オーボカ装置は甲皇国空軍の飛行船に搭載されている夜間爆撃用航法装置である。
夜間に爆撃を行えば、闇夜に紛れて防空体制をすり抜けられる可能性が高くなる。だが、迎撃を受けにくい一方、爆撃側も空から地形を見る事が出来ず、星や月から現在位置を求める天測航法などでは大まかな位置しかわからないため、目標となる町を発見できずに爆撃が完全に外れることが多かった。
そこで開発されたのがこのオーボカ装置である。この装置は夜間でも正確に出撃した基地までの経路を記憶し、そこから現在地を逆算して爆撃目標となる町の上空まで飛行することが出来た。
その中心となるのは培養液に浮かぶ人口的に複製・強化された甲皇国固有のハトの一種の脳であり、その帰巣本能を利用していると言われている。魔導細胞研究者(当時)のオーボカ・ター(第八登録所)の名を冠しているが、実際の開発者はゲコ博士(第三登録所)ともグリップ博士(第六登録所)ともされる。ハトは鳥目(とりめ、夜盲)であることから、暗視用にオウルアイ(梟の目)が接続されている。爆撃コース内を飛行すると「ポッ…ポッ…ポッ…」とハトの鳴き声のような音を発し、コースを逸れると「ユーアイ…ユーアイ…」と聞こえる警告音を発する機能も持つ。鳥頭であることから魔法等によりコースを忘れやすく妨害に弱いのが欠点である。