【雑誌名】週刊少年VIP
【作品名】電波ジャッカー
【作者名】bookman
【作品URL】http://doshigatai.web.fc2.com/
【アンチが多い作品は悔しいが面白い】
本作は3回読み直している。
最初は普通に更新に合わせて読んでいたが、去年「電波ジャッカーBLUE」の感想を書く必要があったので本編も読み直しておこうと思って。
それから何だかしゃくだったので更新が来ても読んでなかったが、今回また最初から最新更新分まで読み直した。
うん、やっぱり面白い。何度読み返しても新しい発見があるぐらいに面白い。
ところで最近、編集部の削除規制スレでもコメント欄で暴れてる読者がいるというのでお騒がせだったが、ぶくまん先生にはアンチも結構いるようだ。
作品=作者のすべてではないにせよ、作品にぶくまん先生の人間性が結構出ているためだろうか?
アンチならスルーすればいいだけなのにできない。
アンチも引き付けられるほどの面白さということだ。
ちぇっ、嫉妬しちゃうねぇ。
……というぐらい、アンチがわくのは「おいしい」ことである。注目度とかコメント数的にはね。
自作自演とまではいわんが炎上商法じゃないだろうな!?
でもまぁ、そんなことする必要ないほど面白いのだが。
あー悔しいなー!
【伏線なのか後付けなのか】
序盤特にそうなのだが、勢いとノリで描いてるんじゃないかと思わせる内容だった。
教育番組のうたのおねえさんを目指す春子に、ちょっかいをかけてくる怪獣、謎の外国人、怪しげなおっさん。
まさかそんな小規模で失笑するようなゆる~いノリの話が、地球の命運を賭けた壮大なSFの前ふりというか伏線だったとは思いもよらず……っていやいや絶対後付けだろ?ていうか本当に伏線?どっちか分からん。
よくワンピースが伏線の回収が凄いとか言われる一方でいやいや後付けだろ!って突っ込まれるのと同じ感覚。
でも終わりよければすべてよしというか、通して見たらまとまっていてかつ面白ければ別に後付けだろうが良いんじゃないかと思う。
急に覇気とか出てきてもいいじゃん、漫画として面白ければさ。
本作も誰がラスボスなのか読めない展開が続いていたが、通して見たらけっこう納得できてしまう。
【「みんな」の意見にNOを言う】
通して読むと分かるが、「みんな」とか「誰か」の意見に左右されるな。
既成概念やプロパガンダやステレオタイプに捕らわれるな、流されるな、固執するな、本質を見ろ。
そういったぶくまん先生の思想が見えてくる。
ゆる~いノリのギャグをところどころ散りばめながらでないと語れないのは、ぶくまん先生なりの照れ隠しのような気がする。
1部の岡田先生、3部の北条先生がと~~~っても嫌なキャラをしていた。
彼らがぎゃふんとさせられたところはだから痛快。
教育番組を作ろう!と意気込む史郎や、うたのおねえさんになりたいと言う春子だが、割と本気で彼らの作る教育番組を見てみたくなる。
まぁどうせ駄目人間な彼らのことだし番組的にはぐだぐだで見ていられないんだろうけど、意外と教育の本質を鋭くついた内容かもしれない。
というかそもそも本作自体が「教育的」だなと感じる。
電波ジャッカー自体、教育テレビの実写ドラマで見たい漫画だ。
NHKでアニメ化してもいいんじゃないかと思う。
いじめや自殺問題を扱っている1・3部とか特に。
【見やすい絵・迫力あり】
1部は何だか気が抜けたような絵が続いていたのだが、ギャグ漫画としては増田こうすけ的な感じで味があって良いんじゃないかと思われた。
ところがバトルシーン…2部のアイボリー共和国でのエンリケの戦い、3部で見られたチョマ子や藤村君らの戦いなど。急激に画力が上がる。
とても迫力があって見ごたえがあった。あれ?普通にかっこいい…。
いや、実は元からこれぐらい描けて、本気を出しただけなのでは?
などと絵的な演出すら疑って見てしまう。
本作もラスボスが二転三転してきているので、結末もまったく予想がつかない。
個人的には、当初言っていたように、春子がうたのおねえさんになった教育番組を強制的に全世界の電波をジャックして流すというのをやってほしいところだ。
うーむ、ちょっと褒めすぎかな…?
まぁ名作だからしょうがない!
日和ってるわけじゃないぞ、断じて。