「君たちが担当するのは、こちらあたためますかプロジェクトだっ！」
目の前にはヒゲがもじゃもじゃのおじさん。
隣には茶髪と眼鏡。
あれ、おかし～な～。
コンビニバイトってこんなんだっけ。
よっちゃんに聞いてた感じとちがうなあ。
そもそもなんでこいつが隣にいるのよっ！
プロジェクト始動！！
あの後、俺は無事に頼くんを愛の巣まで案内した。
お姉さんはレジかな？
しかしレジには誰もおらず、立ち読みしてるうだつの上がらなさそうな男性が一人いるだけだった。
お姉さんはいずこに！？
お姉さんを探してバックヤードに紛れ込んだ。
すると、電車で不気味に笑っていたチビちゃんがそこにいた。
「あれ～、君たちもバイト希望者？連絡もらってたっけ？」
トボケたおじさんがまさかの名案を投げかける。
読んでいるお前もよく考えてくれ。
赤い糸で結ばれているとは言え、お姉さんのことを俺は知らなさすぎる。彼女もまた俺のことを知らない。
二人が結ばれることは決まっているとはいえ、いきなり押しかけてしまっては彼女も困惑する。世間体というものだってあるだろう。
ここでバイトをするうちに仲良くなって、ということであればお姉さんの体裁も保てる！
グッドアイデア！
眼鏡くんの肩を抱いて俺はスマイルを浮かべた。
「はい！俺たちも働きたいんです！」
眼鏡の下がぶつぶつ動いていたが、聞き取れなかった。
実は彼も働きたかったに違いない。
だから俺に付いてきてたんだろう。
いいことをすると気分が良いな。
お姉さんはレジかな？
しかしレジには誰もおらず、立ち読みしてるうだつの上がらなさそうな男性が一人いるだけだった。
お姉さんはいずこに！？
お姉さんを探してバックヤードに紛れ込んだ。
すると、電車で不気味に笑っていたチビちゃんがそこにいた。
「あれ～、君たちもバイト希望者？連絡もらってたっけ？」
トボケたおじさんがまさかの名案を投げかける。
読んでいるお前もよく考えてくれ。
赤い糸で結ばれているとは言え、お姉さんのことを俺は知らなさすぎる。彼女もまた俺のことを知らない。
二人が結ばれることは決まっているとはいえ、いきなり押しかけてしまっては彼女も困惑する。世間体というものだってあるだろう。
ここでバイトをするうちに仲良くなって、ということであればお姉さんの体裁も保てる！
グッドアイデア！
眼鏡くんの肩を抱いて俺はスマイルを浮かべた。
「はい！俺たちも働きたいんです！」
眼鏡の下がぶつぶつ動いていたが、聞き取れなかった。
実は彼も働きたかったに違いない。
だから俺に付いてきてたんだろう。
いいことをすると気分が良いな。
店長がなぜ困惑しなかったのかその時の僕に気づく由はなかった。
いつもの通りうまく断れなかった僕は、ガイと名乗った男と一緒にその場で履歴書を書き、なぜかその日のうちにすでにコンビニの制服を着ていた。
メイというらしい女の子は、ガイくんのことを睨みつけていたが、ガイくんが笑っていることから見ると仲直りしたのだろうか。
彼らの会話を僕が聞くことは叶わない。
テレパシーの謎を明かせるのならばバイトも仕方がない。学校では教えてくれないことだ。
そう自分に言い聞かせてはいるのだけれど、正直怖い。
時間は有り余るほどあるので問題はないのだが、接客できる気がしない。
コンビニの基本業務はレジだ。品出しや清掃なんかもあるとは思うが、ほとんどの時間はレジにいると考えるのがコンビニの業務形態から考えて妥当であろう。であるからして、僕は接客をしないといけない。
ここまでの論理に誤りはない。
僕は接客ができるのだろうか。克服になればいいのだが。
そんな僕の目の前に、店長がフリップを持って戻ってきた。
