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天敵Ver1.02

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 これは、〈撃墜王〉の少女と
 〈撃墜王〉になった少女、の物語――



 衝撃が来た。だが、それにはもう慣れている。
 弓型の操縦桿を握り締めて押し込む。それで機体――〈シェルグリルズ〉は左斜めに少しずつ傾きながら宇宙空間を滑るように機動していく。無数の星々がモニタの向こう側を高速で巡っていく。星座も見えない速度の中で、槌宮渚は汗にまみれた顔をあげた。視線はうろつき彷徨っている――敵の影を探して。
 いた。
 敵機の〈セレナデス〉は、四足双腕の巨大なケンタウロスの姿をしている。基本的には淡い青色で、ときどき明滅するように紫色の稲妻がその表面を走り抜けていく。人型の顔面にかぶせられた鉄仮面は炎のような赤い影にまみれて揺れていた。
 実体というものを〈セレナデス〉は持たない。なぜならあの虚空を彷徨う存在は、必ず攻撃してくる敵の形を模倣するから。〈セレナデス〉には真の姿というものはない。――いまのところ、確認されている限りは。彼らは必ず武器を取る、それを向けてくる者が持つものとそっくり同じな代物を。
 いまは、〈シェルグリルズ〉の標準兵装である五.〇〇掌銃を構えている。砕いたシャンデリアのような煌きが、青白い機体の掌を取り巻き、わずかに一瞬闇が隆盛し返した直後、直撃すれば槌宮の十七歳の身体ごと〈シェルグリルズ〉を粉々に吹き飛ばす熱線光が放たれた。
 槌宮はなにも考えずに操縦桿を右手の親指の付け根でグッと押し込む。
 機体が逸れていく。モニタが青からロックを外してまた闇の空を映し出した。斜めに飛び去っていく熱線を槌宮はぼうっとしながら眺める。宇宙戦には考える時間が多い、ほかになにも感じられるものがないから。

 出撃してから何時間が経ったのか、槌宮はもう覚えていない。接敵してから五分後まで届いていたコロニーからの歪音通信は完全に途絶していた。それまで同じ歪音通信しか模倣装備していなかった〈セレナデス〉が、妨害効果つきの通信設備を編み出して、人間の理解しがたい発声音の連続を盗聴するよりずっと有効的な戦術を繰り出してきた――おかげで槌宮はいまやこの莫大な宇宙の中心で、〈目視〉以外の方法で〈セレナデス〉を発見できない。槌宮にできることは、いたずらに操縦桿を押し込んで、普通に酔いそうな回転の狭間、見えた〈セレナデス〉の機体に向かって全力攻撃を仕掛けることだけ。それもかわされてばかり、文字通り虚空への刃に終わっている。有効打撃は一度も与えられていない。
 理由はわかっている。
 槌宮渚の搭乗している機体が、〈シェルグリルズ〉だからだ。
 〈セレナデス〉は接敵した機体をそっくりそのまま模倣する。
 夢物語を再現する精神製の粘土細工みたいにやつらは自由自在にその身を変化させる。
 だから、渚が己自身の愛機〈グラスライド〉に搭乗していればいざ知らず、あの〈愛馬縄生〉の機体に乗り込んでいる以上、やつらはそれを模倣してくる。
 相性は最悪だ。
 完全に操縦することができない名機の中で、それを完璧に使いこなしてくる敵と戦う。
 思いつく限りでは最低の悪夢。
 だが、それが地球防衛軍の総司令官が下した結論であり命令であり作戦だった。
 最強の機体をぶつける。
 この愚かで幼稚な最悪の戦術を、地球の命運を担う男は選択し、それを十七歳の少女の肩にどさりと乗せた。パイロットの適性などという瑣末な問題は考慮されなかった。〈シェルグリルズ〉が出撃しなければ、最終防衛線を守りきることはできない。そして〈シェルグリルズ〉を完璧に操ることができたたったひとりの少女は、完全に戦闘性能を喪失し、再びこの機体に乗ることはない。
 だから、槌宮渚が乗るしかないのだ。

