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0・あの日見た蒼色

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 陰鬱なほどに黒々と広がっていた雨雲は、私達二人の必殺技でものの見事に、綺麗さっぱり消し飛んでゼロになった。
 差した小さな光は瞬く間に広がって世界を包み、眩い閃光の後に天を覆い尽くすは。
 蒼の、一色。
 「大! 勝!! 利!!!」
 あかりがにんまりと笑って、ピースサインを彼方へ向ける。
 「やったね、ゆりちゃん!」
 私はすぐには、それに答えられなかった。
 返事をするために吸い込んだ息が、どこかへ行ってしまったからだ。
 星さえ見えそうな程に、何よりもただ蒼い空の下で。
 振り返って私に笑いかける、あかり。
 私はその煌めく光景に、見とれていた。
 




 私は忘れない。
 あの笑顔を。
 あの蒼を。
 ずっと守ろうって。
 そのためなら何でもしようって。
 そう、誓ったんだ。
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