トップに戻る

<< 前 次 >>

最終章 終焉

単ページ   最大化   

弾は手に入れたが、すぐに使うわけには行かない。
また敵に見つからないように移動を始める。
探索を続けていると見たことのない生物も。

―そしてついにたどり着いた。あのビルに

しかし入り口が開かない。自動ドアのようだが。
センサーが作動しているようだ。
センサーを銃で壊そうと試してみるが、ビクともしない。
何処からかセンサーを操作しているところがある様だ。何処だろうか。
辺りを見回してみるとビルの近くに小さな建物が。
こちらは扉が開くようだ。

内部に入ってみると地下への一本道が続いていた。
銃を構えながら探索した。
しばらく進むと機械だらけの部屋に。
恐らくここがセンサーを制御しているのだろう。
とりあえず適当にいじってみる事に。
カチャカチャ・・・

(センサーロック解除まで1%)
とりあえず成功したようだ。
(センサーロック解除まで68%)
あともう少しだ。

ゴシカァン!!
扉が破壊される音が聞こえた
「!!」
とっさに銃を構えた。
足音はこちらに向かって次第に大きくなった。
「・・・コイツは!?」
つめが鋭く伸びた化け物。
あの時襲われた奴だ。

発砲するが怯む事無くこちらに近づいてくる。
「クソッ!」
ショットガンを取り出した。
弾を装填し化け物に銃口を向けた。

ガシャァン!!
銃の反動で尻餅をつくグローク。
だが弾は見事に命中。化け物の胸部を見事に貫いた。
たまらずその場に倒れる化け物。
反射的にダッシュでエスケープした。
そして外に出た。

センサーは解除されていたようでビルのドアは開いた。
「フフッ、よく来たな。」
「・・お前は・・・。」
度々グロークの前に現れたあの男。
「お前がレインか。」
「いかにも。」
「・・・アイツの仇、ここでとらせてもらうぞ。」
「仇?ああ、ロックのことか?・・無駄だ、銃を下げろ。」
ドンッ
銃弾はレインの頭を貫いた。
グロークの放った銃弾はレインの頭部を貫いた。
ところがレインは出血すらしない。
「・・・無駄だっていったろ。」
「ば、馬鹿な・・・。」
「俺はただの人間じゃないんだ。そんな豆鉄砲で殺せはしない。」
レインの体は宙に浮き、姿を消す。
「俺を殺したいのならこのビルの最上階までこい。最も、その頃には・・・・。」

レインを追いにグロックも行動に出る
「エレベーターは・・・。」
使えない。となると最上階まで階段で行くしかない。
しかたなく階段を上り始める。
ゴシャッ
「!!」
下の階で何か物音がする。
が、グロークは大して気にも留めなかった。

階段を上っていると大広間にでる。
階段はそこで終わっていた。
上につながる階段は向こう側だ。
と、なるとあちら側に行かなければならないのだが・・・・
「多いな・・・。」
敵の数が多かった。まだこちらには気づいていないようだが。
無駄に弾を使いたくは無い。
何か上策は無いかと考える。
あった。ロックから譲られた手榴弾。
使い方はよく分からないがピンか何かを抜けば爆発するはずだ。
よく考えずにピンをいじっているとピンが抜けた。
「あ。」
驚きの言葉がついでてしまい、敵もこちらに気が付いた。
もう投げるしかない。
「そぉい!!」
ドォォン・・・・
敵は肉片となって散らばった。あまり見たくないものである。

とりあえずまた階段を上り始める。
ある程度上るとまた広いところに出る。またあちら側に階段がある。
と、同時に階段に繋がる扉がしまった。こちら側も。

グシャ!
「!?」
床から爪が突き出た。その後あの巨体の化け物が床から這い出てきた。
「お、おい・・・マジか・・・」
化け物はゆっくりとこちらに近づいてきた。
「ククッ、そいつは実験で作られた殺戮用の生物兵器、TM-03号。そいつの力を試すんだからすぐには死ぬなよ?」
どこからかレインの声が聞こえてくる
「くそっ!」
拳銃を2丁、両手持ちで構える。
片方がフルオート射撃、もう片方は急所を突く。
化け物はそんなことを物ともせずゆっくりこちらに近づいてくる。
グロックは銃のマガジンを取替え、再び射撃を始める。
「駄目だ、全然効かない!」
ショットガンを取り出したときにはもう目の前まで来ていた。
鋭く伸びた爪を振り上げた
グロークは思わず目をつぶる。
「・・・・・・?」
グロークはゆっくり目を開けた。
爪は振り下ろされなかった。
化け物は何かに気がついたかのような目をしていた。
「お、おいどうした!早くソイツを殺せ!」
再びレインの声が聞こえる。
化け物は何もいわずに腕を戻した。
「クソッ、ジャンクが!」
広間の隅に仕掛けてあった太いレーザーが化け物の体を貫く。
ズゥゥン・・・・
化け物はゆっくり倒れた。
「こうなったら俺の手で始末してやる!」
扉が開いた。
いざ、決戦の舞台へ

36, 35

  

