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ニート的日常

~プロローグ~

ニートはその有り余る時間を有効に使うことはない。

時間を無駄に使うからこそニートであり、
ニートであるからこそ時間を無駄に使う。

これは抜け出す事の出来ない輪廻とでも言うのだろうか。



暑い……
夜中に目が覚める。
シャツが汗ばんで気持ち悪い。
もうそんな季節になったんだな、と思う。

私の名前は地井武汚。
22歳、乙女座のニート。
世間で言う所のダメ人間である。

しかしまぁ、そのレッテル張りに間違いは無く。
私は紛うことなきダメ人間であった。


例えば今日にしてみても……

目が覚めたのは夕方、
何をするでもなくネットを徘徊し、
それに飽きて再び床に就く。


もう何ヶ月この生活を続けているだろう。


正直、金銭的にも限界をとうに超えている。
体は鈍っていくばかりで、頭も使わない。
毎日が充実しているかと聞かれたら、
私は否と答えるだろう。


では何故ニートを続けているのか。


ネット徘徊が面白いから?
働くのが嫌だから?
人と関わるのが煩わしいから?

どれも的を射ている気もするし、
どれも外れている気もする。


私は自問して……
自慰をして……
目を閉じた。
1~ニート的生態~

ニートの朝は早い……ときもある。
何故曖昧なのかと言うと、
生活の時間が一定ではないからだ。

ある日は丸一日起きていたかと思えば、
次の日には朝から晩まで寝ていたり。
早寝早起きの日もあれば、
昼夜逆転の日もある。

私はというと……

例にもれず、滅茶苦茶な時間で日々を過ごしていた。



体が重い。
目が覚めて一番最初に思ったことだ。

時計を見るとまだ6時にもなっていない。
もう一度寝ようかとも思ったが、寝付けそうにない。

仕方なく起き上がり……
いや、やっぱ無理。

横になったまま考える。
今日はどうしようか。

そういえば、
証明写真を撮ってこようと思っていたんだ。
でもこんな時間から動くのもなんだな。

うーん……。
でもどうせ早起きしたんだし……!

私は意を決して起き上がり、
おもむろにパソコンの電源を入れた。


そして瞬く間に没頭し、
今朝考えていた事など微塵も思い出す事はなく、
いつもと同じように一日が過ぎていった。
2, 1

  

2~ニート的ヒエラルキー~

ニートとは、
Not in Education, Employment or Trainingの略称らしい。

日本で一般的に使われている意味では、
「若くて無職の奴ら」と言って間違いはないだろう。

更に付け加えるならば、
社会の底辺と言っても過言ではないかも知れない。

だがやはりと言うべきなのか、
ニートの中でも純然たるピラミッド型段階的組織構造、
簡単に言うと格の違いがあるのだ。



妹が暴発した。
暇だから一筆書きで何か描く。
うわぁぁぁぁぁ!!!関西大マンコだぁぁぁぁ!!

今日も掲示板で心躍る文字が舞っている。

私はいくつかのスレッドの見て周り、
ある絵スレで目を留めた。

こんな掲示板群でも、稀に光るものを持った者がいる。

私は特別専攻した技能などはない。
それでも優れた作品というのは、
一目見て伝わってくるものがある。

少しスレを読んでみると、
どうやら作者はニートらしい事が分かった。

「まぁニートだけどwwwっうぇwwwww」

私がいつも書き込んでいる内容と大差ない文だった。

だがしかし……違う。

夢を持ち、
一歩でもそれに向かって進もうとしている彼とでは。
同じニート、同じ文章だとしても。
そこには圧倒的な隔たりがあることを私は知っている。

私には何もない。
夢も、金も、権力も力も技能も。

そして現状を打破しようという気さえもない。

まぁでも下には下がいるだろう。
犯罪者でないだけマシに違いない。

そう、自分に言い聞かせて私は。

私はそっとパソコンの電源を落とし、
オナニーをして寝ることにした。
3~ニート的交友関係~

ニートは得てして引きこもりになりがちである。
引きこもっていた者が、
そのままニートになる例も少なくないであろう。

そもそも、外出しようとも金がない。
金がないのに外出してもすることがない。

自然、交友関係は狭まっていく一方である。



突然だが、私は携帯の電源を入れてみた。
もちろん電池はとうに切れていて付かなかったが。

だが、私は諦めず充電を試みた。

何故いきなり携帯を付けてみようと思ったのか。
それは自分でも分からない。

一月前に返信したメールの返事が気になったのか。
或いは、誰か昔の友人から連絡があると思ったのか。

何はともあれ私は携帯の電源を入れることに成功した。


……受信メール400件。


特に驚くべきことではない。
私の携帯にはいつからか、
頻繁に迷惑メールが届くようになっている。

一月も放っておけばこうなることは予想出来た。

もちろん全てチェックするなんてことはしない。
グループフォルダ毎に勝手に分けられるので、
知り合いからのメールだけチェックすればいい。

しかし、今回はその必要もなかったようだ。
メールは全て未登録のアドレスの様である。

私は迷うことなく全てのメールを一括消去した。

もしかすると知り合いからの、
新アドを登録して欲しい旨のメールもあったかも知れない。

そんな考えも一瞬かすめたが私は躊躇わなかった。


今更会いたい奴も、会える奴もいない。
最も仮に顔を合わせたとしても、
その人物は二度と私と連絡を取ろうとはしないだろう。


メールを消去した時、
今や私はそういう人間なんだなと、
一人感慨に浸った。

そしておもむろにズボンを下ろし、
私は行為に没頭することにした。
4, 3

抹茶味噌汁 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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