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1月12日文芸作品感想

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★1月12日文芸作品感想

前回、kumakatu3先生の1作品のみで心配していましたが…。
今回は5作品でした。
お屠蘇気分も抜けきったようですね。
しかも今回はどれも面白かった!
5作品もあればその内1、2作品はつまらないのが来るかな?と思ったけど…。
文芸レベル高いなぁ。
さて、次回の感想は…。
月5回スケジュールであれば1月16日なのですが、今でもう14日です。
ちょっと近すぎるので6日分飛ばしましょう。
1月22日更新のニノベ作品の感想を書きます。
新年最初のニノベの番ですね。
どうぞよろしくお願いします。


今回は以下の作品感想を書きます。


「Wild Wise Words」
「きかんしゃトーマム」
「狐の嫁入り」
「席にいなければ、うんこです」
「藤色アワー」
「Wild Wise Words」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15598



短編集と思っていたんですが、それぞれに「説法屋」が登場することから繋がりはあるようでした。
また、多くの文芸小説が「更新分」を一番下のページに持ってくるのに対し、こちらの作品はいつも間に挟まれていました。
更新されたページは「更新分」とあるので分かりますが、その代わりサブタイトルもない。
妙な更新の仕方だなぁと思っていましたが、ページの並び順は時系列だったんですね。
ということは、これは一番過去の話から始まったかと思えば、未来の話に飛び、また少し過去の話へ飛ぶというスタイルな訳か。
これは実に分かりにくい。
であるなら、前後のつながりを無視し、途中の話をつまみ食いして読んでも問題ないのでしょうか?
…と思って読んでみたが、若干問題はあるようです。

■ブルー
最初に読んだ「黄金の心臓」を砕いて作った金の粉というものが出てきます。
やはりつながりがあるのか・・・。
となると、今の話を理解するのに、前のも読み直さなくてはいけなくなるかも。
ちょっとそれは読者には不親切な更新スタイルかなと思う。
まぁ、目新しいやり方だから、それはそれで面白いかもしれない。
さて、この話の方ですが、視点が誰かというのは語られていませんでした。
でも恐らくまた説法屋なんでしょう。
意識を深海から海上まで寄せたり、心の中で呼びかけたり。
そんなエスパーは彼しかいないでしょうw
説法屋さんが趣味の釣りをしていたって感じでしょうか。
でも捕まえたのは魚ではなく鷲。
金の粉をふりかけると死にかけていた鷲は回復する。
そしてキャッチ&リリース。
説法屋さんは狩猟採集民なんでしょうか。
ワイルドだなぁ。
でも相変わらず、説法屋の一人称なのに彼が何を目的としているのかは皆目分かりませんw

■「ブルー」の次のページの「更新分」
ここでも「黄金の心臓」が出て来ます。
他にも「炭人間の煤」とか…これは「消し炭の彼」のアレか!?
マッドサイエンティストが怪しげな実験をしている。
生物を造りだそうとしているようだ。
でも真実は思いがけない展開。
結局、水戸黄門ばりに説法屋さんがマッドサイエンティストを懲らしめて世界を救います。
難解なこの作品にしては珍しく、台詞の節々などに単純明快なかっこよさがありました。

■厄賽
ここまでの話の中でも最も分かりやすく、かつ説法屋に親しみを持てる話。
他の話と特に関連がある訳でもなさそう。
Wild Wise Words初見の方にオススメ。
もっとも、どの話もそうなのだが、文章を注意深く読む事を強いられる。
それが持ち味なのだが、これらの奇妙な世界を理解するのに少しだけ深く文章の中に潜らねばならない。
流し読みもできないし、集中して読まないと理解できない。
それでもこれは序盤さえ乗り切れば、中盤からはとても分かりやすく、読後感も爽やか。
何となく「にほんむかしばなし」みたいでした。

■「木枯らし」の次のページの「更新分」
ささやき…いのり…えいしょう…ねんじろ!
せっぽうやはまいそうされました。
ウィザードリーっていう海外産コンピューターRPG草分け的ゲームがあります。
翻訳が下手なのか、実に難解な謎かけが満載。
そのウィザードリーの文章を読んでいるかのよう。
「読む」じゃなく完全に「読み解く」レベル。

>今回はやや難解かもしれません。

作者コメ、今更ですかw
少しでも文章の意味を読み違えると分からなくなって消し炭になりますよこれは。

>次は捻り潰すぞ、説法屋。

でも説法屋って殺しても死ななさそうだよね…。
とりあえず未読の分は読みました。
木枯らしの次の更新分は、正直言ってちょっと意味が分かりませんでした!

