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ミシュガルド聖典把握記5

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カーリマーターは疑われる神である、
その存在自体がヴィジョンでしかないため、
あらゆるものに豊穣と恵みを与える事を、
うたがわれる神である。
だがしかし疑いなき眼はみつけるであろう、
かの地を、夢のフロンティアを。


「ふぅーざっぱーん」
ルルカはミシュガルド周辺の海で生まれた、
シャチ系の亜人である。
人間との取引でいろいろと、
陸に上がることも多いが、
「皆、夢の話をしてるよ」
また夢のフロンティアの話だ、
海を生息域とするルルカにとっては、
関係の無い話であるに、
「まあ、こっちに餌が来るなら、
 わるくもないかな、
 ざっぱーん」
海に飛び込むと、
魚を探して泳ぎ始めた。


「またその仕事かよ」
ウォルト・ガーターヴェルトは、
甲皇国の元兵士であり、現在は傭兵。
今は開拓者たちを開拓地まで、
無事に送り届ける仕事が何件も、
舞い込んで飽きが来ているところだ。
「まあ、悪くないかな、
 しばらくは仕事に困りそうにもないし、
 夢さまさまってところかな」
夢のフロンティアを現実的なところに、
落ちつける開拓者が増えてきているのだ。
よって、仕事も安定している。
「俺としてはもうすこし儲けが欲しいんだが」


「夢の話ですか? 参りましたね」
ロンド・ロンドは甲皇国からミシュガルドへ、
赴き、教育の力で争いが無くなればと、
願う教師である。
「学校を奥地に作るというので、
 誘われてはいるのですが、
 ええ、他にも引く手あまたで」
開拓が本格的になってくると、
当然、子供たちを一人で遊ばせておくのも、
大変なので、学校に通わせようという、
親御が増えているのだ。
「悪い話じゃないんですがね、
 でも、教育者は数える限りで、
 新任がはやく務まるといいのですが」
先生になってくれという、
相談が相次ぐほど慕われているが、
(このことで甲皇国が動かなければ
 いいんですけどね)


「農地拡大、今やフローリアのカカシ達よ」
ジィータ・リブロースはアルフヘイムの姫騎士、
「鍬は持ったな? 働いてみせよ、始め」
そういう号令とともに、カカシは早々と、
ミシュガルドの大地の開墾を始めた。
「悪くない腕ではないか、
 これがSHWの技術というものか
 しかし」
SHWは人間の国、
どこでこれほど巧妙な魔術を得て、
働くカカシを作り上げたのか?
「機械と違って魔法との相性もいい、
 祝福魔法で軽く強化したらば、
 倍は働くようになるな」
とにもかくにも、今は、
ミシュガルドの大地を耕して、
失われたアルフヘイム復興の夢をそして、
「フロンティアとやらまで、
 開拓地が広がるといいな」


モニーク・J・コルレオーネの墓には、
花が手向けられていた。
彼女の墓を知るものは少なく、
親しい人もミシュガルドに移っていった、
というのに、
彼女の墓は花が欠かさず、
備えられていた。


「うっへい、笹はうめえねえ」
笹暮 星子 はアルフヘイムの動物園で、
はたらいていたが、さすがに
パンダの真似がばれてきたなと思ったので、
ミシュガルド動物園に越してきたのだ。
「でも、あっちの笹もうめえのかねえ」
夢のフロンティアにも笹があると噂され、
もしたどり着いた暁には、
あちらの動物園にもパンダを寄贈したい、
との願いから、
笹暮 星子の人工授精の話が舞い込んだ、
「・・・・・・」
さすがの星子もこれには参った
「笹くってる場合じゃねえ!」
明晩、動物園から抜け出す、
笹暮 星子の姿があったのだった。


「また、マンボウだぁああ!」
イーノ・チチル・ハカナックは、
優秀な召喚士であったが、
今や、マンボウしか出せないでいる。
このことからアルフヘイムから、
派遣されたものの一部には、
こういった異変があるということで、
イーノ・チチル・ハカナックもまた、
調査対象とされている。
「え、わたしがですか?」
このマンボウ現象が解明された暁には、
ミシュガルドに流れる魔素の流れが、
明らかになるということであり、
アルフヘイムの魔法技術がそのまま、
ミシュガルドで通用する可能性が、
高まるからである。
「でも大変ですよね、そういう検査って、
 わたし、ちょっと外に出てきます」
イーノはそういって、
帰ってくることは無かった。