「……くそ」
 小さく呟いて、渚は機体を左斜め後方へバウンドダッシュさせる。モニタの下に熱線。ペイントで雑に引いたようなその線が、当たれば終わる渚の死だ。そんな物騒迷惑極まりないものを掌から出した青いお化けは、首を傾けて渚の姿を追っている。
 たったひとつだけ、この戦いでありがたいことがある。それは、〈セレナデス〉も渚を目視でしか探せないこと。そしてこの化物には〈勘〉という神様からの贈り物はないらしい。でなければとっくに渚は撃墜されていただろう。あののろまはこちらの通信を潰した代わりに自身の耳も駄目にしたのだ。
 だからもし、渚が生きて帰れるとしたら、人間の持つ〈勘〉とやらに頼るしかない。
 そんなものが彼女にあるとして、だが。
 槌宮は操縦桿のギアを入れ、接近戦闘用にシフトを変えた。ごきん、と何かが外れる音がして(戦闘機乗りは衝撃と振動を金属的な音に変換できるように訓練される。無駄なことだが、どこかのエースが言い出した)、モニタの端に二口の剣の先が覗いた。深遠を背景にした〈セレナデス〉が、同様に二刀を流れるように構える。馬身は半身、〈反響面〉を蹄の下に波紋のように湧かせて足場を保ちながら、ゆるく走っている。剣よりも弓が似合いそうだ。だが、ここにそんなものはない。
 渚は深く息をついて、汗が滴りうざったい瞼を何度も瞬かせながら、操縦桿をあらためて握り直した。
 〈セレナデス〉は、戦闘相手のこころを尊重する、と言われている。だから、渚が本気で撃ち合いを望めば、剣と剣の撃交へ持ち込むことは難しくない。両手の操縦桿に、脇の下から体重をかけるようにしてバランスを注ぎ込む。一ミリたりとも神経に乱れが混じってはならない。混じれば、斬られる。
 渚は一度倒せば決して剣撃するまで止まれなくなるように、操縦桿を倒した。深宙圧で胸が潰れる。
 目を閉じたのがいけなかったのかもしれない。
 衝撃が来た。
 今度は慣れていなかった。
 固体を貫き気体から伝導した衝撃が渚の額を真正面から打ち据えて一発で脳震盪が起きた。視界がブラックアウトし、感覚がわずかに下半身の足首から下だけを残して消えた。それもわずか0.2秒足らずで回復し、顔をあげた渚は鼻から血を流していた。モニタが真っ赤になっている。鼻糞まじりの鮮血を、渚はパイロットスーツの裾で拭ったが、クリスタルプレートには血の脂が巻かれたままだった。
 星の光がぼやけて見える。
 押し込んだままの操縦桿がゆっくりとデフォルトまで戻りつつあったが、その間に宇宙空間を彷徨う〈シェルグリルズ〉の片腕が見えた。根元からばっさりと斬られている。
 正面からの斬り合いだった。姑息で矮小な策略なんてどこにも存在しなかった。
 言い訳はできない。
 渚は二、三度空振りしてからようやく操縦桿を握り直し、フットペダルを踏み込んだ。
 暗闇が加速し、聞こえないはずの音がさらに消えていく。
 背後で爆発の衝撃を感じ取った。虚空を漂う〈シェルグリルズ〉の切断された右腕を、〈セレナデス〉が五.〇〇で粉砕したのだろう。やつらにも嫌がらせという概念があるのだろうか、と渚は思った。無意味なことをする意思があるのか、と。
 答えを出す気力も湧かないまま、渚は加速し続けた。
 〈反響面〉を踏み砕いていく空虚な感覚だけが機体から壊れかけの全身へ伝導してくる。
 わずかに残った意識の中で、最後の斬り合いが何度もリフレインし続けていた。これまで斬り続けてきた経験も含めて全部。
 〈セレナデス〉との戦いは、己自身の模倣との戦いだ。つまり、自分がやることは相手もやってくるし、相手がやってくることも必ず自身で再現できる。戦力は常に互角を保ち続け、その差が広がるのはパイロット自身の弱さ以外に理由はない。やつらとの戦いは巴戦(ドッグファイト)ならぬ、鏡戦(ミラーファイト)――出口の見えない袋小路の向こう側。だから戦闘機乗りに求められるのは、誰にも負けない強さなどではない。
 ほかの誰でもなく、自分自身に、負けない強さ。
 一秒過去の自分を倒していける、無限の成長。
 永遠に続くその戦いに勝利し続けられる者だけが呼ばれるのだ。
 撃墜王と。

