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あとがき

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 ここは某神奈川県にある喫茶店の一室
 そこに頭に「無敵星人」と書かれた紙袋を被った男が一人と、九人の魔法少女、そして達也がいた。 一つのテーブルをいくつか合わせて作り上げた大きな机に、いすを並べて乱雑に座っている。
 男は注文しておいたコーヒーを上機嫌そうにガブガブ飲んでいる。
 が、それとは対照的に九人の魔法少女と達也は何とも言えない顔つきで最初に出された水を眺めている。
 男は残ったコーヒーを一気に飲み干すと、大声で言った。

 「では、魔法少女アリス、無事完結しました!! イェーイ!!!」
 「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
 「あれ? テンション低くない? 皆」
 「……テンション上がるかと思っているのか? お前」
 「え? アリス何言ってるの? 作者が新都社で初めて連載して完結させた作品ですよ。 テンションも上がりますがな」
 「ところで、ここにいる九人の魔法少女と達也は被害者なんですけど」
 「ま、それはいいとして」
 「…………」
 「ここではキャラクターの裏話と制作秘話を話そうと思います。 といっても場所に限りがあるので」
 「しなくていい」
 「では一番手、最初の魔法少女、青木蓮華さん、どうぞ!!」
 「え? 私?」

 ―――――――――――――〈青木蓮華〉―――――――――――――――――

 「えーと、お久しぶりです。 私は青木蓮華です。 十五歳の中学三年生です」
 「はいそうなんです。 作中にもあったように彼女はアリスの一つ上という設定です」
 「で、私のなんの話をするんだ?」
 「まずは名前の由来です」
 「おぉ、楽しみだな」
 「名字の青木は作者が小学生の頃、仲の悪かった奴の名字。 名前は「のんのんびより」のれんちょんから名前をいただいています」
 「は?」
 「あー、ちなみに基本的に魔法少女たちの名前はどっかから引用してきています。 悪しからず」
 「ちょ、まっ」
 「そんな彼女の裏話、いっくよー!!」
 「……期待できねぇ」
 「実は彼女、アリスの話を書く直前に完成させたプロットで初登場したキャラクターだったりします」
 「え?」
 「ほかの少女と違い、ギリギリで生まれたキャラクターなので、設定も結構適当だったり…… この理由はまた別のところで詳しく説明します」
 「…………ふざけんなよ!!」
 「あ、やべ、殺される」
 「これでも喰らえ!!」
 「じゃ、次に行こうかー」
 「ちょっまて!! 逃げるな!!」
 「次は青葉照さんです。 どうぞー」


 ――――――――――――――〈青葉照〉――――――――――――――――――――

 「さて、マザコン野郎の番です」
 「お久しぶりです。 私の名前は青葉照。 十三歳の中学校二年生です」
 「自己紹介も終わったところで、彼女の裏話を始めましょう」
 「……期待しないでおくわ。 とりあえず銃口はずっと向けておいて、と」
 「さて、その物騒なものを収めて。 あなたの名前の由来から話しましょう」
 「……頼むわ」
 「えーとですね。 彼女の名前の由来ですが、青葉は「NEW GAME」の青葉ちゃんからです。 名前の照は「三者三葉」の腹黒野郎からですね」
 「……どっちも最近のアニメですね。 ありがとうございます」
 「ではでは裏話。 実は彼女は最初の魔法少女の設定でした」
 「あ、そうなの?」
 「でもね、初戦闘から能力コピーできないとかふざけてるでしょ? だから照の代わりに急いで作ったキャラが蓮華なのです」
 「あー……彼女……そこで泣いてるよ」
 「ま、そんなことはどうでもいいです。 後、蓮華の属性のことですが、実は依存ともう一つ、悪用の属性も持っています」
 「へー」
 「だから能力も実質二つなの。 アリスを除くと唯一の二つの能力持ちだったりします」
 「……ちょっとうれしい」
 「ま、ここまでにしておいて、次の魔法少女に行きましょう」
 「行ってらっしゃーい」

