6月2日更新文芸作品感想
★6月2日更新の文芸作品感想
更新されたのは全4作品(1作品かけ込み)
文芸へのイメージは、作品の完成度がニノベより高い。
あくまでも個人的な主観ですがそう感じています。
私は文芸で作品を発表したことはありません。
ニノベと文芸の明確な違いって何でしょうね。
作品を読んでいるとそれは何となく感じるのですが、説明するのは難しいです。
文芸……芸術的に心揺れる文章作品。
ニノベ……漫画的感動のある文章作品。
こんな感じでしょうか? どうだろう、人によって違いますか?
更新作業で〆きり時間にずれ込むこともあると思います。
そういうとき、一報くだされば感想は書かせてもらいます。
楽しんでやっておりますのでその辺はお気がねなく……。
感想更新前に作品がageられた場合、その作品への感想更新を控えます。
次の更新を急がれる方。作品ageたいけど感想を読みたい方は連絡ください。
コメント欄でも、twitterでもかまいません。
例によって毎度のことですが、よろしくお願いします。
今回の感想対象作品は以下の4作品です。更新順に感想を書きます。
「右手短編集」
「Aさん」
「Wild Wise Words」
「青春小説」
更新されたのは全4作品(1作品かけ込み)
文芸へのイメージは、作品の完成度がニノベより高い。
あくまでも個人的な主観ですがそう感じています。
私は文芸で作品を発表したことはありません。
ニノベと文芸の明確な違いって何でしょうね。
作品を読んでいるとそれは何となく感じるのですが、説明するのは難しいです。
文芸……芸術的に心揺れる文章作品。
ニノベ……漫画的感動のある文章作品。
こんな感じでしょうか? どうだろう、人によって違いますか?
更新作業で〆きり時間にずれ込むこともあると思います。
そういうとき、一報くだされば感想は書かせてもらいます。
楽しんでやっておりますのでその辺はお気がねなく……。
感想更新前に作品がageられた場合、その作品への感想更新を控えます。
次の更新を急がれる方。作品ageたいけど感想を読みたい方は連絡ください。
コメント欄でも、twitterでもかまいません。
例によって毎度のことですが、よろしくお願いします。
今回の感想対象作品は以下の4作品です。更新順に感想を書きます。
「右手短編集」
「Aさん」
「Wild Wise Words」
「青春小説」
「右手短編集」 右手 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=2569
感想二回目です。
今回は『おいしさま譚』の感想です。
ツイッターのタイムラインで稀に右手先生のイラスト絵を拝見します。
なかなか味わいを感じる面白い絵。
デザイン性のある簡略化された画風。
微妙な淡さのある色付けがまた心地よいです。
おっと、脱線。本文感想行きます。
『おいしさま譚』
■感想
父親の訃報での里帰り。主人公・俊一は実家の二階にある自室で不思議な石を見つける。
親の死を身近に感じる年頃だと、他人事ではないような気持ちになる序盤。実家の荷物整理のくだりもわがことのように感じます。私なんかも既に居場所ないんですよね~、親の家ってw
右手先生の短編、これまで読ませてもらいましたが、どれも魅力的な雰囲気があります。文章じたいは技巧を凝らしているふうではない。突出した文章力や見せ方があるわけではない。ですが個性的な空気を感じさせてくれます。好感が持てるところではないでしょうか。
本作でもじわじわと不気味な雰囲気に読み手を引きずり込んでくれます。
続編につづくようなので、今の感想はこんなところです。
続編楽しみにしたいです。
以上この作品に関する2日更新分の感想はここまで。
「Aさん」 雪 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17896
初見の作家さんです。
どなたかの別名義かどうかは定かではありません。
漫画を書いておられた作家さんかも分かりません。
トップ絵、迫力あります。
■各話ごとの感想
・五反田のAさん
俺から見るAさんについて書かれています。Aさんが煙草の火をもらうところからはじまり、何ともないやりとり、そして別れが書かれていました。
俺は10代でしょうか、20代でしょうか、仕事話を持ちかけられるくらいなので、いいかげん働いていてもおかしくない、20代半ばでしょうか……。
〇
誤字(助動詞)
決まり事でもあるような→決まり事でもあるように
〇
表現の妙?
