タイトル候補:
1 『好き』は違えど
2 やさしい鈴木さん
3 君が好きなら
*
型落ちしたノートパソコンの画面には、僕がペンタブで描いた絵が映し出されていた。
月面のクレーターを参考にして描いた今回の絵は、いつになく極彩色でぐちゃぐちゃに書き殴られていた。
本当はかわいい女の子のキャラを描く予定に買ったペンタブも、今ではこの通り、ストレス発散目的に絵を書き殴るために使用することが主になってしまっている。
高校生になって一年が経ってからようやくわかってきたことなのだけど、高校生活は意外にストレスが溜まるのだ。だから絵でも書き殴ってストレスを発散しないと、身が持たなくなるような気がするのだ。
今日描いていた絵に満足して、ストレスを無事発散できた僕は、ノートパソコンの電源を消して、布団を被って重い瞼に身を委ねる。瞬く間に襲ってきた睡魔が僕を深い眠りへといざなった。
**
僕のように運動も勉強もぱっとせず、顔もそこまでいいわけじゃないコミュ障気味の冴えない男子高校生が、学校生活を充実させるために取るべき方向性は二つに一つ。
一つ目はスクールカーストの下位層に位置する自分の立場を甘んじて受け入れ、時にはスクールカーストの上位層に対して物わかりのいい道化を演じることによって、自らのスクールカーストにおける地位を向上させていくという方向性。
二つ目は自分と同じくスクールカーストの下位層に位置している、いわゆるオタクという属性を持っている人達と仲良くして、彼らと共にそれなりに楽しい青春時代を過ごすという方向性だ。
だけど、冴えない僕はこの二つの方向性の内、二つともに迎合することができなかった。つまり、道化を演じてリア充達に取り入ることも、オタクに迎合することも、そのどちらもできなかったのである。
なぜか? 単純に嫌だったからである。
二つの選択肢があって、そのどちらも嫌だとなるとどうなるか。
それは、それなりに充実した学生生活をあきらめるということに他ならない。
だけども、それらの二つがどうしても選びたくない選択肢であったのなら、致し方ない部分もあるのかなとも思う。
冴えない僕は二つの選択肢の内の二つともを捨てて、ロックンロールを聞くことを選んだ。ロックンロールを聞くということは、僕の頭の中では世俗に迎合しないということそのものを意味していた。
ロックンロールは、もはや巷ではかっこいい人間が奏でる音楽だと認識されがちであるが、むしろ僕はそんなことは全くないと思う。
むしろダサい奴や、社会に適応できないような人間こそが、ロックンロールの純然たるリスナーであって然るべきだと思うのだ。
社会に適応できない純然たるリスナーが、社会に対するささやかな抵抗と抗議の意味を込めてロックンロールを信奉するのだ。そういう確信が僕の心の奥底にはある。
だから僕はロックンロールを聞く。僕が描いている絵と同じように、きっとクラスメイトの奴らはロックンロールというものを理解してくれないだろうと思う。だけど、僕はロックンロールを聞くし、世間には理解されないような月面のクレーターの絵を描く。もちろん、ささやかな抵抗と抗議の意味を込めて。
***
「何この曲、変なの」
僕が薦めた曲を、僕のipodに接続されているイヤホンを通して鈴木さんが聞いている。
鈴木さんは僕が片思いをしている女子で、一分でいいから話していたいと思っていた女子で、席替えでたまたま僕の後ろの席が鈴木さんになったので、消しゴムを落としたから拾って欲しいだとかそういう本当に他愛もないくだらないやりとりを続けていたら、知らぬ間に話し込んでしまっていた。
鈴木さんと話すのはこれで二回目で、そして実に三か月ぶりの出来事だった。