 ―――――――――――――――〈関遥香〉―――――――――――――――――

 「よう、ブラコン」
 「……カナタはいい子なんだよ」
 「うるさい、早く自己紹介」
 「関遥香、十三歳」
 「つまらないなー、えーと、彼女の名前の由来ですが名字は「となりの関君」から、名前は昔からやってみたかった「姉弟の名前を遥香と彼方にする」を使ってみました」
 「……いい名前だね」
 「ありがとう。 では、彼女の裏話を」
 「お願い」
 「実は彼女、戦闘時に想像妊娠をしています」
 「…………え?」
 「最後に腹を抱えて底を守ろうとした意味は、おなかに子供がいるという妄想に支配されていたからでした。 ちなみにこれは堕胎後から少しずつ彼女を蝕んでいた妄想だったりします。 あぁ、後設定上では薙刀を固有武器として顕現できる設定でしたが、作中では使わずじまいでしたね」
 「カナタはいるよ」
 「うるせぇ妄想癖」
 「死ね」
 「うぉ!! ヒィッツカラルドの物まねはやめろ!!」
 「死ね、死ね」
 「あかん、これはあかん奴や、次に行こう、次に」

 
――――――――――――――――〈佐倉由香〉―――――――――――――――――

 「ふぅ、危なかった」
 「大丈夫ですか?」
 「お、次は由香の番ね。 自己紹介、早く」
 「え、えーと……さ、佐倉由香です。 中学一年生です……よろしくお願いします」
 「彼女の名前の由来は「まどか☆マギカ」の佐倉杏子の名字を借りて、由香の方は作者が別のところで描いていた小説のメインヒロインの名前です」
 「あ……そうなんですか……」
 「で、彼女の裏話ですが」
 「…………緊張する」
 「実は特になかったりします」
 「え?」
 「いや、本当に全く持って思い入れのないキャラクターです。 と、言うことで次―」
 「ちょっ……まっ
 「聞く耳持ちませーん」

 ―――――――――――――〈城崎朱音〉――――――――――――――――

 「ようこそ、噛ませ犬」
 「うるさい!! 殺すぞ!!」
 「だって、事実じゃん」
 「あんたが戦闘シーンほとんど消したんでしょ!!!」
 「ま、そうなんだけど」
 「うっざー」
 「ほれ、自己紹介せぇ」
 「…………城崎朱音」
 「名前の由来ね、城崎は「鉄のラインバレル」のヒロインから、あの漫画最終回どうにかならなかったんですかねー。 朱音は何が由来だったか忘れました、でも好きなんですよ。朱音って響き」
 「あ、そ」
 「で、裏話ね。 さっきこいつが言った通り戦闘シーンをばっさり削ったことぐらいですかね。 終わり」
 「はぁ!?」
 「じゃ、時間も押していることだし次、次―」
 「まて!! こら!! 殺す!! ぜってぇー殺す!!」

 ―――――――――――――――――〈宝樹真理〉―――――――――――――――

 「よぅ、ゴキブリ」
 「誰がゴキブリですって!?」
 「うるさいなー、俺が嫌いなキャラクターベスト1なんだ。 魔法少女になれただけありがたく思え」
 「もー!! 私のこと馬鹿にして!! どうなるかわかってるの!?」
 「あー、その話なんだけど、裏話で『ワンダーランド・インパクト』の後にお前の家は没落するから」
 「え!?」
 「自業自得だよ、この馬鹿野郎!!」
 「うるさい!! 早く名前の由来を言って!!」
 「はいはい、えーと宝樹はもともとアリスの名字にするつもりで、没にしたのをこっちに持ってきました。 由来は宝島をもとに適当に決めました。 名前はもともと瑠璃だったのを、綺麗な名前が嫌だから真理しました」
 「…………」
 「おやおや、絶句してどうしたのさ?」
 「もう……やだ」
 「あ、そう。 じゃ、次に行くね」