>このAさんもそんな決まり文句を言った後にこう続けてきた。
本作で登場するAさんはまだ一人目。だから、なぜ「このAさんも」になるのか分からない。「~も」は他の例と併せて見たときに「~も」となるのではないだろうか?
物語第一話目でいきなり「このAさんも」と言われると、「?他のAさん知らないけど、読んでないよね???」と読み手はしっくりこない表現だと思われる。個人的にはあまり嬉しくない。
前後するが、
「総じて説教臭い。」が何であるかも明確だと優しい。
例1、Aさんの文句は総じて説教臭い。
例2、Aさんは総じて説教臭い。
前後の文でおそらくAさんの文句(例1)のことであると思われるが、後続の文「このAさんも」とあるので、AさんをほかのAさんと一緒くたに扱ったときの言い回しで「Aさんは総じて説教臭い。」ともとれる。表題Aさんとあるだけに、ここでの表現は曖昧と判断。
もう少し意図を読ませる推敲が必要。
・旅するAさん
Aさんに道をたずねられて案内する。
短い中でも侘しさをほんのり感じさせてくれる一作でした。
■今回更新分までの総括的感想
俺の視点であるが、俺の意思は介在してこない作品。こんな人に会いました。こうしました。終わり。というシンプルでまっすぐな起承転結。読み心地も悪くないので好感は持てます。素朴な雰囲気も魅力でしょうか。
文章面で気になるところを挙げていますが、個人的に読みつまったまで。気にならないで自然に読める方もおられると思います。些末の範囲かと思います。
以下内容に関して。色んな場所で出会う『Aさん』について語られていく作品。ですが、ちょっとやらしい私、本作を変な読み方で読みました。それは「Aさん」を「おじさん」に置きかえて読む。するとぴったりはまってしまいました。
「Aさん」でなく「おじさん」でいいでのでは?
2話目の「旅するAさん」もやはり同じように「おじさん」読める。
「Aさん」でなく「おじさん」でいいのでは?
「Aさん」の言葉使いに二話とも似たような特徴だったので、本作でいうところの「Aさん」とは「おじさん」だとイメージを定着させてしまいます。これはあんまりよくないです。それが狙いであればよいのですが、もしもっと広義でいう幅広い世代や社会的立場の違いのある「Aさん」見せてくるのであれば、「Aさん」の表現に豊かさが欲しいと思いました。「『Aさん』と括られる人々」とありましたので、千差万別もっと異なる「Aさん」が読めれば読み手は面白いのですが……。
ともすれば、一話目も二話目も登場場面が異なるだけで「Aさん」の人物像あんまり変わらない。「なんだ、どっちもそこら辺歩いてるオッサン書いてるだけじゃない」で終りそう。「1人1人に名前があり人生がある」とするならば、その違いが欲しいところです。
以上この作品に関する2日更新分の感想はここまで。
「Wild Wise Words」 音引ココ 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15598
感想を書くのは初めての作家さん。
どなたかの別名義でしょうか? 分かりません。
ただ文章のほうはかなりお上手です。
更新のたびに追って読ませてもらってました。
本作、書籍になっていたらおそらく私は買うでしょう。
ひとことでこの作品の良さは語れない。
一度更新されたけど、現在抜けている物語もある。
劇場モルガンサファリの話と厄賽の話。以前読んだ記憶がありますが……。
意図してのことなのでしょうか?