鈴木さんと話すという本当に夢にまで見たシチュエーションがそこにはあった。胸の高鳴りと内に秘める微かな下心を悟られないように、なるべく平常心を意識しながら僕は鈴木さんと言葉を交わしていく。
木曜日の放課後。
下校時刻を告げるチャイムが校内に鳴り響いてからもう三十分ほどが経つ。
誰もいない教室の片隅で、僕と鈴木さんは痩せた子猫の落書きだらけの吉田の机を挟んで、いくつか言葉を交わしていた。
窓の外はすっかり夕闇色に染まり、三十分ほど前はひっきりなしに聞こえていた吹奏楽部の管楽器の音も、とうの昔に鳴り止んでいた。
校舎の隅から聞こえる男女のひそひそ話も、もうこの時間になると聞こえない。教室の外は薄暗くて、窓の外に目をやるとほかの教室の灯りがまた一つ、また一つと消えていくのがわかる。
灯りがぽつりぽつりと消えていく様子が、まるで僕と鈴木さんだけがこの世界に取り残されているかのようだった。たくさんの灯りが消えていって、瞬く間に僕と鈴木さんのいる教室以外の全ての教室の灯りが消されてしまっていた。
誰もいない教室には、僕と鈴木さんの声だけが鳴り響いている。
鈴木さんとは、今日は音楽の話をしていた。その流れから、僕の好きな曲は、という話題になった。なので僕は鈴木さんにお気に入りの曲を薦めることにした。
僕が鈴木さんに薦めた曲は、筋肉少女帯というロックバンドの『イワンのばか』という曲だった。
『イワンのばか』は僕が筋肉少女帯にハマるきっかけとなった曲で、同時に僕が初めて聞いた筋肉少女帯の曲でもある。もちろん、この曲は僕の大のお気に入りでもある。
何千回、いや何万回も聞いた『イワンのばか』を、いくら大好きな鈴木さんにとはいえ変な曲だと揶揄されるのは、辛抱たまらない。だから僕はそれに対してできる限りの反論をする。……もちろん、相手は大好きな鈴木さんだ、鈴木さんの機嫌を損ねないことが最優先だ。機嫌を損ねないように反論したい、だけどそのためのできるだけ当たり差し障りのない言葉が一向に思い浮かばなかった。
言葉に詰まった僕は、思わずすっかり日が暮れた窓の外に映し出されている真っ黒な景色に目を向けてしまっていた。
窓の外に、何か当たり差し障りのない言葉が書かれているはずなんてないのに。
そんな僕をみかねたのか、鈴木さんはものすごく申し訳なさそうな顔で僕に話しかける。
「……中島くん、どうかしたの? すっごく考え込んでるみたいだけど」
鈴木さんの肩まで伸びた黒い髪が、廊下の方から吹いてきた撫でるようなそよ風に揺られて、一瞬の間だけなびていた。
「……へっ?! そ、そうかな。いやいやいやいや、そ、そんなことないって思うんだけど」
「そう。ならよかった。いやー私さ、音楽ってよくわかんなくって。普段あんまり音楽も聞かないし」
「そ、そうなんだ。へぇ」
「……こういう音楽って、何系っていうの? 」
「何系って……いや、なんていうか、こういうのが多分ロックンロールってやつだよ」
「へぇこういうのがロックンロールっていうんだ。へぇ。初めて聞いた。ふーん、こういうのがロックンロールっていうんだね」
「うん。まあ、音楽を奏でている当人達がロックンロールだと思えば、どんな曲でもどんなバンドでもロックンロールだと思うんだけどね」
「へぇそうなんだ。ロックンロールって、案外曖昧なんだね」
「うん」
そう、そうなのだ。音を紡いでいる当人達がロックンロールと思えばそれはどんなにちっぽけな曲であっても、それこそギターの音が入っていなくてもそれはロックンロールなのだ。というか、そもそもそんなロックンロールな生き様そのもののことをロックンロールと呼ぶのだ。