 ――――――――――――〈九条暗〉―――――――――――――――――――――

 「よっ!! 引きこもり」
 「…………」
 「陰気くせぇな。 早く自己紹介」
 「……九条……暗……」
 「ちなみに名前の読み方は「くらら」です」
 「……それ、言おうと思ったのに……」
 「遅い。 早くしろ」
 「無理です」
 「否定早いのにね」
 「…………私の名前の由来は?」
 「あー、忘れてた。 名字は「庶民サンプル」の九条さんから。 名前は自分の好きな某新都社の某作品の好きなキャラから引用しました。 最近作品消されて悲しい」
 「そんなことはいい」
 「あ、そう? じゃ、裏設定に」
 「……お願い」
 「実は頭が足りていない代わりに絵がうまい設定があったりします。 部屋に転がっていたノートは絵を描いていたということを示唆しています」
 「あ、そ」
 「興味なさそうだねー」
 「…………うん、無い」
 「じゃあ次行ってくるね」
 「うん、さよなら」
 「さよならー」

 ―――――――――――――〈渚美幸〉――――――――――――――――――――

 「ではスパラグモス最後の魔法少女にお話を伺いましょう」
 「あ、私?」
 「そう、一番のおしゃべりっ子の君ですよ」
 「どうも、渚美幸です。 十二歳です、よろしくお願いします」
 「名前の由来ね、渚は「新世紀エヴァンゲリオン」の渚カヲル君から。 名前は幸せの文字を入れた一番響きのいい名前を選びました」
 「あれ? 普通」
 「うん、普通。 アリスと対照的なキャラに描きたかったしね」
 「そうなんだ」
 「で、他にはね裏話というほどたいそうな話はないんだよね」
 「そうなんだ……ちょっと残念」
 「あえて言うなら、アリスとは対照的に家族を殺すことに成功しているんだよね。 そこまで対照的に作った、それ以上深く考えていない」
 「……ちょっと寂しいな」
 「ちなみに「生きたい」と言っているのに強力な魔法少女の理由は、そもそも病気で死にかけていて魔力が凝縮されていたからです。 これもまた、アリスとは対照的な、唯一のパターンの魔法少女となっています」
 「へ―そうなんだ」
 「ま、いいでしょ」
 「ま、いいね」
 「じゃあ次行ってくるね」
 「うん、行ってらっしゃい」

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 ―――――――――――――〈瀬戸達也〉―――――――――――――――

 「ウッス達也、ウッスウッス」
 「ウッス」
 「元気してた?」
 「……後半あんまり出番なかったような気がするんだけど」
 「ま、しょうがない。 出番削ったせいで頑張りがあまり評価されなくなっちゃったんだよね」
 「あ、そうなのね」
 「名前の由来は瀬戸内海からとって瀬戸、達也の方はどうして名付けたか覚えてない。 裕也だったか、信也だったかの名前の打ち間違いで、気に入ったからそのままの名前にしたような気がする」
 「……悲しいな」
 「裏話ですけど、初期設定では教師として潜入するはずでした。 そっちの方が自然だし、あまり恋愛要素を入れたくなかったので、しかし、第五プロットで決定した時、天才少年ということにしてアリスに近い年にしました」
 「あ、そうだったんだ」
 「結果オーライということで、作者的には気に入ってるキャラです」
 「ならよかったな」
 「ま、今後どうなるかは…………」
 「ちょい待ち、何その間は?」
 「次は最後のアリスです。 ではさようなら」

 ―――――――――――〈赤城アリス〉―――――――――――――――――

 「じゃあ、最後のキャラクターです」
 「……帰る」
 「自己紹介、どうぞ」
 「…………赤城アリス」
 「名前の由来はほとんどありません。 本当は妹のマリアの方が先に名前が決まりました、というか初期プロットの主人公名がマリアだったので。 で、名前を何にするか困った挙句弟に聞きました。 「マリア」と、すると「アリス」と返ってきました。 しりとりだと思われたらしいです」
 「それが私の名前の由来?」
 「うん」
 「裏設定は?」
 「ほとんど全部作中で話した」
 「…………」
 「一応主人公ということで、作者が一番好きなキャラクターです」
 「そう」
 「というかアリスの考えは作者の考えが多く反映されたりしています」
 「そう」
 「…………」
 「…………」
 「一番いじりがいが無くってつまらんから終わる」
 「……そう」

