( ・∀・)とヴァンパイア
第一話「謝罪と賠償」
人間と吸血鬼の混血種<ハイブリッド>としてモララーは神に命を授けられた。
見た目こそ普通の人間と変わらないものの、紫外線を浴びると徐々に灰になってしまう体質は何とかしたいものだとモララーは思っていた。
しかし、ヴァンパイアの最高の欲である『血の渇き』は先天的に無かった。
そのお陰で、彼は人間と普通に生活でき、ニートとして社会に貢献し、現在に至る。
( ・∀・)「ニダー、ニダー!いるか?」
不気味に口角が釣りあがり、つぶらな瞳をした男性。彼こそがモララーだ。
そして現在彼がうろうろしている場所は、世界でも指折りの鍛冶屋<丶`∀´>(ニダー)の鍛冶場なのだ。
彼とニダーの出会いは数年前に遡る……。
白銀の粉粒が空中を舞い、家に施されたイルミネーションに目を奪われそうになる冬。
彼は中央公園にある大通りを歩いていた。
( ・∀・)「誰もいないのかな?ちょっとこえぇよ…」
モララーは夜行性だというのに暗闇が嫌いだった。
しかも、その日は運悪く日曜日だったため、この時間に外出する人がいる筈も無く、とても心細い気持ちになった。
モララーは虚勢を張り、鼻歌を歌って自分の心を落ち着かせた。
( ・∀・)「ふん ふんふふ ふんふんふん ふん ふん ふふ ふーん」
( ・∀・)「あーやっぱナウシカは落ち着くわー」
彼が恐怖を感じたときにナウシカの音楽を流すのは昔からの癖だ。今になっても直すことができていない。
鼻歌が54回目に突入しようとしたその時、前方から暗褐色のローブを羽織った男が向かってくる。
<丶`∀´>「ウ~サブサブニダ。早ク鍛冶場ノ暖炉デ暖マルニカー」
エラが飛び出て頬は扱け、釣りあがった目と口角が上がった口……。
( ・∀・)「コリ…アン…??」
男は全く歩調を乱さずにモララーの元へと歩いていく。
( ・∀・)「でも良かった、人が居て…」
( ・∀・)「お~い、そこのコリ…いや、お兄さん!!どこへ?」
<丶`∀´>「アイゴー!!吸血鬼ヨ立チ去レニダ!!」
その男の正体こそがニダーだったのだ。
モララーを吸血鬼だと察したニダーはローブの懐から銃を取り出し、モララーへ銃口を向けた。
( ・∀・)「おい、何してんだよ…」
<丶`∀´>「ウルサイ吸血鬼!この銃に装填サレテルノハ銀の弾ニカ!動クト撃つニダヨ」
( ・∀・)「確かに俺は吸血…」
パン!!!