だからJポップのあんな美男美女だらけでぺらぺらで主張の弱い人達が奏でるギターの音だけが立派な音楽のことをロックンロールと呼ぶんじゃないんだぜ。……もちろんあいつらもロックなことはロックだけど。
そして、ましてやかっこいい人間だけが奏でられる特権を持っている音楽をロックンロールと呼ぶんじゃないんだぜ。神様の気まぐれによってこの世界に生まれ落ちたロックンロールという音楽を奏でる権利は、誰しもに平等に与えられていて、だから僕だってロックンロールを奏でる権利はあるんだぜ。まあ、もっぱら僕はエレキギターを持っていなければ、そもそもロックンロールを奏でるだけの勇気も持っちゃいないんだけどね。
……という風に熱を入れて語ってしまいそうになったのをぐっとこらえて、僕は鈴木さんとの会話のキャッチボールに集中した。
「僕はこういうロックな曲が好きなんだけど、鈴木さんはどうかな」
会話をキャッチボールで例えるなら、この僕のセリフはさながらスローボールだ。
「うーん……難しいね。まあ、普通かな」
「ふ、普通……うん」
普通、か。まあ、そりゃそうだろなぁという思いが頭の片隅にあったことも事実だった。
だって、世の中に不満がないような人間はロックンロールを好むはずがないのだから。
だから鈴木さんのように健やかに育ってきた女子が、ロックンロールを好むはずなんてないのだ。最初からわかりきっていたことだ。だけど、いざ面と向かって言われると、なかなかに辛いものがある。
普通……、普通かぁ……と。
僕はロックンロールを最高にかっこいい音楽だと思っているけれど、そんなロックンロールも鈴木さんからしてみれば巷にありふれている有象無象の曲と同じで「普通」なのかなぁと考えてしまう。
「でも……」
そう言いながら、鈴木さんは耳にかかる髪をかきあげる。
「……こういう音楽も、たまにはいいかも……なんて」
「!」
僕はその場で小躍りしてしまった。
僕の大好きな鈴木さんが、少しだけロックンロールというものを受け容れてくれている。
クラスの奴らと違って、鈴木さんはロックンロールというものを少しだけ受け容れてくれている。これは何たる喜ばしいことか、そして嬉しいことか。
「そ、そうなんだ。ろ、ロックンロールも良いよね! そう思わない?」
「うん。ロックンロール、だっけ……? 良いと思うよ。わりと好きかも」
やったー、とその場で小躍りしそうになった反面、どうして鈴木さんがこんなに他人の音楽の趣味に寛容なのか聞いてみたい気分にもなった。僕だったら、興味のない音楽のジャンルの曲――例えばレゲエの意味がよくわからないタイトルの曲を聞かされたら、例え曲を薦めてきたのが鈴木さんでも、僕は嫌な顔をするだろう。ましてやお世辞なんて言えない。
「鈴木さんは、ロックって嫌いじゃないの?」
「えっ」
鈴木さんが一瞬その場で凝り固まる。
「えっ……べ、別に嫌いじゃないけどさ。なんでそんなこと聞くの」
「いや……その……鈴木さんみたいな女の子が、ロックンロールなんてひねくれた音楽が好きだなんて思わなかったし」
「……別に好きとは言ってないよ。たまにはいいかも、って言っただけ。たまにはいいかも」
「あっ……」
「うん」
僕は言葉に詰まる。そうか。きっとそうか。さっきの言動も所詮はお世辞で、本心ではロックンロールをこれっぽっちもいいと思っていないのかもしれない。
そう思うと少しだけがっかりする。そうか。鈴木さんもクラスの有象無象の奴らと同じで、ロックンロールのことを所詮エレキギターの音がうるさい騒音としか思っていないのだ。
……すごくすごく、ひどくひどくショックだ。
「……す、鈴木さんってさ、ロックみたいなエレキギターがうるさい曲って……嫌い?」