扉を抜けると長い一本の階段があった。
一歩一歩上がっていく。
階段を上りきると広い部屋があった。
この街にもう一つある方と少し似ている。

「レイン、居るんだろ!出てこい!」
そう叫ぶとレインは空中から姿を現した。
「まさかお前がここまで来るとはな。しかしそれも、もう終わりだ。」
大きな拳銃を2丁こちらに向けてくる。
「デザートイーグル。最強の拳銃だ。流石にこれで撃たれたらお前も終わるだろう。」
「それ、反動凄いんだろ?2丁も撃てるのか?」
「言ったはずだ、俺は普通の人間じゃないんだ。武器を捨てろ。」
グロークは両手を挙げ、持っている拳銃を捨てた。
「そうだ、今楽に・・・・。!!」
グロークはすばやい動作で両手から離れた銃のうち、1つだけを手に持ちレインを撃った。
弾は見事に銃に命中。デザートイーグルは弾き飛ばされた!
「チッ小癪な!」

ドォォォン!
グロークの後ろの扉が破壊され、化け物が入ってきた!
さっきとは随分と様子が違った。
「グオオォォォォ!!」
「TM!グロークを殺すんだ!」
しかし化け物はまたも命令を無視し、猛ダッシュでレイン近寄りを斬り込んだ!
「グァッ!」
次に化け物は
初めてレインに攻撃が効いた瞬間だった。
「この出来損ないが!!」
レインも化け物にデザートイーグルを向けた!

ドグシャッ!!

レインは爪で串刺しにされ、銃弾は化け物の頭部を貫いた。

「馬・・・・鹿・・・な・・・・。」
レインは錆となって崩れていった。
また、化け物も今度こそ完全に死んでしまった。
まさかこんな形でレインとの決着がついてしまうとは
「これで・・・終わりだと思うなよ・・・・」
「!!」
どこからか声が聞こえた。気のせいだろうか。

ガタン
部屋の置くからこのビルの一番奥に繋がる道が開いた。
あの言葉の意味は何だろうか。
扉をくぐり、下に続く長い階段を降りた。
とても長く続いた一本の階段。
目の前は暗黒に包まれていた。
もうすぐ終わるのだろうか。全てが。

階段を下り終わると大きな何も無い広場に着いた。
あたりには何も無い。いや、周りが真っ暗で何も見えない。
「よく来ましたね。」
「!?」

どこかで聞いたことのある声。確かこの街で聞いた。
「・・・・マスター?」
マスター、確かにそれはバーのマスターの声だった。
「ようやく貴方の奇妙な体験は幕を閉じることになる。」
「どういうことだ。姿を現してくれッ!」
「この街は貴方の心の奥深くの暗闇が具現化した姿。そして貴方はレインと言うもう一人の貴方。悪意の心が形となった者を生み出した。」
「・・・何を言っているんだ?」
「決着をつけなければなりません。」
「!!」

大広間にレインが現れた。
・・・だが体はとても人間とは思えないほど変化していた。
「・・・決着・・・か。」
グロークは銃を手に取った。
「来い!俺はお前と言う黒の自分を倒して元の世界に帰るッ!」

レインは超スピードでグロークにタックルを繰り出してきた。
グロークは何とか避けて銃弾を撃ち込んだ。
ドンッ ドンッ
弾はレインの腕にヒットした。
だがレインは怯(ひる)みもせず再びタックルを繰り出してきた。
ドゴッ!!
「ウ゛ァッ!!」
激しい痛みに思わず床に倒れる。
レインは動きを止めたグロークにトドメの一撃を繰り出そうとした。

「させるか!」
ドガッ!!
先ほど手に入れたデザートイーグルをレインの頭部に撃ち込んだ!
弾はレインの体を貫いた!
体からは血を言えない緑色の液体は吹き出た。
流石にこの一撃は耐えられずにレインは蹲(うずくま)った!
「これで終わりだ!!」
ロックから貰った手榴弾を2発レイン目掛けて投げ込んだ!

ドォォン・・・・・

レインは肉片となり、辺りに散った・・・。
・・・決着はついた・・・。
「・・・勝ったようですね。」
再びマスターの声が辺りに響いた。
38, 37

  

「主将を失ったこの街は崩壊していくでしょう。・・・その前に。」

目の前が真っ白になった。
まぶしい光に思わず目を瞑る。
うっすら目を開けてみるとそこは見覚えのある場所だった。

「と・・・図書館・・・?」
「貴方がまだ読んでいない本があるはずです。」
読んでいない本・・・・そういえばこの場所にはじめてきたときに読めない本があった。
うっすらと文字は書かれているようだったが・・・。
「あの本は確か・・・あった。・・・!」
読めなかった本には、はっきりと文字が書いてあった。
「それは貴方ほ体験が示されたものです。ページを捲っていって見なさい。」
ページをめくる。
「レインと決着をつけたところで終わっている・・・・。」

その次のページは白紙だった。うっすらと文字も書かれてない。
「・・・そのページからは貴方が続きをつくるのです・・・。もうすぐこの街は白に戻るでしょう。貴方も元の世界に帰れます。」
「!? ま、待ってくれ!」
聞きたいことが一つだけあった。
「ロックは、アイツは何者だったんだ!?」
「・・・さぁ?貴方が作り出した幻想かも知れません・・・または・・・。」
声はそこで途切れた。
「または・・・何だったんだ・・・?」
最後にはっきりと聞こえた。
「忘れてはいけません。夢と現実は表裏一体です。」

その言葉が言われたあと、視界は真っ白になった。
39

核砂糖 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

<< 前 次 >>

トップに戻る