅殿、竜五郎殿!!行くぞっ!相手は伸朗の武士だ。気を緩めるな!!」
桜華たちは刀を構え、一気に伸朗の武士たちに向かっていく。それを見た伸朗の武士たちは刀を構えて桜華たちを迎え撃つ態勢に入る。
 「貴様ら・・三人の中に女が一人混ざっているが容赦はせん!俺たちの力・・甘く見るなよ!!」
緊迫した空気の中、伸朗の武士たちと桜華たち三人の戦いが始まった。

 桜華たちと伸朗の武士との鍔迫り合いをしている中、竜五郎は後ろから東雅と交戦している伸朗の武士を斬りつけにかかる。
 ――ザシュッ!竜五郎によって切り裂かれた伸朗の武士は、その場に倒れる。その竜五郎の行動を見ていた東雅が竜五郎にそう言う。
 「相手が二人だったからな・・桜華と私が伸朗の武士と戦っている最中に、背中を狙って攻撃できる隙があったようだな・・。」
東雅がそう言うと、竜五郎が答える。
 「手が空いていたからね。鍔迫り合いの最中に敵の背中を狙えば相手を斬り付けられる。おっ、桜華殿のほうも終わったようだな・・。」
竜五郎がそう言って桜華の方を見ると、すでに桜華は伸朗の武士を打ち倒していた。桜華は備前での戦いで腕を上げていた。
 「さぁ・・邪魔者は片付けたし、そろそろ砦へと向かおう・・。その前に馬の置き場所を決めないとな。なるべく敵の目に触れないところで頼む。」
桜華は東雅ににそう言うと、東雅は馬を隠せる場所を探しはじめた。東差は砦の裏に回り、桜華たちに了承のサインを送る。砦の裏は馬を隠すところにはもってこいだ。
 「こっちだ。砦の裏なら武士たちの目には見えないだろう・・。」
桜華は馬を砦の裏に止めると、馬にそう言ってからその場を去る。
 「ここで、待ってろよ・・。牙龍丸(がりゅうまる)!ここなら伸朗の武士が来ることは無い。もし奴らがきたらひとまず逃げて戻って来い・・。」
桜華は鋼獅朗から貰い受けた馬に牙龍丸という名前をつけていた。桜華の命令で、牙龍丸はおとなしくなった。桜華たちは牙龍丸と一旦別れ、伸朗の砦へと向かっていった・・。

 山奥にある伸朗の砦へと来た桜華たち三人は、早速囚われた人々を解放するべく、地下牢へと向かった。地下牢に来た瞬間、牢屋にはたくさんの村人が捕らえられていた。
 「皆の者・・助けに来たぞ!!」
桜華の言葉に、囚われの村人が声をそろえて桜華たちにそう言う。
「おおっ!!助けが来たぞ!!」
「はやくこの牢を開けて助けてください!」
村人が声をそろえて助けを求める声に、桜華が首を縦に振り答える。
 「助けに来たのだが・・鍵を持っていないのだ。伸朗とかいうやつが鍵を持っているのか!?」
桜華の言葉に、村人の一人が答える。
 「悪いが、伸朗は鍵を持っていない。看守の武士が鍵をちらつかせている姿を見かけたが、奴はこの奥にある部屋で休んでいることが多いようだ。だが、護衛の武士が常駐しているようだ。あの部屋に行くときは気をつけてくれ・・。」
村人がそう言うと、自信満々の表情で桜華が答える。
 「大丈夫だ。どんな奴が来ようと私たちは負けぬ。私には家臣がいる。その家臣と共に鍵を奪い返して来るぞ。」
桜華はそう言うと、全員は地下牢の奥にある看守の部屋へと急いだ。部屋に来た桜華たちを待っていたのは、看守と数人の武士であった。
 「何者だっ!まさか村にまだ隠れ武士がいたのかっ!村にいる武士はすべて捕えたはずだが!?まぁいい、ここで死ぬのだからな・・。」
護衛の武士の言葉に、桜華が静かに答える。
 「私はお前たちが略奪をしたあの村の武士ではない。我が名は御剣桜華と言う名だ!!お前たちよ、地下牢に閉じ込めている村人を解放しろ!さもなくば・・」
桜華は鞘に入った刀に手をかけ、護衛の武士と看守を威嚇しながら村人の解放を要求する。しかし看守はそれに応じる気は無いようだ。
 「悪いが・・鍵は渡すわけにはいかねぇ・・。奴らには伸朗の奴隷として働く動力だ。とりあえず奴隷には城を立てるように命じておるがな・・。」
看守の態度に、桜華が刀を鞘から抜き護衛の武士たちに叫ぶ。
 「鍵を渡せ!さもなければ我が家臣たちが黙ってはいないぞ・・。」
桜華の言葉に、家臣たちが後ろから現れ、看守たちにそう言う。
「さてと・・おとなしく鍵を渡してもらおう。そうすれば痛い思いをしなくても済むぞ。」
「村人を返せっ!!お前らなど怖くは無いぞっ!!」
家臣たちの言葉に怒りを感じたのか、看守は護衛の武士たちに桜華たちを倒すように命じた。その言葉を聞いた護衛の武士は、刀を構えて攻撃の態勢に入る。
 「ええい!!護衛どもよっ!目障りなこいつらを倒せっ!」
護衛の武士たちが、桜華たちに迫ってくる。桜華たちは後退りしながら刀を抜き、戦闘態勢に入り、護衛の武士を迎え撃つ態勢に入る。
 「私たちを倒すつもりか・・。まぁいい、こちらも戦うぞ。竜五郎殿、気をつけるでござるよ!相手は伸朗の武士だ。一時たりとも気を抜くでないぞ。」
東雅の言葉に、竜五郎が首を縦に振り、こう答える。
 「分かりました!!東雅殿。あなたの言うとおりにやってみます!では、戦いに勝って村人を解放しましょう!!」
竜五郎がそう言うと、桜華たちは一斉に護衛の武士に向かっていったのであった・・。

伸朗の砦の地下牢に、村人たちが囚われていた!
村人を解放するため、桜華たちは戦う!!
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