「……はあっ……」
 吐息が連続してくれない。単発でわずかに呼吸し、肺を空け、洗浄された己自身の吐息を再び呼吸する。わずかに血のにおいがするそれに眩暈を覚えながら急速旋回、片腕を失って身軽になったフリをして、敵の熱線の槍襖を間一髪で回避していく。自分がどこにいるのか、縦なのか横なのかも分からない。コロニーの位置ももう分からない。探索不能の外宇宙まで飛び出していたら、渚が回収してもらえる確率は砂漠の雨ほどの確率になる。それでもゼロではないと信じ続ける。
 信じ続けなければならない。
 〈反響面〉を機内精製して溜め込んだ機雷剣の数は十七本、そうメーターには表示されている。渚は熱っぽい視線でその数字が二十九まで増えることを待ったが、十八にひとつ増えただけで止まった。
 やむなくその十八本を六方展開、自分が通り抜ける道だけ残して後方へバラ撒き、〈シェルグリルズ〉を飛翔させる。爆発撃は届かない。あの距離と方角と配置なら渚の虎の子の十八本を回避して追撃することは〈セレナデス〉にはそう難しいことではないだろう。なぜなら、渚もまた同じ状況なら同じ回避機動を取ることができるから。自分がやることは相手もやると思わなければならない。
 それが勝負の本質。
 そう、〈愛馬縄生〉は言っていた。
 もう彼女は、戦場のどこにもいない。
 ほかならぬ槌宮渚が、〈撃墜王〉の称号の下に愛馬縄生に〈戦闘不能〉の刻印を捺したから。
 司令部はエースに従う。そう教育されてきている。極少数の天才による現場からの独断制裁。それが常習化している宇宙では、〈数〉は意味をなさない。
 〈無限〉だけが力を持つ。
 そして渚は、〈無限〉の器など、かけらも持ってはいなかった。
「…………ぐぶっ」
 卑しい獣が死ぬ間際のような音を立てて、渚はまた血を吐いた。
 頭蓋の中で詰め込まれた掘削機が大暴れしているような頭痛が続いている。
 震えている膝を覆うパイロットスーツは鮮血でぐしょぐしょに濡れていた。
 とにかく願うことはひとつだけ。
 呼吸がしたい。普通の呼吸が。
 ――操縦桿を押し込む。
 ふたたび宇宙が回転していく。やけにいつもより傾くと思ったら、それは渚の身体が傾いているのだった。コックピットの内縁部にもたれかかるようにして、渚は右手だけで〈シェルグリルズ〉を操縦していた。左肩のスラスターはめちゃくちゃな方向に乱噴射している。構わない。攻撃は避けれている。それならいい。
 それほど甘くは無かった。
 激痛と衝撃が駆け抜けた。神経接続している〈シェルグリルズ〉のボディは、その左肩を熱線で撃ち抜かれたことを渚に頭痛と吐き気と恐怖と絶望という頑固な言葉で伝えてきた。耐え切れずにあげた渚の悲鳴は、誰かにどころか宇宙にすら届かなかった。宇宙には重力はない。
 それでも、〈シェルグリルズ〉は堕ちていく。
 激痛のノイズが駆け巡る思考に耐え、渚は動く。操縦桿を最後の力で握り締め、祈るように押しこむ。スラスターはもうない、〈反響面〉の乱反射だけで切り抜けるしかない。敵は一機のみ。不可能ではない。血をよだれのように垂らしながら、渚は宇宙を見続けた。そして戦いとは関係のないことばかりが、彼女の脳裏をよぎっていく。

