Prologue

むかしのおはなし。


アルフヘイムという国に、とても優秀な魔術師のエルフがいました。
魔術師としてだけではなく、その誠実な人柄でみんなから尊敬されていました。

でもそんなある日、魔術師は海難事故で遭難してしまいます。
魔術師は海に投げ出されてしまいましたが、幸運にも、とある島へと流れ着きました。

「おや、砂浜になにかあるぞ」
その島に住んでいた人職人人のソーチェは、砂浜に倒れていた魔術師を家へと連れ帰り、介抱してあげました。

すっかり元気になった魔術師は、お礼にと、いろいろな魔法をソーチェに見せてあげました。
それにたいそう気をよくしたソーチェは「お前なら教えてもいい」と、みずからの『死者を生前の状態で作り出せる技術』を魔術師に教えてあげました。

その技術にとても感動した魔術師は「これを魔法にできれば、事故や戦争で死んでしまった人たちや家族を悲しみから救うことができる！」と思い、一生懸命学びました。
そして、その技術を魔法として扱えるようにしました。
魔術師はその魔法を『コーリング』と名づけ、アルフヘイムへと帰っていきました。

無事にアルフヘイムへと帰った魔術師は、さっそくコーリングを他の魔術師に教えてあげました。
しかし、その魔法は難しすぎて、他の魔術師には扱えませんでした。

やがて、その魔法を聞いた偉い人たちやお金持ちの人たちが、なんとかその魔法を自分のものにしようと、あの手この手で魔術師を仲間にしようとしました。
他の魔術師たちも、魔法を作った手柄を自分のものにしようとして、魔術師にたくさんのひどいことをしました。
その魔法をめぐり、たくさんの人たちが傷つき、中には命を落とした者もいました。

「自分のせいで、皆が傷ついている・・・」
魔術師は心を痛め、コーリングの魔法、そして流れ着いた島の秘密と共に、アルフヘイムから姿を消してしまいました。
同時に、魔術師以外に扱える者のいなかったコーリングは、時間と共に伝承へと形を変え、やがて忘れられていきました。



そして現在。
人々はさまざまな想いを抱き、新たに発見されたミシュガルド大陸へと旅立っていきました。










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