「兄貴はまた強敵の元へいってしまった」
アーリナズはため息をついていた。
出身地アルフヘイムのこの竜人の娘は、
かの有名なレドフィンの妹、
「エルフとともに大地を耕すことのほうが、
 ここでは大事とされているというのに」
ミシュガルド調査に訪れたのも、
アルフヘイム復興に役に立つものを、
探索しにきてのことである。
「あの夢のせいだろうか?
 兄貴は弱者とは群れたがらない故にな」
といっても今は戦時中ではない、
つわものなどは居ようはずもないのだ。
「まったくこまった兄貴だ」


ヒュームスは夢のフロンティア現象以降、
より濃くなって現れるようになった。
一部、魔法の専門家によると、
神の大規模干渉によって魔素の流れが乱れ、
一時的に魔物が強くなっているのではと、
推測され、騒がれているが、
ヒュームスはそんなことお構いなしに、
幽霊のように漂うのみである。


ミシュガルドアリはかさかさと音をたてると、
「ふぅ」
自らの性欲を満たしたが、
「ひまだなあ、あの夢の続きはないし」
古代ミシュガルドの頃から働き続けている、
ミシュガルドアリは新たな主人を求めていた。
このところ競合する他種に、
駆逐され、数を大きく減らしている故に、
「このアリのステッキさえあれば、
 あとは魔法使いどのがきてくれさえすれば、
 いくらでも仲間を増やせるのにな」
今のところミシュガルドアリと、
接触している冒険者はいないようであり、
また、このステッキを持っている個体は、
更に奥地に居るので、よけいに難しい、
「はあぁぁぁ、
 はやく人間さんに護ってほしいよ」


「モブナルドったら、前線にいっちゃったのね」
モブナルドくんの婚約者こと、
ガヤ・ラ・エキストは救命救急士、
「まったくもう、助けに行ってあげないんだから」
モブナルドの冒険譚が、
あとは、どのようになるのか、先が思いやられる。


「ふふふ、さらに追加で融資いたします
 期待していますよ」
スーパーハローワーク関連企業社長、
デスク・ワークはスーパーハローワーク大社長の、
親族である。
調査団への融資依頼がこのところ増えてきており、
一層、ミシュガルド開拓が進むとのことあって、
ジャフ・マラーを先に越して、
開拓民を励まそうと躍起である。
「ですが、回収できそうにないところも、
 あるようですね」
もちろん、すべての開拓民が、儲けられる、
訳ではないので、貧富の差はますます、
広がりそうである。
「これを期に
 更なる開拓が進めば有難いのですが、ね」


「甲皇国万歳!」
ドカーン!砲が轟いた!
サンリ・レッテルンは、
甲皇国ミシュガルド派遣軍砲兵団士官、
今回は、盛大な開拓民出陣の事もあって、
開拓用地に人々を送り出す、
祝福の砲声を轟かす役回りが、
まわってきたのだ。
「甲皇国万歳!」
このところ新たに開拓できる土地が、
ミシュガルドで発見が相次いでいる。
夢の話もさることながらただ、
手をこまねいている場合でも無いので、
更なる発展の為に盛大に送り出すのだ。
「甲皇国万歳!」


ヒュームス・ハンドはその数を増やして、
冒険者を制止するように、
襲っていた。
「手の化け物が今ひやって」
「よせや、俺には見えないんだぜ!」
ミエールミエールの魔法を唱えると、
辺り一面をヒュームス・ハンドが、
手でまさぐっている様子を目の当たりにした、
「ひえっ!」
冒険者はフロンティアの開拓を諦めて、
四散して逃げていった。


甲皇国の機械兵『逸江』に、
イツエ・フォスレイザの記憶がよみがえる。
イツエ・フォスレイザは、
アルフヘイムはペンシルズのメンバー、
クルトガの同期であり、
戦場ではクルトガ・パイロットとペアを組んでいた。
が、今や彼女は囚われの身。
「わたし、どうして、こんな?
 くっ記憶が!?」
戦場の記憶、戦友とたたかった記憶、
一体なんなのだこれは!?
「目覚めただと!?夢の影響か!
 意識遮断、ブロックしろ」
再び投薬され、
イツエ・フォスレイザは機械の体の中に、
深い深い、眠りについた。


「先に進むわよ」
フラン・ケンシュタイン、
甲皇国に所属する甲皇国軍兵士の彼女は、
竜人族の襲撃によって死んだはずだった、
が父のケンシュタイン博士は諦めず、
彼女の死体を復活させた、不完全な状態で、
「お父様のためよ、
 夢のフロンティアを開拓しなければ」
生前の記憶は無い、新しいフランを、
認めて貰うためにも、彼女は武器を、
片手に、ミシュガルド開拓者の先陣をきって、
突き進んでいく。