「うーん、どちらかというと嫌いかな。優しいピアノの音が鳴り響いている曲の方が好きかなって」
「あっ……。そ、そうなんだ。あ、あはは……」
「うん」
僕は俯いて、思わず鈴木さんから目をそらしてしまう。
俯く僕の顔をのぞき込むような視線を感じる。顔を上げてみる。鈴木さんが僕の顔をのぞき込んでいた。
「あっ……、なんかごめんね。別に中島くんの音楽の趣味を否定しようと思ったわけじゃないの」
「えぇ……」
思わず喉の奥から変な声が出る。えぇ……という声。
「私はロックっていう音楽はあんまり好きじゃないかも。……ところで中島くん、クラシックって好き?」
「うーん……嫌いじゃないけど、そんなに好きでもないかなぁ」
「……だよね。うん」
「うん。クラシックみたいにあんなにきっちりした音楽ってあんまり好きじゃなくって……あっ、でもこれって別に鈴木さんのことが嫌いなわけじゃないくって……って、あっ」
今のやりとりで、僕はそれなりに理解した。
鈴木さんはロックがどちらかといえば嫌いで、クラシックが好き。僕はクラシックがどちらかといえば嫌いで、ロックが好き。だけど僕はクラシックはどちらかといえば嫌いでも、鈴木さんのことは好き。
好きなものが違っているからといって、好きな人間を嫌いになるわけでもない。
好きなものが違っていても、きっとわかり合える、鈴木さんは僕にそう言いたかったのかもしれない。
「ね。そういうことなんだよ。中島くん」
鈴木さんの黒髪の頭頂部が艶立っていて、天使のような輪っかを作っている。その天使の輪っかの上に、「寛容」という二文字が浮かんでは消えるような気がした。鈴木さん、本当はすごく寛容な人なのかもしれない。
「ところで中島くん」
「う、うん」
「中島くんって、私のこと好きなんでしょう?」
「……!」
鈴木さんの思わぬ一言で、体が火照って耳の先まで赤くなって熱を帯びていくのがわかる。
「い、いや、いやいやぼ、僕は別に鈴木さんのことを別に好きとかそそそそそんなじゃないし」
思わず多弁になってしまう。
「あはは。中島くんって、やっぱり面白いね」
そう言ってはにかむ鈴木さん。鈴木さん、僕はそのはにかむ笑顔が大好きなんだ、と言ってみたら、あまりにベタすぎると笑われるかもしれない。笑われて、からかわれる。だけど僕をからかった時にみせる笑顔は、きっと素敵だ。だから僕は、鈴木さんの笑顔が見たくて、今日は恥ずかしいセリフを言ってみることにした。
「……鈴木さんの……その……はにかむ笑顔は大好きだよ。鈴木さんの笑顔は素敵だなって、いつも思ってるよ」
「な、中島くん……?!」
鈴木さんが思わずこちらの方を向く。鈴木さんの顔は真っ赤で、耳の先まで真っ赤っかだ。僕と同じだ。
「……あ、ありがとう。中島くん」
「ど、どうしたしまして」
僕と鈴木さんは、お互いに目をそらす。
机を隔てて、互いに違う方向に目を向ける。鈴木さんは教室の窓の方を見て、僕は廊下側の窓ガラスを見る。
だけど、数分も経たない内にすぐにお互いがお互いの方を見ることになってしまう。なぜか? 教室の窓の方も、廊下側の窓ガラスも、特段見るべきものがないからだ。何の変哲もなく、変化もない外の景色に耐え切れず、僕は鈴木さんの方を見る。鈴木さんも僕の方を見る。
だけど、それでもいてもたってもいられない。何というか、なんとなく気まずいのだ。だから僕も目をそらすし、鈴木さんも目をそらす。
白い蛍光灯でぼんやりと照らされた教室を、静寂が支配する。聞こえるのは時計の秒針が時を刻む音だけ。この静寂に何だか耐えられなくなって思わず何か声を発しそうになってしまうけれど、先にしびれを切らしたのは鈴木さんの方だった。
「……も、もうそろそろ遅いし、帰ろっか」
