桃太郎
むかし、むかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが洗濯をしていると、川の上流からどんぶらこ、どんぶらこ、と大きな桃が流れてきました。
「これほど大きい桃は見たことがないわい。さぞかしおいしい事じゃろうのう、フヒッ」
お婆さんはこの大きな桃を苦労して家へもってかえりました。
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老人がひとり部屋の中に佇んでいる。飛んでいる虫を払ってせき込んだ。彼は鋭い目つきで部屋の真ん中を睨む。傍のお婆さんが口を開いた。
「たいへん珍しいものを拾ってきたので蔽いをしてありますじゃお爺さん」
「うむ・・・・・」おじいさんは答えた。
「ばあさんや・・・・・あんたはいつも変なものを拾ってくるが、『それほどまでに珍しいものを拾ってきたようだな』・・・・今回は・・・・」
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おばあさんは桃の覆いをとった。
「見たいようだから見せましょう!洗濯していた川からまるごと拾ってきたのです!けっこう苦労したですじゃ!おじいさん、さっそくこの桃をむいてみましょう!」
「ばあさんや、この桃はすごく大きい。ちょっとやそっとではむけそうもないぞ・・・じゃが」
「じゃが?」
「じゃが我が日本の武士道は世界一ィィィィィィ!切れんものはないィィィ――――ッ!!」
スパァァン!
おじいさんは桃をまっぷたつに切りました。
バシュ――――ッ
とたんになにかが噴き出した。果汁だ!ふたりは目をぬぐい、桃を見て声にならないうめきを出しました。
「おおおおお」
「あ あ あ」
見ろ。桃の中から・・・つやつやと光沢と血色がついている赤ん坊が!赤ん坊が出てきたのだ!
「フ・・フフフフフ・・・・名まえがほしいな。『赤ん坊』じゃあ今いち呼びにくいッ!この爺が名づけ親(ゴッドファーザー)になってやるッ!
・・そうだな・・・・・
『メキシコに吹く熱風!』という意味の
『桃太郎』というのはどうかな!」
To Be Continued・・・