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三章 ウンチ大王温泉

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テリーは意気消沈していた。
テリーのデリケートな心(テリケート)は蹴るの助の死で酷く塞ぎこんでいたのだ。
フンドシは見るに見かねて、テリーを叱咤する。
「テリー!君には……君には夢があるんやろ!その手マンコで、ありとあらゆる悪事を働いて、生涯自堕落生活できる資金を得たいんやろ!?」
「……」
「あらゆる金を稼いで、あらゆる人間を支配したいんやろ!?」
「……」
「なら……犯さな! もっと罪を犯さな!」
友人であり夫であり家畜であるフンドシに慰められ、テリーもたちまちチンポがバキバキになるほどテンションがハイパーになる。
「ありがとう……!僕、やるよ!犯罪者になる夢、叶えるよ!」
「その意気也。吾が輩も嬉しく候う」
テリーとフンドシは回転しながら玄関の扉を気で吹き飛ばし、外に飛び出す。
その様子を見ていた女が一人、屋根の上にいた。
「キンタマ・ケノービ。いたわ、オマンコ使いの男が」
女の風貌はライダースーツで胸元を大きく開け、ピンク色の髪をしていた。
女は屋根を伝っているヤモリを旨そうに食いながら、コクがある、と連呼していた。
『ボニューK。今すぐオマンコ使いの後を追うのだ』
「わかったわ。コクがあるわ。その後の始末は?」
『殺して構わん』
「大変にコクがあるわ……了解」
ボニューKと呼ばれたその女は、颯爽とバイクにまたがり、テリーの後を追おうとする。
「ふふふ……バイクに乗ったことがない私でも、適当な操縦で奴の後を追えるといいわね」
ボニューKがアクセルを踏んだ瞬間、バイクは暴走し、七転八倒を繰り返した。ボニューKは絶叫した。
「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
恐怖のあまり失禁と脱糞を繰り返すボニューKは、屋根から転げ落ち、ダンプカーに跳ねられて死んだ。
――呪術が使える。
ボニューKの凄惨な死を目の当たりにした組織は、テリーは呪術で人を呪い殺すことが出来る、と確信を持ち、耐えず失禁と脱糞の恐怖を持ちながら、テリー井上を暴力的ではなく、精神的に追い詰める方法で一致団結しようかな、ってみんなでけいおんを見ながら思った。
「テリー井上……必ず貴様を倒してやる!このアークッサ・ハークッサがな!」
アークッサハークッサと名乗る男はボニューKの遺品であるバイクにまたがり、テリー井上の追跡を図った。
「ふふ……バイクに乗ったことがない僕でも、適当な操縦で奴の後を追えるといいね」
アークッサハークッサがアクセルを踏むと、バイクは爆発し、アークッサハークッサの遺体は爆散した。

ボニューK・アークッサハークッサの二人を失った組織の沈着は大きく、もう組織とかやめて実家に寄生しようとかいう発案も出たが、組織のドン・キンタマケノービはそれを却下した。
「テリーは必ず殺す……テリコロバーガーだ!」
「テリコロバーガー!」
と意味不明な相づちをかましながら、キンタマケノービは本格的なテリー暗殺計画を目論むことにした。

