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東横イン

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ビジネスホテル「東横イン」身障者設備設置偽装問題



日本の金銭優越主義の風潮が強くなっている。いまだ根強い身障者軽視の考え。
そんなことを思わせる事件が起こりました。

ビジネスホテルの「東横イン」が、横浜市に建設したホテルにおいて、
横浜市条例で義務付けられた身障者用設備・駐車場をいったん完成させ、
検査に通ってから解体し改造するという大胆不敵な方法で、デザインを優先した玄関ロビーに改装したのです。

条例を無視し、身障者に対する配慮のかけらもないこの行動を許可した西田社長は
「条例に違反しました。どうもすみません。」と謝罪する一方で
「正面が駐車場になってると使い勝手も見てくれも悪いでしょ」ともコメントしています。
とても反省してるように見えません。



利用の少ない身障者の配慮をするより、デザインや利便性を重視し、目先の利益を優先したのです。

なぜこのような偽装をしたのか。

世論や世界の動きを真っ向から否定するようなこの事件を、私たちは見過ごしていいのでしょうか。


現在、政府は「小さな政府」をめざし、財政の縮小を行っています。
そしてその支出減のために、福祉に関する予算なども削減されています。

障害者自立支援法の制定もその流れで出来たものといえます。
この法令は事実上介護・福祉の負担を利用者に強いるもので、
国会における審議が深く行われず、内容もずさんだと、当の身体障がいを負った方々が反発しています。



このように「健常者」と「障がい者」の間の理解については、これほど教育や文明が発達した現代でも、
多くの課題を残しています。健常者との間にはまだまだ大きな隔たりがあります。




よく2chでも「障がい者を疎むの当たり前じゃね?」「うざいし」「関係ないじゃん」
という書き込みを見かけることがあります。



よく考えてください。
その考え方の結果が、前世紀までの身障者に対する何の配慮もない社会だったのです。

当然、そのような社会は文明として、程度が低いことは明らかですし、
そもそも事故などで誰でも障がいを負う可能性だってあるわけです。

ですから、そのようなそのような人々が社会で可能な限りハンデのない生活を送るようにすること。
これは社会レベルの向上に直結します。

誰もが、可能な限り幸福に暮らそうと考え行動することは、結果として自己の幸福につながるわけです。

別に他人に尽くせなどとは言いません。
ただ自分が生きていくうえで自分が出来る限りよく生きる、そのためにちょっと意識して
考え、行動をすればいいだけです。
それが何かの変化、向上につながるのです。

もし杖を前にかざして歩く人を見かけ、その人の前に障害物があることに自分が気づいたとき、
あなたならどうするでしょう?
その程度です。その程度の心がけでもよいのです。



金の支配が進んでいます。

今回の事件がおきたことも、そのような世の中の流れを表すものとして捕らえることが出来ると思います。
しかし、こういった利己的な行動がどのような結果を招いたか。言うまでもありません。


目先のことだけを考えた行動がもたらす結果ははっきりしています。




今、こんな時代だからこそ、もっと長いスパンで見た考えを持つことが求められているといえます。

その点で現在の学校教育もまだまだ変えていく必要があるでしょう。



法律談義 ~障害者自立支援法と東横イン問題~

*ただの駄文です。あまり本気にせず気楽に読んでください。


大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」が法律に基づいて設置した身体障害者用客室や駐車場などを検査後に撤去し、ロビーなどに改築するという悪質な違法行為が発覚した。
建設に当たって最初から改装前と改装後の図面を用意している点から考えても、この無断改装が確信犯であることを伺わせる。
手口の大掛かりさ、強引さもさることながら、その後の社長の開き直りとしかいえない会見がお茶の間に流されるにつけ、多くの人たちが現代社会の問題点を浮き彫りにされた思いを感じたのではないだろうか。

東横インは、駅から徒歩五分前後という好条件の土地を個人や事業主から借り受け、土地所有者の資本で建物を建設した上でこれを決まった家賃で30年間借り受け、ホテルを運営するというビジネススタイルで大きく業績を伸ばしてきた企業である。

このスタイルの優れた点は、東横イン側は初期投資をほとんどすることなくホテルを開業できるだけでなく、その維持運営費を固定化し、銀行融資より安い利率で費用を償却できるということである。またホテル建築を請け負うのは関連会社の東横イン開発であり、開業にあたっても地主からの初期投資から利潤を上げられる。
また地主にとっても、家賃が一定であるため、自身の土地によって銀行預金や株式・国債よりも高利回りで財産運用をすることができる。
そして客はビジネスマンに絞り、無料ネットスポットなどサービスも特化し、低価格・好立地で高回転なホテル運営する。極めて合理性を追求したビジネススタイルといえる。