──ウィザードリーより。
はかばは くらく
わなはときをきざみしもの
このさきは いかぬがとくさく
さもなくば
*いしのなかにいる*

ねっ、意味が分からないでしょう?
リセットリセット。

107, 106

  

「きかんしゃトーマム」
http://shichimencho.digi2.jp/tomam/index.html



実は初めて感想を書くんですよね。
ご存知の通り、私はこちらの小説がかなり好きです。
2014年文芸アワードで大賞に選んでしまうほど。
まぁ、これが大賞に来てしまうのはある意味しょうがない部分もあります。
実に新都社作品らしい小説ですから。
言ってみればこれは文芸版「スキンヘッズ」なのです。
みんな大好きポケモンの二次創作漫画である「スキンヘッズ」は、本来は脇役のスキンヘッズやミニスカート達に焦点をあてています。
また、オリジナルのポケモンにはない、ヤング行きスレスレのお色気、ヤンキー抗争などの若干のスパイス。
台詞回しもポケモンファンならニヤリとせざるを得ない要素満載。
ちゃんとポケモンバトルもしてるし、絵も上手いし、人間キャラ抜きにポケモンだけで話を回しても面白い。
これで更新も早いときては受けない訳がありません。
「トーマム」はそういった「スキンヘッズ」が受ける要素をかなりの部分で踏襲されています。
ある意味、漫画作者による文芸界への殴り込みというべきか。
実際、トーマムのコメントは伸びに伸びました。
ほのぼの幼児向け絵本やテレビ番組の「きかんしゃトーマス」を、二次創作成分としての毒をたっぷりと含ませ、でも文体はあくまで絵本っぽい。
漫画しか読まない新都社読者が小説も読む良いきっかけとなったことでしょう。


■金糸雀亭 密室失踪事件
さて、第一部はそんな印象だったのですが…。
第二部から文体も雰囲気もガラッと変わってきます。
「金糸雀亭 密室失踪事件」って…。
完全に別の小説だこれwww
登場するのはホモで下世話な杉下、相棒の神戸。
いや、相棒ならぬ愛棒かw
組織犯罪(主に暴力団)対策の刑事の模様。
濃霧の山中で車を走らせていると、金糸雀亭という心霊スポットにたどりついてしまう。
そこでは阪神・中日・巨人・広島とプロ野球のファンが集っていた。
一応は宿泊施設らしいが、回転ベッドがある。
回転ベッドは80年代のラブホテルの遺物であり、大正時代からの洋館には余り相応しくない。
更に言えば風営法違反なので旅館に置いてはいけないのだが…?
それはともかくとして…。
事件は起きる。
タイトル通りの密室失踪事件です。
ネタバレになるのでその顛末については語りませんが…。
これ、コメント欄で指摘されてから考えた訳じゃないですよね?w
きかんしゃトーマムで何でいきなり刑事ドラマが始まったのかと思ったけど、オチで明らかに。
登場人物が実は…という簡単な叙実トリックでした。
あと回転ベッドが伏線だったとは…意表を突かれました。
これがトーマムの世界、七面鳥先生の持ち味かな?とは思うけど、名探偵コナンでたまにある荒唐無稽なトリックとか目じゃないぐらい酷いw
まぁ、刑事ドラマのオマージュというかパロディで、本気でミステリーをする気はないんでしょうがw

■警察庁長官官房室長 小野田公顕
金糸雀亭での犯人の半生について語られる。
wikiの記事がこれアンサイクロペディアの方じゃねぇのかと言いたくなるw
第二次世界大戦での日本軍の体たらくは酷いの一言w
プリマハット卿も黒すぎるw
でもこのサラッと語られる経緯が七面鳥先生節とも言えますねー。
漫画「ひとつ前を忘れていく」でも見られるような、登場人物達は淡々としつつ、背景は荒唐無稽で奇妙というか。
誰かが魔法少女になってさりげなく登場してもおかしくないというかw
さて、警察のお偉いさんに呼び出された杉下と神戸。
事件から手を引けと諭される。
いよいよ刑事ドラマのお約束ですな。

■新都社作家 殺人事件(1)
俄然面白くなってきましたwww
アサシーノスを描いているバーボンハイム先生が犠牲者役で登場。
反社会的存在、警察の敵、表現のテロリストwww
もうね、どこから突っ込んだら良いものやら…。
あ、突っ込むと言っても…ry)
「ひとつ前を忘れていく」でもたまにメタ表現はありましたが、トーマムでも同様。
でもこれはメタというよりコラボですね。
新都社は作家間の交流が盛んです。
FA文化、合作、作品コラボ、企画・祭り的なアンソロジーなど。
でも小説作家同士だと、twitterでは良く交流してるけど、こういうコラボって余りなかったような。
スーパー文芸大戦ぐらい?
なので大変、これは目新しい。
何でしたら、現代社会の闇的な存在で、ブラック企業営業マンとか、ケチな風俗店長役で私を出していいですよ!w
杉下さんとか性欲強そうだし、「聞き込みですからねぇ」とか言って経費で風俗通いしてそうw