いつもの通りうまく断れなかった僕は、ガイと名乗った男と一緒にその場で履歴書を書き、なぜかその日のうちにすでにコンビニの制服を着ていた。
メイというらしい女の子は、ガイくんのことを睨みつけていたが、ガイくんが笑っていることから見ると仲直りしたのだろうか。
彼らの会話を僕が聞くことは叶わない。
テレパシーの謎を明かせるのならばバイトも仕方がない。学校では教えてくれないことだ。
そう自分に言い聞かせてはいるのだけれど、正直怖い。
時間は有り余るほどあるので問題はないのだが、接客できる気がしない。
コンビニの基本業務はレジだ。品出しや清掃なんかもあるとは思うが、ほとんどの時間はレジにいると考えるのがコンビニの業務形態から考えて妥当であろう。であるからして、僕は接客をしないといけない。
ここまでの論理に誤りはない。
僕は接客ができるのだろうか。克服になればいいのだが。
そんな僕の目の前に、店長がフリップを持って戻ってきた。
「そこのかわいこちゃん！コンビニで一番大事なことは何だと思う？」
ふふふっ。
かわいこちゃんだなんて。知ってますよ。ひげもじゃ店長♪
「愛ですっ！」
怪獣アツクルシンがとなりで叫ぶ。
こいつは電車で私に一目ぼれしてついにバイト先までついてきたという筋金入りのストーカーだ。
他の人が好きだとか言っていたけど、想いがばれてしまいそうなのを咄嗟に隠したのだろう。
ビンタされてもついてくるってことはＭ？
でも私はこれくらいでめげない。
将来私にはストーカーなんて何人も付いてしまうはずだから。
ってか私に対する質問だった。
「品揃え、でしょうか？」
ぱっと言った割にはなかなかスマートな回答。さすがメイちゃん。
「正解！」
ほら！
「でも今欲しかった答えはそれじゃないんだなあ。残念。コンビニっていうのはね、ふらっと立ち寄るところっていうイメージが大きいかもしれないけど、売上の大半は常連さんによるものなんだよ。ここいらは学生さんや会社員が多くてね。常連さん、と呼ばれる方々が沢山いる。でも、どこのコンビニもそのことが分かっているから常連さんを奪い合っている。わかるかい？」
「あっ、はい。」
眼鏡も頷いている。
「問題の答えは、常連さんの確保、なんだよ。そのために品揃えや立地なんかの色んな条件をクリアすると考えてもらっても間違いではない。」
ひげもじゃがフリップをめくる。
「そこで、こちらあたためますかプロジェクトが発案されたわけだよ。この私によってね。」
自慢気なひげもじゃ。この人ヒゲ面で接客するのかなあ。
「君たちは特定のコンビニに思い入れがあるかい？」
「ありますっ！」
食い気味で怪獣が火を吐く。
「それはうれしいねえ。でも、多くのお客様はどこのコンビニでも一緒だと思っているんだよ。そんな時、もし、思い入れのあるコンビニがあれば、そこの常連になると思わないかい？」
「思います。思います。むしろ働いちゃうくらいです。」
怪獣って自分の炎で火傷しないのかな。
「そこで君たちが、お客さんの心を温かくする。お客さんはこの店に思い入れを持つ。常連さんゲットだぜ！そのプロジェクト名が、こちらあたためますかプロジェクトなのだよ。」
「なるほどっ！僕もこのお店で温かさをもらいました！」
そんなに近いとひげもフリップも燃えちゃいますよ～。
「これをやりたいがために本社部長の座も蹴ってさー。それでも、あたり一帯のマネージャーもやってるから時間がなくて、君ら三人がいっぺんに来たときラッキーって思ったよ。」
「俺も本日付で塾講師のバイトをやめることにしました。向こうの方が時給５倍くらいあったけど俺は気にしません！」
二人とも燃えてらあ。
「常連にしたいお客さんの個人情報は私が調べている。記念すべき初ターゲットは今防犯カメラの向こうで立ち読みをしている彼だ。彼のプロポーズを成功させてもらう。」