「新しい仕事ですか?洗濯婦の?
 ついてきてほしいですって?」
エーコ・ロージは、
犬型獣人の娘、11人兄弟の長女で、
病弱な父母に替わり故郷に仕送りを、
するため、ミシュガルドに出稼ぎに、
やってきたわけであるが。
「わかりました、引き受けましょう」
いまや夢のフロンティア開拓に、
躍起になっているのはSHWだけではない、
アルフヘイムもいち早く、探しもとめ、
はじめているのだ。
「どんな仕事でもこなしますとも!」
彼女の逞しさはどこからきたものか、
冒険がはじまった。


「甲皇国の魔女なのだ、マゾ・・・じゃない」
ケイト・シバリンは、甲皇国辺境の地で、
細々と暮らしていた、彼女はこういうが、
実際のところマゾである。
「マゾじゃない!」
好き好んで、ミシュガルドに冒険にいこう、
というところが、ほぼすべての冒険者に、
あてはまるところだが、相当マゾなのだ。
「マゾじゃないのだ」
またまた言葉攻めにされることによって、
マゾポイントを溜めようと必死の抵抗を、
見せているわけだが。
「おこるよ!?」
夢のフロンティア開発に至っては、
彼女のマゾポイントを高めるためにも、
あらたな属性を開発してもらいたいと、
カーリマーターは想うのだ。
「迷惑な神様なのだ!」


トル猫はニャアとなくと、
人にすり寄ったが。
「おっさんの顔が寄ってくる、まてや」
猫の体におっさんの顔というのは、
人に好かれるにあたって、問題があった、
それでも生きてこれた理由は、
「生き別れた旦那に似てるんだよね」
こうやって餌をくれる人が居るからである。
もっとも野生ではもっと暴れているのだが。


「うーん、まよったなあ」
フィロメナ・ヒルファーディングは、
精霊国家アルフヘイム出身の女性、
長い髪をリボンでまとめて垂らしている。
目下仕事探し中。
「前線、いってみようかなあ」
今や開拓前線は拡大を続けており、
開拓民はより奥地にある安全地帯を、
発見しては、そこを農地や宿舎に、
変えていっている。
それだけミシュガルドの自然は広大であり、
辺境に足を踏み入れなければ、
危険も薄いとのことだったのだ。
「悪く無い仕事のはずだよね、うん」
面倒事は苦手だが、
生き抜くためだと、仕事を受けた。


「セキーネは無事なのだな」
ピアース三世は部下がうなずくのを見ると、
「まさかお家再興のためとは、
 思わないが、あのセキーネが、
 ミシュガルド入りとはな
 よくやってるといいのだが」
そしてマリーの様子も耳にした。
「そうか、よくやってくれた、
 あとは良く休んでおいてくれ」
戦時中とはかけ離れた、
穏やかさのピアース三世は、
静かに寝所に戻ると、
「夢のフロンティアかミシュガルドは」
甥っ子のセキーネと、姪っ子のマリーの
健闘を祈るのであった。


エルフ族のラギルゥー族は既に滅亡した、
家ではあるが、その名家であったことから、
墓には花が手向けられていた。
アルフヘイム貴族達の中でも資産を多く、
持っていた一族の為、未だに慕われているのだ。
長男スグウ、次男マタウ、三男ソクウ、
三名の墓は横並びで建てられていた。
ただ、その名を伝える事だけをしながら。


ミハイル4世の墓もまたあった、
エンジェルエルフ族族長であった彼女は、
皇帝と名乗っている時期もあったものの、
いまは墓に眠る。
手向けられた花束はアルフヘイムの大地のもの。
せめて安らかに。


「骨だらけの国から緑豊かなミシュガルドへ」
甲皇国乙家外交官、兼アイドルの、
オツベルグ・レイズナーはミシュガルドが、
豊かな土地であることを喜んだ。
「これで平和は約束されたようなもの、
 より一層両国関係が発展しますように」
合同調査報告所に勤務する彼は、
はやく夢のフロンティアの報告が来ないか、
今か今かと待ちわびているのだった。


「らーオドロオオオ♪」
ミュー・C・モチハダンはウミウシの亜人、
良く踊っている、酒場や街の中、
どこでも好きに踊っている故に、
「みんな~ぼくの踊りみていって」
今やフロンティアのことで、
客足も増えた酒場ならばより一層の賑わいで、
出会いも増えたというもの。
「一緒におどろー♪」
元気を振りまきながら、ミューは踊り続けている。