この極めて合理的なシステムでホテルチェーンを経営する社長にとって、ハートビル法を初めとした諸規制はどのように映っていただろうか。想像するに難くないだろう。
「私たちのホテルは駅を基点としたビジネスマンを客層に絞っている。駐車場は必要ない」
「利用客となるビジネスマンの中に身体障害者がいるなどほぼありえない。身体障害者用客室など無駄の極みだ」
「我々は客層を絞り、彼らにとって最高のサービスを提供するのが仕事だ。総花的で偽善的な行政のきれい事になど付き合ってられない」
この社長にとって、行政の施策は著しく非合理的で到底我慢できなかったであろう。だからこそ、行政の裏を突いてこのような露骨な違法改造をしたのではないかと言うことは想像に難くない。

無論、いかなる理由があったとしても国家の法律を確信犯的に犯す事は絶対に許されることではない。経営者として日本でビジネスを行うからには、いかに合理性を有しないと思われる法律であってもその存在を否定する事はできない。ましてや法人は、その存在を国家の法律によって保証され、自由かつ公正な競争を保証されている存在である。その法人の経営者が自分たちの都合の良い法律は盾にし、都合の悪い法律はその存在を否定することは許されないのである。その法律が著しく合理性を欠いて問題を有するというのならば、その実害を裁判に訴えるという手法も残されているのだから。


国会によって制定される法律は、ともすれば杓子定規で個々の事情に合わないと思われることも多々ある。また、時にはあまりにも血が通わない冷酷非情とさげずまれるような立法がなされたり、法律が成立する時もある。

悪名高き障害者自立支援法は、ときにその典型例として例示される。
障害者に対する福祉・介護に対して応益負担を求め、そのルールを定めた法律であるが、その成立に対しては諸々の非難批判が相次ぎ、「世紀の悪法」とまで評価する人がいるほどの一大騒動となった法律である。

「負担能力の乏しい、あるいは皆無である障害者に対して応益負担を求めることは、障害者が現状以上に家族やボランティアに依存をせざるをえなくなる。自立支援どころか自立の足を引っ張ることになる」
無論、これは正論である。恐らく現状のまま法律が適用されれば、このような結果になることは想像に難くないところである。

しかし、国会は多くの反対(当然反対議員も多かった)を押し切ってこの法律を成立させた。私たちはこれを暴挙として憤る前に、この法律の持つ真の意味を考えるべきだろう。
すなわち「障害者といえども、社会経済の前に著しく非効率であることは許されない」ということをルールとして国民の前に突きつけたということである。

「障害者自立支援法」とは、「障害者の自立を支援」する法律ではなく、「障害者の自立を支援すること」を国民に対して強く求めた法律であると考えられるのではないだろうか。
それは、障害者であることを理由として一人の経済人・一人の労働者たることを、障害者本人も、実業界も、そして国民一人一人すべても否定してはならないということである。
障害者本人は(それを本人も強く希望していることは当然だが)できる範囲で国民として・経済人としての責務を果たす義務を有するし、実業家もこの国で商いを営むものとして一定の範囲で非合理と責務を受け入れる義務を有するのは当然である。

いかに一見して非合理であっても、法律は相応の理由があって定められたものである。
法律に定められたのは国家のルールである。それが非合理であると論じるならば、まずはその法律の有する意義を深く考察した上で、あえて納得いかない理由があれば広く世に訴えて世論の形成をはかり、あるいは司法に訴えてその是正を図るべきである。
法人が法人たるゆえんは、法に定めて平等な権利として自由にその意見を発表し、あるいは司法の裁断を求める点にもあることを再確認するところである。

「身体障害者≠ビジネスマン」
現状をそのように分析してビジネスを進めることが、法人として負うべき最低限の責務を損なう可能性について、いささか事業主として視野が狭かった部分があるのではないかと考えるところである。
経済性・合理性を追求するということは、狭義のムラ・無駄を省いて雑巾を絞るように利潤を上げるということだけではなく、社会における法人の存在位置と責務を確認し、すべての経済的存在に対してその存在を尊重する義務を遵守するという面からも検討されるべきであると愚考するところである。
7, 6

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