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学校の先生

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俺が小学校に入学したとき
日本で一番生徒が多い学校だったんだ。

その最初の先生がおかしかったんだよ。
なぜかおれのクラスだけ養護学級?の先生がきて、
(俺は養護学級ではない)
ほとんど授業じゃない、みたいな状態が二年間続いたんだ。

あまりにも子供が多すぎて急遽プレハブの校舎をつくって、
臨時の先生をいれまくってどうにかしてる状態だったんだろうな。
そういう時期だった。

その初めての担任のO先生は面白かったな。
鹿児島の離島の出身で、朝きたら焼酎の匂いする、
午前中は確実にシラフじゃなかったな。

O先生は優しかったな、「一度しか言いません」とかいって
五回も六回も言うの。
でも全員話聞いてない。
でも先生のことが嫌いな生徒は一人もいなくて、
みんな授業無視して先生にしたい質問をするの。
今日の晩飯は?とか、なんでそもそも学校にいかなくちゃいけないの?
とか。
O先生も馬鹿なのは、いちいち全部真剣に返答しちゃうんだよな。
「なんで授業をうけなきゃいけないの」は三時間くらいぶっつづけで
俺らと討論してたもん。
たぶんシラフじゃなかったんだろうな。

それで飽きたら、みんなでなかいいやつらで外いっちゃうの。
先生もとめない。
お金もってくるやつもいたし、お菓子たべたり
鬼ごっこしたりしてた。
二時間とか三時間とかして給食たべて終わり。
「帰りの会」のまえに帰る。
なんのために学校にきたのかわからない。
それでいえ帰っても友達と遊ぶんだから、一日10時間遊びっぱなし。

学期の途中で小林ってやつが転入してきたんだけど、
「すげえ、学校ってこういう場所なんだ」ってすげて感動してんのよ。
小林が毎日一番遊んでたな。
あとで聞いたのが、三年生になって小一の算数もわかんなくて、
小学校のあいだほぼ全部勉強意味不明になって、
小林中学の勉強まじでやばかったらしい。


でもO先生はこどものこと本当に愛してたんだと思う。
運動とくいな子はそれをほめるし、
勉強とくいな子はコンピューターだとか天才だとか誉めまくるし、
なにも得意じゃなくても粘土とか絵とかとにかく誉めまくる。

それですげー怒ってても(怖くない)絶対こどものこと嫌わない。
どんなときでも話しかけると絶対真剣に返事してくれたもん。
頭はすげえ悪いんだけど、悪いなりに子供目線?で真剣だったな。
友達が「頭の悪いアンパンマン」とか比喩してたけどそのまんまだったな。

クレームつきまくって奄美大島?に転勤になっちゃったんだけど、
毎年みんな年賀状かいて返事きてたな。
俺も小学校卒業するまで必ず毎年年賀状かいてたよ。
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