 愛馬縄生に手紙を出そう、と思った。
 だが、出せなかった。
 持ったペンは紙の上で時に縛られたように停止したまま走り出すことはなかった。一度なにかを書き出してしまえば、自分が何を書いてしまうのか分からない。それが渚には怖かった。
 恨んでいるわけじゃない。
 憎んでいるわけでもない。
 それでも、相手を傷つけたいと思っていないわけじゃない。
 傷つけたくないとも、思っているのに。
 そんな矛盾した自分自身が渚には可笑しかった。理詰めで動いてきた自分が、説明できない感情に塞き止められている。あのほんの少しの間に過ごした、〈高校生〉としての自分が、地球の空気と一緒に甘さも宇宙に引っ張り上げてきてしまったらしい。それもこれも、あの街の人々が悪いのだ。
 あの甘くて優しい人々が。
 まるで余り物みたいに優しい嘘をすぐに分けてもらえた、あの時間。
 それは毒のように渚を蝕んだ。渚を渚でなくしてしまっていた。軍人として闘い続けることに疑問を抱いていなかった自分が、いつの間にか空想のように少しずつかき消されていくのを感じた。それまで手で触れられそうなくらいに確固として存在していた兵士としての自分が、蜃気楼のようにこころの中で質量を失っていく。頬杖を突いて窓の外から見える地球を眺めて思い出すのは、訓練のことでも実戦のことでもない、あのたったわずかな四週間――
 だから、渚は部下に頼むことにした。何を書くかわからない自分よりも、なにも知らない彼女のほうが、愛馬縄生への手紙をきちんと書いてくれるような気がした。そして、まだ新人兵士の彼女に依頼したのだ。
 代筆を。
 その手紙は、もう地球へと落ちているだろうか。
 あの平和な田舎町で、愛馬縄生は彼や彼女らと一緒に、その手紙を読んでくれているだろうか。
 読んでいて欲しい、と渚は思った。なにが書いてあるのか渚も知らないけれど、きっとそこには、読み手が読みたいと思うものが、そして本当の書き手が書きたくても書けなかったことが、書いてあると思うから。
 だから――……
 操縦桿をわずかに捻りこみ、奇術のように鮮やかに、飛び魚のように渚は〈シェルグリルズ〉を反転乱翔させた。虚空の迷宮の階段を半人半獣の機械が駆け上っていく。次々に〈セレナデス〉から放たれる熱線を回避していく、一本、二本、三本、四本、そして、
 閃光。
 最後の一瞬、槌宮渚は白熱した眩しさの中で、確かになにかを見た。
 それはどこか綺麗な、なにもない――

 あの世界に続く扉に、見えた。
















               FIN













 ○

 ずっと書きたかった短編であります。いや、それならちゃんと書いて終わらせろよって話なんですが・・・やっぱり濁して終わりにしたいっていう気持ちがあったんですよね。

 そんなわけで『天敵』のラストエピソードです。
 これが正真正銘の最後です。
 いま『天敵』は応募してて、その最中にこれを書いて載せるって本当に意味が分からないというか、そもそも仮にいいセンいったら怒られるんじゃないかって気もするんですが、まァどこに応募しても「プロットが支離滅裂」とか「気まぐれすぎで読者のことを考えてない」とか言われちゃう猫みたいな馬鹿のやることなので、なんていうかもう、容赦もしなくていいっていうか、ぶっちゃけ書きてぇから書いたし落ちようがどうなろうが知らねぇし「オレの書いたものはスゲェ」以上の気持ちはない、という気持ちでいっぱいです。うん、そう、知ってるだろ、おれはばかなんだ。
 でもねぇ、本当に書いてよかったと思ってんだよ、コレ。