さて、トーマム未読分も全部読みました。
七面鳥先生、展開に行き詰っている…ということでしたが、どの辺りで悩まれているのかな?
強いて言えば、第二部まだプロローグとwikiの記事ぐらいでしかトーマムが出てきていないw
一応は機関車絡みの事件という体裁ですが、結構無理矢理というか、別にこれトーマムでやる必要ある?という感がなくはない。
いかに無理矢理感がなく、自然にトーマムと絡める事ができるか?に注目したいところです。
逃亡した事件の犯人、ソドー島に行ってそうですね。
展開的にはソドー島に場面転換してからが本番でしょうか。
あ、本番と言っても…ry)
「狐の嫁入り」
http://lapluie.kumogakure.com/kitune.htm



「ソナタ」「品定め」の三浦先生の文芸作品。
最近、ますます精力的に活動されてますね~!
狐の嫁入りというのは「晴れている時でも雨が降る」現象で覚えていますが…。
実は怪異としても言うことがあるんですね。
田舎の宴会の情景がリアル。
私も父方の実家が熊本なんですが、こんな感じでしたねー。
都会育ち、特に思春期の女性だと「だから田舎ってやだなぁ、煩わしいなぁ」ってなる部分あるのかな?
文章の節々にそういう部分が見え隠れする。
後半の狐の嫁入りの怪異については、冒頭の田舎の描写がしたいがための余禄のような気がしました。
ただ、山が嘔吐するって表現は面白かった。
主人公の「田舎って煩わしい」って願望を叶えるように、何もかも飲み込んでしまうあたりがブラック。
これを30分で書き上げたって、やはり三浦先生は速筆だなぁ。
良くまとまっている短編でした。


109, 108

  

「席にいなければ、うんこです」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17314



何て酷いタイトルw
蝉丸先生、お久しぶり。
実は感想を書くのは3作目ですね。
最初の「からっぽのアクアリウム」は難解なSF物。
次は長期連載「Angel Knights」は、厨二病丸出しというか、スイーツ(笑)なロリ少女のエログロバトル物。
そして今回。
もうタイトルだけでクソ小説って分かりますwww
毎回毎回、バラエティ豊かなネタ振りありがとうございます!w

■第一話 会社でうんこ
朝、誰もいない静まり返った会社のトイレでの排便。
同じシチュエーションで、女子トイレでオナニーすると気持ちいい。
それと同じ事が言えるでしょうね。
(※オナニーマスター黒沢参照)
素晴らしい排便描写で、主人公の気持ち良さがダイレクトに伝わってきます。
オナニー、セックス。
いずれも男にとっては射精、即ち排泄にあたります。
そして排泄には強い快感が伴います。
例えば、アナルオナニー。
アナルには前立腺による快感と、排泄感による快感の二種類があります。
アナル奥の腸壁ごしに前立腺を刺激すると強い快感が得られます。
でもアナル奥までバイブなどを突っ込むのが難しい・怖いといった初心者の方だと、まずはアナル周辺をさわさわするだけでも気持ち良いし、アナル入口を指などで出し入れするだけでも排泄快感が満たされて気持ち良い。
アナルは性感帯の一つでもあるので、主人公が排便の快感にハマっているのはごくごく自然な事なのです。
加えて、排便には腹の中の重たい物から解放されるという「荷物が軽くなった」という安堵感もある。
「食欲が満たされた」のと類似した「排便できた」という本能的欲求の充足。
食欲、性欲、睡眠欲に次ぐ第四の欲求が排便欲ですね。
グルメ、セックス、夢。
そういった本能的欲求テーマの小説は多いのに、なぜ排便がないのか?
排便は恥ずかしい事じゃありません。
誰しも1日1回は…いや、便秘気味の人は3日に1日とかでしょうけど。
とにかく、何十年もの人生で数千、数万と繰り返すであろう身近な行為。
アイドルだってうんこをするんです!
うんこしなけりゃ人間は生きていけないんです!
人生に不可欠なんです、うんこは! 
UNKO Is Beautiful.
それなのに作品化されないなんて、逆に不自然なくらいです。
幸腹グラフィティがあるなら、幸門グラフィティがあってもおかしくない。
「神龍のようなうんこ」
「風のような排便」
「なじみ深いうんこの香り」
どうでしょう、この表現。
まるでグルメ漫画のようではありませんか?
それはそうと、他人が来たからといって排便の音をごまかす為にトイレの水を流すって女子に多いですけど資源の無駄遣いですよね。
その点、TOTOは「音姫」という流水音を奏で節水に役立つ高機能トイレを開発して素晴らしいと思います。
ハッ…まさか、これはTOTOのステマ小説だったのでは!?
いやいや、まさかね…。
純粋に排便を楽しみましょう。