今回感想書くの難しかったですよw 体調不良もあって余計に時間かかった。
■各話ごとの感想
・更新分
私を取り巻く世界は灰になる。原因は私の夢にあるのか。止まらない灰化現象に終わりはあるのか。そこに現われた説法屋という男。
金も権力も受け継いだら同じことが起こりそう。気持ちはそこに置きながら読ませてもらいました。説法屋は骨肉の争いを好奇の目で楽しんでいたのでしょうか。それは分からないけど、すべてを知っているような彼の口ぶりが小憎たらしく映りました。
・黄金の心臓
盗人を生業とする男。古い神殿を盗掘する際、神殿に施されていた魔法にかかって生け贄となる。そこへ現れる説法屋。盗人は説法屋とある約束をする羽目に。
繰り返される無限のループ感が巧妙な仕組みで面白い。説法屋は搾取者であり続ける。うまい具合に網にかかる盗人を待つだけ。狡猾って言葉が最大の賛辞になる説法屋、ひたすらかっこいい。
・消し炭の彼
焚き火にむけて微笑みかける女。愛は火中、燃やされている男に注がれる。そこへ現れる説法屋。
女に対抗する説法屋の武器は口だ。彼は一切、手を下していない。しかしその行動、言葉はあまりにも強い。夜の一幕での出来事、妖艶な愛のやりとりがなんともいえず鮮やかでした。
・生き方書き方
休暇の暇つぶし、読書に飽きた死者の管理人は、転寝を試みる。そのとき一人の死者に道を聞かれた。
現世でやり残したことを、こんなふうに叶えることができたら、望まない死でも受け入れられるだろうか。生前の仕事にもよるのか。きれいな話。どこか心が温まる。
「書きます」とても強く感じた意志の言葉でした。
・ブルー
海の中の景色。視界は浅く深くを自在に行き来する。読み手が文字と視界を共有するのは青い世界。
少し難しい回でしたが、自在に海中と海上、船の上を動き回る意識には面白い感覚にとらわれました。小気味良い。僅かに感じられるしぐさから、人の動きなのだろうかと推測するけれど至って曖昧。たとえ突飛な表現であっても、視界を追い、海の営みを書いてしまう文才。驚きの一作。
黄金の粉、アマゾンで買えませんかね。欲しいです。高価だろうな~多分。
・実験室
世界の「法」となる生物を生み出すための研究所。俺は研究員としてつとめているが、失敗ばかりで明日をも知れない身。そんな俺のもとへ現れる説法屋。
ここで登場する世界の法となる生物の材料がまたw どれもこれも奇妙で希少ぞろい。説法屋はいつもどこかですべてを見ている。すべてを知っている。誰もが得ることのないものを得ているように見える説法屋。彼の搾取はまだ続くのだろうか。実は何者でもないような絡みが、とても謎めいる。それは説法屋の魅力でしょうか。
・木枯らし
墓場から抜け出し散歩に興じる死者。彼女には相談相手のワニの医者がいた。
たとえ騙されていたとしても、そのとき感じていた感謝の気持ちは本当の気持ち。何が嘘で何が真実、そんなことはどうでもよい。今、何がしたいのか。それだけが真実。名探偵っぽくふるまう説法屋、彼が正義とか実はどうでもいい気はする。そんな感じがたまらなく面白かった。
・世界
神は長い旅の終わりに絵を描こうとした。しかしカンバスを前に筆は進まず。そこへ現れる友人。
大切なものは失うまで分からない。あえて言わなくても分かることなのに誰でも忘れてしまいがち。
大事にしないといけないは、そうそう、これこれ、感謝なのにね。
■今回更新分までの総括的感想
本作を知ったきっかけは、後藤先生の感想企画からです。そこか憑りつかれたように、毎度更新がされるたびに読ませてもらっています。今回の更新で読んだ中には、以前に更新されていた何作かの物語が抜けていました。それはさておき、この物語、その世界観の機知さにひたすら魅了されます。
絵画的とも言いましょうか。読んでいると自然と唸ります。美術館で絵画鑑賞をすると、言葉ではなく様々な感情から嘆息や唸りが漏れることがある。同じ感覚にとらわれます。引き込まれ、その世界で心が揉まれる感じのある作品です。噛みしめる面白さ。読書で鑑賞という気持ちが近い。