「この調査なら悪くは無いだろう」
片腕のナファは、
甲皇国の乙家の貴族で軍事機関所属、
乙家からミシュガルド調査として派遣された。
「ただ各国がしのぎを削る、
 夢のフロンティアともなれば、
 争いは避けられんかもしれんな」
戦時中、最前線で戦ってたこともある彼は、
思案していたが、
「考えていてもしかたない、 
 その調査、私も参加させてもらうぞ」


「開拓、進んできたようだね」
スーパーハローワーク商業連合国の大社長、
ヤー・ウィリーは腕を組みながら答えた。
「ミシュガルドは未開の蛮地とされたが、
 いまやどうだい?皆眼の色変えて、
 開拓を進め始めてる」
人の変わりようを長年見つめてきた、
ヤー・ウィリーは時節の変わり目を、
感じ始めている。
「ミシュガルドを一大穀倉地帯に、
 これは変わらないことだよ」


「ここは、どこだ?」
クラウス・サンティは死んだはずであった、
しかし今は緑の平原に居た。
「天国?ではなさそうだが」
まさか地獄、なんにせよ、
クラウス・サンティは生きていた。
「仲間は? いないのか」
一人だけ取り残されているのか、
ここに立っていることが不思議に思えた。
「!?」
そこにはマンボウとウンチダスの死骸が、
あった。
「食えるのか、これは・・・・・・」
クラウス・サンティは初めての大地に、
戸惑っていた。


ミーシャ・クルスの墓に花が手向けられた、
生前、火あぶりで処刑された彼女は、
その酷いしうちから、悲哀に駆られた、
周辺住民から慕われ、
その墓に花を欠かすことは無かった。


「ミシュガルドもだいぶ発展してきたのぉ」
ダート・スタンは話始めると。
「おぬしもミシュガルドを復興したいのじゃろ?」
ええ、それは確かでしょう、
「我らもアルフヘイム復興の手がかりを探しておる」
見つかるといいですね、
「その鍵の在処について知らんかのう?」
あいにく、限られた場所の神ですので、
「そうか、ワシがもう少し若ければのう」
「なに話してんだダート・スタンのじっちゃんは?」
「もうろくしてるんだよ、きっと」
神と対話すれば、そんなことを言われるのは、
仕方のない話である。


「あれえ、ここミシュガルドってのか?」
キララ・キッカははるか東の彼方の小国に、
生まれた鬼人の少女、
「鬼が島」を目指したつもりが、
ミシュガルドにたどり着いた。
「まあ、酒が呑めるなら悪くないやな」
酒豪っぷりを披露した。
「細かいことはあとからついてくるさ」
かくして、キララ・キッカの、
ミシュガルド来訪記が始まった。


「いまのは!?」
メゼツの夢だった、
大剣を振り回し戦場を駆ける、
甲皇国突撃部隊長メゼツの夢。
「くっ」
苦しむと再び眠りにつく、
あの草原の夢が一番落ち着く。
「すぅ」
この男何者なのだろうか?
そしてメゼツなのだろうか?


「みな情報を吸収したがっているねよしよし」
パガンダ・プロは新聞の売れ行きが良いことに、
満足していた。
世界中に支社を持つ新聞社クラーケン、
の社長であるパガンダ・プロ。
「ニュースは大事さ、フロンティアニュース」
今や記事の一コーナーを埋めている。
夢のフロンティアの話題は、
いつしか一番人気になっていたゆえに。
「ミシュガルドの記事はよく売れるね」
満足気な八本足のパガンダ・プロだった。


ヤタレッタ族は虐殺された。


うんこの精霊は霊気を発すると、
大いなる森の精霊に負けない勢いで、
異臭を放ったが、
これが夢の関与かは定かではない。


謎な生物は緑の平原で寝ていた、
「おっ、エルフの兄ちゃん!
 オレ、謎な生物、よろしくな!」
ウンチダスとマンボウの死体の前で佇む、
クラウス・サンティに気さくに話しかけた。
「兄ちゃん、元気してるかい!?」
「これは、一体どういうことなんだ?」
「深く考えてもしようがないってことさ!」
謎な生物はこの平原と親和性が高く、
きままにやっていけると信じてやまない。


ローペリアはぬるぬるしていたが、
やがて男を探して巣穴から這い出ると、
その豊満な体を見せつけながら移動した。
かのローペリアも夢を見たかは知れない。


暗黒時代を乗り越えて、
ミシュガルドに数多くの生命が、
呼び寄せられた、
カーリマーターは、
ただ、彼らを見守るばかりである。


ミシュガルド聖典キャラクター第五登録所

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