 もともと『天敵』は「愛馬縄生がいた宇宙の話」をほとんどボカして書いた話です。だから「よくわかんねぇ」って人がいるとは思うんですが、まァそれも味だと思って我慢してネ、ってことで通しました。それにオレと永い付き合いなら『黄金の黒』の直後に書いた話だし、顎が書く戦闘ってだいたいあれぐらいシンドイんだろーなーとでも思ってもらえれば、と考えていました。あらためて書いてみて思いましたね。愛馬縄生と槌宮渚は『黄金』の世界から来たのだと(世界観、という意味ではなく)。そりゃあイヤにもなるわ愛馬大尉。

 槌宮が死ぬっていうのは途中で思いつきました。まァ死ぬのは避けられんだろうと。愛馬の世界を守るためには誰かが犠牲になる必要がある。平和って、たぶん誰かの犠牲なしには成立しない。問題はその平和に「価値」ってあるのかどうか、犠牲になるやつがどう考えてるのかってことだと思うんですが、槌宮は少なくとも答えを抱いたまま死んだと思います。俺の世界観では、それはハッピーエンド。なにもせず、なにも分からず終わった『壁の中の賭博者』の主人公みたいなのが、生き残ってもオレにとってはバッドエンド。生きてる意味がないから。

 戦闘機の話って、門外漢だし、適当の連続だったんですが、結構気に入りました。楽しかったです。もともとオレは秋山瑞人っていう作家のファンで、『イリヤの空、UFOの夏』とかであの人に惚れたクチなんですが、なんとなくだけどこれはオレが書いた『イリヤ』って感じがします。肝心の宇宙に関してはボカしてたところとかね。オレはいま書いちゃったけど。

 『天敵』本編から言われてたことですが、愛馬抜きで宇宙はどーなるんじゃい、ていうか槌宮もいよいよ死んで〈シェルグリルズ〉も撃墜されたしヤバくね? と思う読み手の方もいらっしゃると思うんですが、ぶっちゃけこんな解答編を書いちゃった以上ハッキリ言うと、なんとかなります。
 オレは虚無主義者ってキライで、これで槌宮も死んだし愛馬は残り少ない平和な世界を謳歌して最後は泣きながら死ぬんだヨ、みたいなのはオレが一番キライな型の話です。意味ねぇです。愛馬はちゃんと平和な世界で暮らします。だから槌宮が死ぬのです。
 そしてこの『天敵』の世界は、これからも〈極少数だけ生まれる天才的素質を持つもの〉を使い潰していくことを選択した世界なんだと思います。槌宮が死んだ、じゃあほかのエースを見つかるまで探そう。シェルグリルズが壊れた、じゃあ設定上は増やせないはずの戦闘機だけど開発できる天才を探そう。こんな感じでこの世界の大本営はいつまでも天才におんぶにだっこでやっていくのでしょう。愛馬の代わりはいないけど、槌宮級ならまだまだいそうだし、これから愛馬級の天才が生まれてくるかもしれないし。未来がある限り金を握って競馬場にいるのと同じです。なんとかなる。

 完全に蛇足な話だったかもしれません。それでもオレはこの話をどーしても書きたかった。わざわざ自分で作った「ボカした結末」を蹴ってまで、答えを書こうと思った。長くやってるけど、こんなふうに自分を突き動かされる経験って、もうほとんど無い。だから、いつが最後になるかわかんないけど、「結構イイんじゃん?」と思えるものをなんとか書いて、評価はわかんないし怖いけど、よかったと思います。

 ちゃんと『天敵』を読んでくれた方、ありがとうございます。
 みんながちょっと楽しかったかな、ぐらいにでも思ってくれれば、それ以上の喜びはオレにはありません。









 ・・・いま読み直したんだけど、やっぱり可哀想かなァ、なんて思ったりもするんですが、やっぱりこれしかない、と思うんだよね。


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