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まとめて読む

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そこには花 しめじ オレンジの皮
カミキリムシの卵の中に眠る葉緑体
明後日の予定を測りながら食べている
紫陽花の咲く頃に

わたしの日記は誰にも理解されない
わたしにしか判らない
わたしが死ねば、何のためにあるものかさえわからなくなるだろう
暗号文というわけでもない
わたしのその時の気分で書いている
ただし、わたしだけが判る
それを読めば、その日何があり、どんなことを思っていたかが
ありありと蘇ってくる

神凪 カラスの鳴き声に胸が踊る
アリスとその姉は南へ向かった
みみずく 頬張る明日
ひとりでに歌うことを許してほしい

その日わたしは図書館にいた
12時間、ずっと本を読んでいた
暇だったからだ
そして見た
20代半ばくらいの男が、人を刺すのを
そのことは「カラスの鳴き声に」のところですぐに思い出せる
ただ、「胸が踊る」でわかるように
わたしは何故かそれを見た途端、気を失ってしまった
犯人は捕まっていないらしかった
刺されたのは子供
小学生らしかった
警察には、寝ていたのでわかりませんと答えた
わたしはその男―ナイフを3本持っていた―に恋をしてしまった

これはわたしの恋の物語
今日はあの人にあえるかな?
会ったら日記を見せよう
あれからはあの人のことしか書いていない
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