ター一族はかつて甲国南部に残る、わずかな森林地帯に住む魔女であった。森の奥で、人々に避妊薬や、逆に懐妊薬とか媚薬類とか、いろんな怪しい薬を売ったり、魔法で未来の予言(かなり適当)をしたり、探し物や浮気調査などをこなして、人々と心が温まったり、でも大半はそんなこと全然ない生活を営んで非リアな日常を過ごしていた。
ちなみにター一族は魔法の影響なのか、女児しか生まれない体質であり、外部から男の供給が必須であった。もちろん、一族は子供と言えるほどの年の若い男を好んだ。
特に年末の祭典の日には、こっそり周辺住民の男子の元に侵入し、勝手に童貞を奪っていくという凄惨なゲームが行われていたと、役所の記録に残っている(そのゲームに童貞男子の住所が示された「童貞マップ」なるものも存在したらしい。マップには童貞少年の趣味・嗜好、生活様式、家庭の推定所得などの基礎データと、そこからはじき出した攻略難易度まで詳細に書かれていたという)。しかし、住民も激怒したものの、森を燃やそうなどとは思わなかった。やはり祭典の日には避妊薬が欠かせない。非リアの俺にはそれがなぜなのか全く理解できないが、世間ではそうなっているから仕方がない。そういう薬をわずかな食料など日用品で譲ってくれるター一族は、住民にとってありがたい存在でもあった。男子に少々のトラウマがプレゼントされる程度なら、笑いごとで済んだ(本人は済まないだろうけど)。
そうやって、ター一族と周辺住民の持ちつ持たれつの関係は長らく続いた。
ところが、甲国の工業化の波はこの魔女の森にも押し寄せてきた。森から追い出されるター一族、だが、そのときに森の所有権を主張して、交渉でウマく駆け引きし、魔法を駆使して強引に居座った結果、何とかそれなりの立退料を貰うことに成功する。そのときのター一族代表だったオーボカは、その立退料を使って魔科学に投資、自らその研究を始めることにした。
オーボカが着目したのは、魔法による遺伝子操作の技術である。この基本概念をさらに推し進めて、万能魔導細胞「STOP」の研究を始める。
この研究は発表当初から徐々に甲国軍部の注目を集め、最後には国家プロジェクトにまでなった。この細胞を使えば、いくらでも生物をつくり変えることができるし、人間に応用すれば欠損した部位を復元することに加え、強化兵、クローン兵士の製造まで可能ならしめるものとして注目された。また、高齢な皇帝クノッヘンは、若いクローンを生み出して、その中に魂を移せばいいのではないか、という考えが名案に思えた。それが無理でも、新鮮な臓器を生み出して移植すればもっと寿命を延ばせるのではないか、と考えていた。
そういった様々な思惑から研究が本格的にスタート、オーボカはその研究のトップ研究者となる。
日々急ピッチで進められるSTOP細胞の研究、忙しく研究に励むオーボカ……
ある日、甲国中を揺るがすニュースが走った。ついに万能魔導細胞STOPが発見された!
