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兄の想い、禁断の愛

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 「ディオゴ・・・っ 貴方もお兄ちゃんね・・・どうか妹を守ってあげて」
モニークのことを託すために、亡くなる2日前に母に頬を撫でられたことをディオゴは未だに忘れられない。母の手はいつもより冷たく、枯れ木の木肌のようにどこか硬みを帯びていた。故に、優しく握られている筈の自分の手には迫りつつある死の冷たさが感じられた。

母の忘れ形見であるモニークを、ディオゴは大切にした。母を失なった哀しみをモニークを愛することで必死に忘れようとするかのように。
だからこそ、モニークを馬鹿にした奴等への怒りは凄まじく、喧嘩沙汰を起こしたディオゴはよく父親から叱られたものだった。
次第にディオゴの胸の中で、モニークに対する愛情が兄妹としてのそれを越えて、変化していくのを彼自身感じていた。今回の結婚式を素直に喜べないのも正直原因はそこにあるのかもしれない。
(・・・どうして俺を愛してくれないんだ)
倫理に反するのは重々承知だ、実の妹なのだ、この想いが許されないことなど分かっている。正直に言って夢や妄想に耽り、妹を何度抱いたか覚えていない。妹の情事を思い起こし、寮のトイレに隠れ、何度自分の左手の中に精液をぶちまけ、果てたか数え切れない。ぶちまけた精液が煮立ったシチューのようにボタボタと落ちていくのを見て、ふと我に返り、妺への劣情に苛まれたことだろうか。妹の結婚の知らせを聞きつけたあの日、義弟となるダニィがモニークを抱くのを想像してひたすら自慰行為をした。ショックで猿になるとはこのことだろうか、唇を噛み締めながら金玉が痛くなる程、果てて果てて果てまくった。

語り尽くせず、ひたすら堂々巡りを繰り返す底無しの劣情を必死に抑えながら、ディオゴはダニィとモニークが囗づけを交わすのを見つめていた。
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