「もしかして、屑っぽい人ですか?」
女の声が聞こえた。
屑っぽい人?屑という言葉は私に当てはまる。
私は顔を上げてみた。
女子高生だろうか?女が私を覗き込んでいた。
「今、私に声をかけたのか?」
「そうです。屑っぽい人ですよね?」
「私の中では、たしかに屑という言葉は当てはまる。何か?」
「あの~。何のために生きてますか?」
突然、普通の会話に出てきそうにないことを聞くこの女は何者だろうか?
「君は誰?」
「質問を質問で返さないでくださいよ。何のために?人生の意味は?生きてて楽しいですか?」
質問が増えてるし。私のような人間にそんなことを聞く目的はなんだろう?
私をバカにしているのか?
「そういうことは、大学とかにいって哲学を勉強してる人に聞けばいいと思うが……」
「屑っぽい人に答えてほしいんですけど?」
こういう奴には関わらないほうがいいんだが……
「意味なし。生きる意味なし。では、さようなら」
私は去ろうとするが、もの凄い力で引き止められる。
「ちょっと、待ってください。もっと詳しく、他の質問もまだありますから」
「だから、君はなんなの?」
「しょうがないですね。あの、私、屑の生態を調査してまして、屑っぽい人にこうやって話を聞いてます」
「……そういうことを平気で言う君が屑だろうが。自分のことでも調査してろよ」
「それもそうですね。そうします」
end