 ―――――――――――〈どんべえは関西派〉―――――――――――――――――

 という訳で無駄話は終わります。 作者のPNの由来はそのまんまです、どんべえは関西しか認めません。 関東のはダメです許しません。 何となくふざけたPNにしようと思って決めました。
 ちなみに関東在住なので、めったにどんべえは食べません

 では、ここではこの作品のなれそめでも
 この作品はプロットを五つも作り、改良して完成しました。
 始めのプロットは、実はロボットものでした。 ある日、主人公が手に入れたのは「クライシス」という名の巨大ロボットで、謎の敵「スパラグモス」と戦いを始める――という物です。 まぁ、エヴァです。
 ここでクライシスやスパラグモスの設定は完成しました。
 その後、「あんま面白くない」ということで封印しました。
 そのしばらく後に魔法少女ものを書こうと思ってプロットを立てました。


 それはある日のこと、悪の魔法少女となったアリスとその妹であり、善の魔法少女となったマリアは熾烈な戦いを繰り広げる――という物でした。 その時、アリスの配下の魔法少女が十二人。 今の八人の魔法少女の原型です。
 それも、没にしました。 その後に考えた第三プロットは、アリスが主人公の第一部とマリア主人公の第二部に分けた。 二部編成の物語でした。 それも結局没
 そこで、自分は行き詰ってしまいました。
 どうにかならないかなー、と考えてながら部屋の掃除をしていました。 すると一冊のノートを発見しました。 そこには前述したロボット物の設定が載っていました、暇なのでぺらぺらとめくっていくと、閃きました。
 これ、組み合わせたら面白くなりそうじゃね?
 結果、誕生したのが第四プロット
 ほとんど今の話と変わりありません。 少女の数が七人であることと、アリスの話で完結することを除くと全く同じです。 
 最後に第四プロットの細かいところを直したのが今作「魔法少女アリス The Killing」でございます。 

 さて、つかぬ事をお聞きしますが楽しんでいただけたでしょうか?
 ちょっとでも楽しんでいただけたり、暇つぶし程度にはなったと言ってくださると非常にありがたいです。

 個人的にはびっくりするぐらいうまくいったと思っています。
 コメントもたくさんいただいてしまい、もう、身に余る光栄です。
 更新ペースも目標としていた週四~五更新を達成することができたと思います。 多すぎるかな、と思いましたが個人的には更新ペースを早くして自分を追い込む作業がうまくいったと思っています。

 アリスも無事完結させることができ、作者もホッと胸を撫で下ろしています。 しかし、そんな時間もあまり長くは続きません。
 「魔法少女アリス The Killing」は作者が「魔法少女シリーズ」と名付けたシリーズものの第一作です。 このシリーズは三部作+完結編で完結する予定です。

 第二章ではアリスではあまり書くことのできなかったこと、没になった魔法少女の能力、そして新たなる敵を描いていきたいと思っています。 世界観はアリスの物を引き継いでこそいますが、別作品として見てもらっても構いません。 というか別作品として見てください、お願いします。
 あと、アリス以外に考えていた全く関係のない魔法少女物の設定を取り入れており、アリスよりもファンタジー色が強く、より一層普通の魔法少女物に近づけております。
 アリスではほとんど自殺願望者、もしくは生きる望みの薄いものばかりでしたが、次回作では逆にほとんどの人が生きるために戦っていきます。

 題名は「魔法少女アリヤ The Fallen」です。
 第一章のアリスと第三章を繋ぐ繋ぎ回です。

 次回予告も一緒に更新します。

 予定では約一週間後にプロローグを投稿します

 では、その時まで
 さようなら。
 またお会いしましょう。


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