説法屋の立ち位置の絶妙さもよい。物語は説法屋と登場人物との絡みから見えてくるのですが、説法屋だけを見せるのではなく、Wild Wise Wordsの独特な世界をしっかり見せてくれる。作家さんの頭の中、どうなっているんでしょうね。こんな文章作品が書けるは誇らしいことだと思います。
文章力に関しては、申し分ないかと思います。野心さえあればお金を稼げそう。これだけの更新数でミス一つ見つかりませんでした。稀有です。手堅い執筆への姿勢がうかがえます。
「Wild Wise Words」突飛なタイトルですが、直訳だと「野生」「博識、なまいき」「言葉」などがタイトルに並べられる。しかしこれだと少々タイトルの意味にはピンとはこない。感覚で意訳してみると面白いのではないのでしょうか。興味のある方は意訳を試してみてください。なるほどしっくりくるタイトルです。
ただ言葉なし、以下のみ。
美しくも奇妙な世界。お勧めです。 未読の方はぜひ読んでみてください。
■
印象深かった箇所はあません。本作に関して述べるなら、作品の出来全てが印象深い。
これと特定できる箇所が分からなかった。
独特な作品なだけに、こういう感覚は特殊かもしれない。
以上この作品に関する2日更新分の感想はここまで。
「青春小説」 ヤマダ=チャン 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17567
三回目の感想。
狙ってあわせて下さる頼もしい作家さんの一人。
もうこの方の力量は文芸界隈では認知されているはず。
瞬発性と作品の完成度にはいつも驚かされます。
いかれちまった私なんかには到底書けない文章。
ヤマダ先生の魅力は読ませる吸引力が感じられます。
■前回までのあらすじ
女子高生ヒロイン・理緒は、刺激を求め密かに援助交際を繰り返す日々をおくっていた。あるとき、そんな彼女に笹本秋桜(クラスメイト)は声をかける。理緒は当初、馴染の無い彼女との距離に違和感を覚えた。しかし徐々に馴染んでいく。ところが一緒にカラオケボックスへ行ったとのを機に、二人の間に微妙な距離ができる。
■各話ごとの感想。
前回は『堕落』の1まで感想を書いていました。
今回はまとめて2~3
理緒の気持ちは当分晴れない。歯がゆく憂鬱な日々は続くのか。教室で浮かない顔をしている彼女に、美城恭子という女子が声をかける。
素直になれない、思っていることも周囲を気にして言えないとか辛いですね。
理緒に声をかけてくれる恭子の存在。ありがたいのは心底わかる。けれど、一人で色々考えたいときは面倒くさい。でもそれを断ることも今の自分には気持ちのゆとりがないのでできない。
学校生活も全部嫌にならないか? けれど投げずに登校している姿は理緒らしいと思った。
よっぽど嫌なら学校こないよね。けれどそこまではしない。
何やかんやで秋桜のことが気になって仕方ないのは。どうにかしたいと少しは思っているからなんでしょうか。
秋桜も秋桜で持て余していますね。
「最悪だ」連打、有ですか。 不意打ちを食らったみたいで新鮮。笑った。
■作中印象深かった箇所はあるけど伏せます。
読んだら分かると思う。あの場所ですw コメ欄、なにした!?は私のコメント。
以上この作品に関する2日更新分の感想はここまで。
6月2日更新ニノベ作品の総括的感想。
死んだ。 死んでました。
こんな時期に体調崩してまいりました。
4作品とはいえ更新遅くなってしまったでしょうか。
これでも鞭打って頑張ったつもり……いやはや。
今回も文芸4作品面白かったです!
ここで書きたいこと、もっとあるのですが今はご勘弁。
ちょっと養生します。
次回は6月12日に更新されたニノベ作品の感想を書きます。
13日へ日付が変わるまでに更新してください。
よろしくお願いします。