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06-三枚のお札

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三枚のお札



「うまそうだねぇぇぇぇ早くアンタの肉を食べたいなぁぁぁぁ」

「あの…厠に行きたいんですけど…」

「あぁん?このガキ・・逃げようったってそうはいかないよ!」

「い、いやっ、ホントにもれそうなんです!ああっ、もう我慢できない、ここで漏らす!」

「(こ…こいつ、人間の基本道徳というものがないのか?主人公なら絶対に考えもしねえ行為だぜ…!)

・・・早くいってこいッ!ただし逃げられないように両手を縄で縛っておく!」


(・・・なんで僕が下痢腹抱えて公衆トイレ探してるほうがずっと幸せなんて思わなくちゃいけない
んだ?)

「このババア・・・」

「あ?」

(『逆 じ ゃ あ な い か ?』・・ヒーヒー怯えて生活しなくちゃいけないのは、コイツじゃあないか・・・?)

「両手が縛られてたら、どうやって手を洗うんだ?」

「関係ない、行け」

「ハ、ハヒィィィィ!!」

・・・・・・・・・



「くそ・・・」

「縄抜け」
(…この寺の流派には代々伝わる伝統的な戦法が一つだけあったぜ…)

「それは…逃げる!このお札を身代わりにする…たのむ…時間を稼ぐんだぞ…」
タタタタ…


「・・まだか?」
「まだです」
「・・・・まだか?」
「まだです」
「・・・・・・・・まだか?」
「まだです」
「・・・・・・・・・・・ま だ か ?」
「・・おまえの次のセリフは『もう待てん!ひきずり出してやる!』だ」
「もう待てん!ひきずり出してやる!・・・ハッ」

厠の扉をあけた山姥の目に飛び込んできたのは小坊主を縛っているはずの縄が柱にくくりつけられているのと、その柱に貼られた一枚のお札だった。

「またまたやらせていただきましたァン」

ベリッ!!

「……こいつはメチャ許せんよなぁッ!」

山姥は小坊主を追いかけた。


――――

「くッ!追い付かれる!2枚目のお札を使うか…いけ…」

小坊主がお札を投げると、辺り一面はたちまち炎に包まれた!

「あっツアぁ!このガキ!なにをするだあ―ッ許さん!お前をッ!喰うまでッ!追い掛けるのを止めない!」

(どっちみち死ぬじゃねーか!)

「ぬうぅ…時間は少し稼げたが…ますます怒って追い掛けてきた…」

「…ム!河だ…よし、三枚目の札だ!しばらくの間水をせき止めろ…」

坊主が渡りきったところで河の水が倍の速さで流れ始めた!

「ちょいとあんた!火も水も無駄なのさ!」
(なッ!?飲みきる気か?)

山婆のせいで河の水はもうすっかり干上がってしまった!

(なんだと!!)

「だからあたしゃ言ったろう弱点はな…うえぇっぷ!」

(駄目だこいつ・・・・早くなんとかしないと)

タタタタタ
「(走るスピードが遅くなっている…これなら!)」

どれだけ走っただろうか…
「寺だ!和尚様!山婆に追われてるんです!助けて下さい!」
ドンドンドン!

坊主は力を振りしぼって門を叩くが返事はない・・・

「………………」

ドンドンドン!
「………………」

(和尚様…これが精一杯です…開けてください…最後のノッ…ク…です…)
バタリ
和尚「……………」


――――タタタタッ…
バンッ!!
「おい和尚!…此処にガキが来たろう…」
「蠣?そんなものウチにはないよ……」
「このジジイッ!隠しだてするとためにならんぞ!あのガキを出さんなら大きくなってキサマを喰らうぞ!」

ズオオオオオ!

「おお、なんと!すごい!ワシのようなジジイではとても敵わんのう・・・ところで・・大きくなれるからといって……フフフ…さすがに小さくはなれまい?」
「舐めるな!そのくらい造作もないこと!」
シュウウゥン

「ほう・・すごい!・・しかいいくら小さくなれるとはいえ・・・豆粒ほどまでは小さくなれまい!」
「フン、この私の辞書に不可能の文字はない!」

ドヒュウウゥン

「どうだ!」
「かかったなアホが!」
和尚さまは小さくなった山婆をひっつかみ、焼いていた餅に包むやいなや口に放り込みました。

「その辞書ちょいと古いんとちゃうの――ッ!山婆を喰ってパワーアップ!ブヂュルブヂュル潰してェ―ッジャムにしてくれたぜ――ッ!」

・・・・・

「もう大丈夫じゃよ…」
「和尚様・・・」
「・・・」
「和尚様・・・・・・・・・」
「よいよい、よくかえってきたの・・」
「和尚様・・・ お そ い よ ォ ー 

…もっとなんつーか法力?みたいなのでバーン!とやっつけるのを期待し
てたのに!」

「………………」
「もっとメメタァ!って感じで倒せなかったんですか?」
「………………」
ムンズ
「(え!?)」
「……いい気になってんなてめー」
「(うっそ!)冗談!冗談だってば!和尚様!ほんのチャメッ気ですって!お腹空いちゃたし…ヒザも擦りむいちゃってるから医者に行かなくちゃあ……ハハ…」

「…テメーはもう…哀れすぎて何も言えねぇ……


オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオララオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオララオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

To Be Continued・・・
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