「やはり大事なのは愛なのですね！店長！」
私も将来はプロポーズされまくるんだろうなあ。ケーキの中に指輪がありましたーってか！ロマンチックなのがいいなあ。それとも日常の中でぼそっとみたいなのも悪くないかも。二人から同時にされてどっちにしようか迷っちゃーうみたいなのもあるね！
それにしてもプロポーズの成功が仕事かあ。コンビニバイトらしくていいなあ。
って、んなわけあるかーい！
ふふふっ。
かわいこちゃんだなんて。知ってますよ。ひげもじゃ店長♪
「愛ですっ！」
怪獣アツクルシンがとなりで叫ぶ。
こいつは電車で私に一目ぼれしてついにバイト先までついてきたという筋金入りのストーカーだ。
他の人が好きだとか言っていたけど、想いがばれてしまいそうなのを咄嗟に隠したのだろう。
ビンタされてもついてくるってことはＭ？
でも私はこれくらいでめげない。
将来私にはストーカーなんて何人も付いてしまうはずだから。
ってか私に対する質問だった。
「品揃え、でしょうか？」
ぱっと言った割にはなかなかスマートな回答。さすがメイちゃん。
「正解！」
ほら！
「でも今欲しかった答えはそれじゃないんだなあ。残念。コンビニっていうのはね、ふらっと立ち寄るところっていうイメージが大きいかもしれないけど、売上の大半は常連さんによるものなんだよ。ここいらは学生さんや会社員が多くてね。常連さん、と呼ばれる方々が沢山いる。でも、どこのコンビニもそのことが分かっているから常連さんを奪い合っている。わかるかい？」
「あっ、はい。」
眼鏡も頷いている。
「問題の答えは、常連さんの確保、なんだよ。そのために品揃えや立地なんかの色んな条件をクリアすると考えてもらっても間違いではない。」
ひげもじゃがフリップをめくる。
「そこで、こちらあたためますかプロジェクトが発案されたわけだよ。この私によってね。」
自慢気なひげもじゃ。この人ヒゲ面で接客するのかなあ。
「君たちは特定のコンビニに思い入れがあるかい？」
「ありますっ！」
食い気味で怪獣が火を吐く。
「それはうれしいねえ。でも、多くのお客様はどこのコンビニでも一緒だと思っているんだよ。そんな時、もし、思い入れのあるコンビニがあれば、そこの常連になると思わないかい？」
「思います。思います。むしろ働いちゃうくらいです。」
怪獣って自分の炎で火傷しないのかな。
「そこで君たちが、お客さんの心を温かくする。お客さんはこの店に思い入れを持つ。常連さんゲットだぜ！そのプロジェクト名が、こちらあたためますかプロジェクトなのだよ。」
「なるほどっ！僕もこのお店で温かさをもらいました！」
そんなに近いとひげもフリップも燃えちゃいますよ～。
「これをやりたいがために本社部長の座も蹴ってさー。それでも、あたり一帯のマネージャーもやってるから時間がなくて、君ら三人がいっぺんに来たときラッキーって思ったよ。」
「俺も本日付で塾講師のバイトをやめることにしました。向こうの方が時給５倍くらいあったけど俺は気にしません！」
二人とも燃えてらあ。
「常連にしたいお客さんの個人情報は私が調べている。記念すべき初ターゲットは今防犯カメラの向こうで立ち読みをしている彼だ。彼のプロポーズを成功させてもらう。」
「やはり大事なのは愛なのですね！店長！」
私も将来はプロポーズされまくるんだろうなあ。ケーキの中に指輪がありましたーってか！ロマンチックなのがいいなあ。それとも日常の中でぼそっとみたいなのも悪くないかも。二人から同時にされてどっちにしようか迷っちゃーうみたいなのもあるね！
それにしてもプロポーズの成功が仕事かあ。コンビニバイトらしくていいなあ。
って、んなわけあるかーい！