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兄ちゃん童貞売ることにした

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兄「童貞売ることにした」

妹「は?」

兄「オークションで30万スタートだ」

妹「バカ兄、なにいってるの」

兄「ちょっと金が必要になってな」

妹「いや多分てか絶対売れないから」

兄「需要はどこにあるか分からんぞ。売れれば儲けものさ」

妹「呆れた」



・・・

1時間後


ATM「ピピピピ…」

ATM「暗証番号を入力してください」

妹「3万円か…」



・・・・


妹「やいバカ兄」

兄「どうした」

妹「やはり貴様の童貞ひとつで30万というのは高すぎる気がする」

兄「そうか?」

妹「うむ。だからどうだ、せめて3万円スタートくらいに設定してみては」

兄「うーん」

妹「3万なら貴様も気持ちよい思いもできて、もしかすると落札する奇天烈もいるやもしれん」

兄「そうか、確かにそうかもな」

妹「う、うん!絶対そうだよ!」

兄「だが断る」

妹「!?」

兄「この兄、されど兄、童貞は愛しの恋人に捧ぐと心に決めていた。それを金の為に売るというのだ。何が悲しくて3万ぽっちで妥協せねばならんのだ。一円たりともマケないね、30万だ」

妹「・・・」

妹「だいたいおにいちゃんは不細工だし」

妹「靴下は嗅ぐと臭いし」

妹「パンツの匂い酸っぱいし」

妹「布団と枕は汗ばんでて気持ち悪いし」

妹「ハブラシは毛先ぱさぱさで不味いし」

妹「唯一、パジャマは着るとフローラルな香りがするけど…」

妹「そんなおにいちゃんの童貞なんて誰も買わないんだから…」

・・・

妹「なんでお金が必要なんだろ」



・・・



妹「やいおにいちゃん」ガラ

兄「ノックくらいしろ」

妹「そんなことはどうでもいい。大事の前の小事というやつで、ファックの前の前戯というやつだ。気にするな」

兄「さらっと酷いこといったなお前」

妹「にいちゃん、にいちゃんは何で金が必要なんだ」

兄「ああそんな話か」

妹「差支えがなければ聞かせて欲しい」

兄「まああれだ。小遣いだな。こんな歳じゃ交友費もままならないからな」

妹「そ、そんなことで童貞を売るつもりだったのか」

兄「はは、そんなことか。でもまあそんなところだ」

妹「・・・ばか」

兄「ん」

妹「で・・・」

妹「デートくらいだったらロハでしてあげるから、こんな恥ずかしい真似しないでよ!バカ!」

バタン

兄「妹…」

兄「ロハはいまどき使わないぞ…」



・・・



妹「入札されてる!?」




・・・



妹「(だめだ、もう間に合わない)」

妹「(期限までのあと5日、とても30万なんて貯められない)」

妹「(バイト…無理だ)」

妹「(ものを売る…いや私のものなんて二束三文でしか売れないだろ)」

妹「(なにか、高く売れるものでもあれば…)」



妹「あwそうだwwww私の処女30万で売ればいいんだwwwwwwwwうはwwwwOKwwwww」

妹「なんでこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう」

妹「って、そりゃだめだ」

妹「(私の処女は…)」



妹「おにいちゃん・・・」



・・・


その頃

兄「はあ…妹の進学費用があと30万足りない…」

兄「やっぱバイト増やさないとかな…」


2, 1

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