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チャリティー・マラソン
2, 1

  

《1》
チャリティー・マラソンに参加することになりました。
「よーい・・・パンッ」
スタート地点に並んだ筒の中からランナーたちが一斉に押し出されました。
押し出されて転がったランナーがまた筒に回収されていきます。
趣向を凝らしたスタートの演出に、沿道の人々は大いに盛りあがります。
4, 3

  

《2》
ほのみは、ちゃんとスタートしないと不公平にならないか気になりました。
チャリティーだから順位にこだわらないのだとしたらよくないと思いました。
ほのみはもんどりうつランナーたちを尻目に急いで走りました。
6, 5

  

《3》
前の人が次々とローラーすべり台をすべっていくので、ほのみも続きました。
ローラーにおしりの骨が当たって痛いけれど、我慢してすべっていきます。
眼下に広がる街の灯りが夕闇に映え、とても綺麗です。
8, 7

  

《4》
ローラーすべり台を下りるとまた一般道です。
あたりはいよいよ暗くなってきました。
大きな4本杉の前をランナーたちが通過してゆくのが見えます。
ほのみもようやく4本杉に近づいてきました。
10, 9

  

《5》
「あっ」
近くまで来ると、なんと杉は、杉ではなく闇でした。
12, 11

  

《6》
ほのみは急いで闇の前を通り過ぎようとしました。
その時です。
「イタッ」
ほのみは足の裏に痛みを感じて動けなくなりました。
慌てて見てみると、足の裏にジグソーパズルのピースがめり込んでいました。
14, 13

  

《7》
ほのみは足に刺さっていたのがただのジグソーパズルだったので、ほっとして足の裏から剥がしました。
そしてまた走り出しました。
遠くに給水所が見えてきて、ランナーたちがたむろっているのが見えました。
16, 15

  

《8》
給水所まで来ると、みんなが水道の周りに集まって、石けんで顔を洗ったり、目を洗ったりしていたので、
ほのみも石けんで顔を洗いました。
18, 17

  

《9》
給水所の先にはお菓子が盛られたお盆が置いてありました。
みんな好き好きに取って走っていくので、ほのみもお菓子を選びました。
珍しいきのこの山があったので、新商品かなと思ってわくわくしながらふたつ取りました。
それからとっても大きなチョコバナナがあったので、それも二本取りました。
20, 19

  

《10》
ほのみは走りながら早速チョコバナナにかぶりつきました。
(あれ?)
どうやら中身はバナナではないようです。
何だかしばらく考えてみて、ようやくわかりました。
中身は焼いたナスでした。
一瞬吐きそうになりましたが、ナスがほくほくしていてそう悪くもないような気がしてきました。
コンビニから出てきたお兄さんが
「知らなかったの?」
とクスクス笑っています。
もう一本ホワイトチョコがかかったナスがあったので、うぶな友達にプレゼントしたらおもしろいぞ、と思いました。
22, 21

  

24, 23

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