こわばった声色で鈴木さんが声を発する。僕はそれを聞いて、何も声を発さずにこくりとうなづいた。
気まずさは先送りにして、今日のところは二人とも家に帰ることにした。
一緒に教室を出て、廊下を渡って、下駄箱で上履きに履き替えて校門を出る。校門で鈴木さんを見送るまで、僕と鈴木さんは互いに一言も声を発さなかった。
「……じゃあまたあした」
鈴木さんは目をそらしながら、ささやくようにそう小さく呟いた。それに気付いた僕が返事をしようと思った瞬間に、鈴木さんは足早に校門から立ち去ろうとする。僕はそれを少しだけ静止させようと思って、鈴木さんに返事を返す。
「うん。またあした、学校で」
僕の声を聞いたのか聞いていないのかわからないくらいのスピードで、鈴木さんが暗闇へと消えていく。僕はそんな鈴木さんに向かってやんわりと手を振る。またあした、また学校で、と。
さよならではなくて、またあしたと言われたことが嬉しかった。
その嬉しさをぼんやりと胸の内に抱きながら、僕は暗がりの中を自転車で駆けて家路を目指す。
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家に帰った僕は、夕食を食べ終え、入浴を済ませた後、自室で思い悩んでいた。
仰向けになりながら、天井のしみを数えていた。
今日鈴木さんと交わした言葉の数々が、頭の中で何度も何度も反響していた。
鈴木さんの発した言葉であまりに頭の中がいっぱいになってしまって耐え切れなくなったので、僕は耳を塞ぎながらノートパソコンの画面を見て、気を落ち着かせることにした。
型落ちしたノートパソコンの画面には、僕がペンタブで描いた絵が映し出されていた。
月面のクレーターを参考にして描いた絵は、いつになく極彩色でぐちゃぐちゃに書き殴られている。
その絵を少し呆けながら見つめながら、僕は鈴木さんが今日話していたことを思い出していた。
「ね。そういうことなんだよ。中島くん」
そう言って、鈴木さんは僕に好きなものが違っている者同士でも、実は意外にわかり合えることもあるのだということを何となく諭してくれた。
好きなものが違っていても、実は意外にわかり合える、か。そう言われてみると、そうなのかもしれない。
クラスのみんなに対しては、ロックンロールを嫌っているのかもしれないと思い込んでいたけれど実はそうでもないのかもしれないし、例え彼らがロックンロールを忌み嫌っていたとしても、実は僕と彼らは仲良くできるのかもしれない。それに、僕はスクールカーストの下位層に甘んじていなければならないと思い込んでいたけれど、本当はそうでもないのかもしれない。というか、本当はスクールカーストなんて幻想で、スクールカーストが上の人だろうが下の人だろうが、仲良くできる人はもっともっとこの学校にたくさんいるのかもしれない。
それに一方的に忌み嫌っていたのは、もしかしたら僕の方かもしれない。僕はクラスの奴らの一体何を知っているのだろう。
僕はもしかしたら、何も知らないのかもしれない。そんな色々な考えが、僕の頭の中に浮かんでは消えていった。
一見無造作のように書きなぐられた極彩色にも、そのそれぞれにきっと意味はあるのだろう。だけど僕は意味を言葉に換えて人に説明することはできなくて。だからすごく困る。なのでこのもやもやした言葉にできない想いを、絵にしてぶつけることしかできないのだろうと思う。
「うん。またあした、学校で」
鈴木さんと最後に交わした言葉を、もう一度頭の中で繰り返してみる。
またあした。なんて良い響きなんだろう。
またあした。その言葉をそっと胸に抱きながら、僕はノートパソコンの電源を落として、布団の中に足を忍ばせ、人知れず眠りに就いた。