一方テリーはフンドシと一緒に温泉に行っていた。
ペット禁止ですよ、と話しかける支配人を高速やすりですり潰し、粉にしたのである。
「ここは地獄の釜揚げ風呂で候う。熱した油に入って心の洗濯で御座る」
フンドシが甲斐甲斐しく説明すると、テリーは温泉名物である、釜揚げ風呂に飛び込んだ。
刺激的である。じわじわと自分が揚げられていくのがわかる。もう下半身は既に天ぷらと化していた。
「あぁん!この刺激が、この刺激がたまんないのォーッ!」
絶叫するテリーを尻目に、女将がこの風呂の起源を語った。
「古来よりこの地域にはバターを尻に塗って踊る習慣がありました。多数の人間がこの踊りに“オチンポス”と名付けましたが、一人の男のみ“ウンチ大王”と名付けました」
「成る程」
「ウンチ大王と名付けた男は槍で股間を貫かれ処刑されましたが、その男の意思は貫かれ、この温泉のみ”ウンチ大王温泉”と名付けられているのでございます」
女将は笑みを浮かべフンドシに脱糞を促す。
「どうぞ、風呂釜のなかでウンチをなさってください。そしてお食べください。湯中の出汁と交わり、美味な味わいを楽しめますから」
フンドシは言われた通りにし、「不味い」と一言呟いた後、卒倒し即死した。
一方テリーはジューシーな天ぷらと化し、他の客たちは舌なめずりしながら眺める。
「旨そうだ……」
「旨そうでござる……」
「旨そうでございまーす」
お魚くわえた野良猫……とメロディが流れだしてから、一人の男が風呂から躍り出た。
「ヒョェーヒィー!この旨そうな天ぷらは私に任せるがいい!私は天ぷら食べ蔵!あらゆる天ぷらを世界中で食べた男だ!」
「天ぷら食べ蔵だと!?まさかあの男が!?」
「知っているのか少年A!」
「いや、具体的には全く知らない!名前の響きがカッコいいと思っただけだ!」
「や、やだ……そんな風に誉められると照れちゃうじゃない……」
その日から天ぷら食べ蔵と少年Aは付き合いを始め、遂に結婚も果たし、子供も生まれた。
子供の名前は二人の意見によってゲロイカゴミムシと名付けられ、主な寝床は排水口の三角コーナーで育てられたという。

一方テリーは病院にいた。
なんと子供を身籠っていたのが判明したのだ。
テリーは産みの苦しみに耐えながら作詞した。

「ゴールデン・キャット・ブルース」

舐めまわされた 俺の地平線に
かき回された 俺のビートに
ゾウの匂いのする ラバーシーツをつけて
地下室に監禁されたぜ ゴールデンキャットブルース

「どうだろうか?フンドシ」
「意味不明で佳き哉」
フンドシに誉められ文豪を気取りだしたテリーは出版社に自分の詩を持ち込みに行った。
だが、テリー井上は出版社の名前を見て驚愕の体をなす。
出版社の名前は「ウンチ大王出版」だったのだ。
謎が謎を呼ぶウンチ大王出版。そろそろトイレに行きたくなったので、続きは次回だ。
11, 10

  

ウンチ大王と名付けた男は、そも、一体何者なのか。
恐る恐る出版社に這いよる混沌テリーは、出版社の社長に会いたいと受付に名乗り出た。
「こちらおます」
京都弁で話すチーズ臭い受付は、テリーを社長の元に案内した。
「あ……あなたは!?」
テリーは社長に会って驚愕した。

なんと社長はドラえもんだったのである。
しかも大山のぶ代ボイスだ。懐古主義者は熱狂せざるを得ない。
「僕ドラえもん。お金ちょうだい」
「し……しかし何故、あなたがウンチ大王という名前を」
「知りたいか。……ならば語らねばなるまい」

ドラえもんはそう言って経歴を語りだした。
しかしテリーは全く聞いていなかった。ウォークマンで音楽を聞いていたのである。
「……というわけなんだ」
「あっそ、ミッシェルガンエレファント最高にかっこえーわ」

ドラえもんはブチ切れた。
「テメー人様に物尋ねといて、なんやねんその態度は!」
「うるせー!俺はチバオタなんだよ!」
ドラえもんとテリーはボコスカウォーズの様に闘いだした。
しかし人類を超越したテリーにドラえもんが勝てるわけがない。テリーのオマンコにドラえもんは吸収され、テリーは勝利の雄叫びをあげた。
「最近いいこと全然なァーい!!!!!!!!」

ネガティブな雄叫びを挙げたテリーは、
「さて、このビルを爆破するか」
と、彼方此方に爆弾を設置しだした。
「ポチ」
ズバアアアアアアン、と猛烈な音を立てて、ビルは爆発していく。
しかしテリーは盲点があった。自分がビルの外に出ることを忘れていたのである。
「ぎゃああああああーッ」

死の恐怖と生への渇望に飢えるテリー。
一体どうなってしまうのか!
だが……大丈夫だ!幾多もの修羅場をくぐり抜けてきたテリーだ!
こんなところで死ぬはずがない!皆、テリーを信じよう!

次回「テリー死す」。デュエルスタンバイ!
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