■第二話 隣と探り合い
排便バトルが始まりました。
「そして俺はカレーを望んだ」って文芸小説がありますね。
それと似たような排便への強いこだわりを感じます。
うんことカレーって近いし。
他にも「発汗のワンダーランド」とい大人気サウナバトル漫画にも近い部分が。
あれもサウナ(発汗)という欲求に人は抗えないという事を如実に表しています。
発汗も新陳代謝という排便と似たような本能的な欲求がある。
おっさん臭い汗の匂いが漂ってくる「発汗のワンダーランド」
馴染み深いうんこの匂いが漂ってくる「席にいなければ、うんこです」
第二話を読んで確信を持ちましたが、排便をテーマにしたバトル要素が膨らまされたら実に面白そうではありませんか。
何気に排便だけを描写し続けるって難しいでしょうけど。
淡々と排便し続けるだけの「孤独のグルメ」形式でも良いですけど、「ドラゴンボール」のように排便天下一武道会とかやっても面白そうです。
今のままだと三話ぐらいですぐネタ切れを起こしそうですが、どうでしょうね。
是非、どこまでも行って欲しいところ。
名作の予感がします。
次の話も腸期待しています。

「藤色アワー」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17025



毎度、更新を合わせて頂き、ありがとうございます。
ところで作者の柴竹先生はtwitterを見る限り、超絶リア充らしいです。
思わず、ここはフェイスブックじゃねーんだぞ!とでも言いたくなってしまう…。
まぁ、それはともかくとして。
リア充作家には厳しめのレビューをしましょう。
それが社会のルール、大人の義務、新都社の規約ってもんでしょう。
ねっ、皆さん!
カレーに例えたらこれまではバーモントカレー甘口でした。
ここからはジャワカレー中辛ぐらいです。

■4.たとえ、終わりが丸くても。(藤丸秀昭)
リーマン・藤丸秀明のジッキーとの回想。
教育学部で発達障害について学んでいた為、その卒論のテーマにジッキーを取材したという。
結局、留年してしまって卒論が活かされることはなかったが、その中で語られる藤組の思い出話。
スポーツウーマンについてのエピソードは仲間思いで正義感に強いという描写がされてきたので納得。
そして発達障害というものがどんなものかというジッキーの人柄についてもより詳しく述べられています。
ただ、特にリーマン自体への魅力や性格は余り伝わってこないかな。
他の人物がアクが強すぎるってだけかもしれないけど、特徴が無くて飄々としているってぐらい。
年上の彼女やその友人についても特に出した意味があったのかな?と。
ごくごく普通の内容ですね。
特に厳しい事を言うつもりなくとも、第一話~第三話までに比べ、相当印象が薄い内容ですね。

>[46] 登場人物が多くてよくわからないや <2014/12/28 17:14:30> eCIAs3W1S

こういうコメントがありました。
これは、ここまで読んでそう言っている訳じゃないと思うけど、登場人物が多い中で印象が薄い人物が混じってしまうとそうなりますね。
チョイ役の人物は名前も出さないかカットした方が良かったかも。
さて、リーマンの回想が終わった後の藤組五人の会話。
ここはいつもどおり良い雰囲気です。
三十代後半になってもこういう空気感で会話できるのは実に貴重な事だと思います。
やっぱり学生時代から変わらず連絡を取り合い、ずっと関係を維持できていないと、どんどん疎遠になっていきますしね…。
リア充な柴竹先生なら二十代後半ぐらいには結婚もしているはず。
その頃、どれだけの数の友人を結婚式や披露宴に呼んでいるでしょう?
恐らく百や二百は当たり前でしょうね。
想像もつかない世界です。
今回はそんなところで。
次の回想は存在感が抜群のスポーツウーマンですね。
楽しみにしています。
回想が終わったら次はどういう展開になるのかも。
感想、ジャワカレー中辛ぐらいと言いつつ、まだ星の王子様甘口ぐらいでした。
次こそ辛口を目指したいと思いますw
111, 110

後藤健二 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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