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樋口恭也
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僕は君の美しい髪をなでる。
僕は君の声が嫌いだ。
ひとりぼっちだった僕に話しかけてきた、その優しい声が嫌いだ。
僕は君の目が嫌いだ。
友達の輪の中に誘ってくれたときの、その澄み渡った瞳が嫌いだ。
僕は君の手が嫌いだ。
手をつないで一緒に下校したね。その透き通った白い肌が嫌いだ。
そして今、僕はベッドに横たわる君の美しい髪をなでる。
君の美しい髪が、ごそっ、と抜けた。
白い肌も澄んだ目も失った物言わぬ君が大好きだ。
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