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最終話です

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知らない街だけど、今住んでる街と何となく似てる場所。
そこでは真っ白な悪霊が、お花畑や畑を荒らして悪さをしてた。

「むむむ、暴れてたらお腹が空いたな。あの店の食べ物でもとって、食べてしまおう」

これは夢なのだろうか。
…でも眠い。拙者は夢の中で、また寝てしまうのだろうか。

「あ、真っ黒な俺。お前が綺麗な所で真っ白になったから元に戻ったよ、ありがとう」

悪霊が拙者の方を向き、そう言うと拙者の目を閉じた。

次に目が覚めると拙者は知らない饂飩屋の前に居て、体を千切って投げていた。
千切った塊は何となく爆弾に似ていて、煙が出ている。
…何でこんな事をしているのだろう。

「饂飩屋ばかり狙う悪霊、ついに見つけたでゲスよ!悪さは止めるでゲス!」

この声はウドン西川さんだ。
何とか拙者を止めてもらわなきゃ、このままじゃ饂飩屋が煙まみれになってしまう。

「うどんで汚れたら、また真っ黒になるから止める事は出来ない」
「…どうやら、お伽話と同じ弱点みたいでゲスね。お前の命日は今日でゲス!」
「よく見えないけど、ウドン西川さんでござる?」
「え、西川の事知ってるでゲスか?」

どうやら拙者は悪霊の左目になってしまった様だ。
眼帯のせいで視界は悪いが、何となく状況は理解出来た。
…あれは夢だけど夢じゃなかった。

「こわいでござる、拙者はお伽噺の真っ白な悪霊だったでござる」
「その眼帯とござる口調は確かにこわい…。なんて事を、饂飩屋に嫌がらせは止めるでゲスよ」
「むむむ、真っ黒の奴は勝手に喋るな。饂飩屋を壊すのを邪魔するならお前も煙まみれにしてやる」
「…何の間違いでこんな事に、この西川が絶対にお前を止めてやるでゲス!うどんをくらって、元のこわいに戻るでゲスー!」
「バーカ、お前がくらっとけ」
「あ、あっついでゲスー!!」

ウドン西川さんはいつも持っている丼を悪霊に被せようとしたが、跳ね返され頭からうどんを被ってしまった。
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「こ、こわい…。西川の予言を変えたあの時のように、自分で未来を変えてみせるでゲス」
「に、西川さん…」
「…ごめんでゲス、あふぅん」

西川さんは拙者にそう言うと、倒れてしまった。

ぼろぼろ。
急に目から水が出てきて、拙者はうどんを被った西川さんみたいにビシャビシャのグショグショになった。

「…迷ったり泣いたり、これ以上真っ黒と一緒に居ると俺まで駄目になっちまう」

…これが泣くってやつなのだろうか。
目から出てくる水が止まらず、ずっとワンワンと泣いてると小さな白いキツネが現れ

「真っ黒も俺なのに呆れた、バイバイ」

そう言ってドロンと消え去り、拙者は元に戻っていた。
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