甲国上層部は沸き立った。「こんなに早く?!」 「よくやった!」 「抱いて!」
他にも色んな声援が贈られた。オーボカは森を出てからこんなに称賛を受けたことがなかったので、ついつい羽目を外して、ドンドンと色んな研究成果を挙げたと発表、マスコミもこの発表を取り立て、甲国の魔科学の最前線に立つ研究者として、オーボカの名は一躍有名になった。
だが、それは全て捏造だった。万能魔導細胞STOPなど、発見されていなかったのだ。
甲国上層部は、それでもオーボカに最後の証明するチャンスを与えた。実験は何度も繰り返されたが、ついにSTOPは発見されずに終わり、オーボカの研究者としてのキャリアも終わった……
もちろん、甲国上層部を巻き込んだ騒動が、これだけで済むはずもなかった。
研究者としての資格剥奪はもちろん、詐欺罪(ついでに国家反逆罪も追加で)としての立件も視野に裁判になりそうなところまできた。
だが、ここでオーボカの真の実力が発揮された。これには甲国がアルフヘイムへの遠征戦争を行う直前だったということもあった。
まず、もらった立退料のうち、残った額を賄賂としてばら撒き、さらに上層部には専門用語などで煙に巻きつつ、「でもアルフヘイムの本格的な魔法を学べば、きっとSTOPも見つかると思うんですよねぇ……それに精霊樹とかもあるいし、亜人ショタとかにも興味あるシィ……」なんて言っているうちに上層部もいよいよ面倒くさくなってきた。
ただ、こうやって上層部を半ばあきれさせながらも説得できたのは、ただ単にオーボカの話術の巧みさだけだろうか? もしかしたら、この時からオーボカの催眠術の才能が発揮されていたのかもしれない。
そしてカールの「魔法の国に攻め入るのだから、魔法に特化した部隊を作っておくのも悪くないんじゃね?」という、それとない進言もあって、何とか首の皮一枚で起訴は免れた。
これは後の噂であるが、カールがオーボカから賄賂を受け取っていたから、という話があるが、私は信憑性が薄いと感じている。というのも、カールのような何不自由ない上流階級の人間が、オーボカの僅かな立退料の残りで買収されるとは考えにくいからだ。これは後に設立された魔導機甲師団の中にパイプを作りたかった、カールの思惑が大きかったと思われる。というのも、食堂楽など変わった趣味で有名なカールは、魔導機甲師団の下部組織として、学者などを集めた「魔法調査隊」を設立することに成功する。そこでは学術調査として軍に従属して様々な調査が行われるが、そこにオーボカを送り込ませ、その調査で得た珍妙な収穫物を横流ししてもらうという算段だ。証拠はないが、この「魔法調査部隊」設立にあたり、カールは私財を出してすらいる。上記のような思惑があったと考えるのが自然だろう。
このようにして、オーボカは亜人ショタ逆レイプと、ついでにSTOP細胞を発見して名誉回復することを胸に、アルフヘイムへ渡っていくことになる……
・セリフや言動など……超名作『怪人ハンターズ』の『STOP細胞編』を最低2回は読み通すこと。それで大体分かるだろう。
ちなみに、今回のキャラ登録に当たり、大保方を使用することを快諾してくれた阿比留上級大将先生、ありがとう。
あと、使用・改変等も上級大将先生が「オボたんは自由がいいから」ということで自由でいいそうです! みんな、好きに使っていいよ!
・ミシュガルドについて……ミシュガルド企画なのに、ミシュガルドの名前すら出てきてないことに今気づいた。ミシュガルド上陸については、各自の判断に任せたい(無責任)。
・好きな甲国男子……特にオツベルク君が大好き。いつかファンの前で逆レイプしてやろうとか妄想して我慢汁が我慢できないでいる。オツベルクも、最近は話し合いに限界を感じることがあるというが、その原因はこいつかもしれない。
・ちなみに我慢汁って何?……我慢汁とは、最初に『黒兎物語』にその記述がみられる。他にも『ミシュガルド戦記』や『亜骨聖戦記』にもみられる表現である。どうやら『ブラック・ラグ〇ン』における「ケツの穴」と同じような用法で使用されるようだ。
小説で使用されることが多いので、小説からキャラ登録所に登録した。ちなみに我慢汁の所属は、我慢汁を出したキャラの所属と同じである。
仮にFA大戦で勝ちたいときは、我慢汁も描けば一気に倍の得点が稼げるということになるので、勝ちたい人は頑張ってください。
ただし、上記の小説三作の作者を見れば分かると思うが、大抵ゲスい作者であることに留意して欲しい。一線を越える代償が非常に重いものになることは、容易に想像できるだろう。やはり人間、我慢が大事なのだ。
・能力など……上記のとおり、基本的に本能に根差した関係の薬類の製造にメチャクチャ長けている。話術も巧みである。ショタ成分を補給することで、自らの遺伝子の持つ眠った力を呼び覚まし、パワーアップすることが可能。さらに特殊な洗脳術も使用する。これはあまり強力ではないが、特定の状況下ではレイバンなどよりも強力な効果を発揮することもあるという。また、洗脳はキッカケがあれば比較的簡単に解けてしまう。洗脳中も、かつての味方と本気で戦うことを避けようとするなど、不完全な部分は多い。しかし、尋問などで使えるっちゃ使えそう。
詳しくは『怪人ハンターズ』を読もう!