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「ルパン三世主題歌Ⅰ」チャーリー・コーセイ

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動画はこちら(一番最初)
https://www.youtube.com/watch?v=w9sh-kTTaNM&t=116s

ライブ版
https://www.youtube.com/watch?v=5pIs-CROcqw



 TVアニメ五十周年記念ということで、ルパン三世の企画がいろいろ行われている。アンケート企画がどうのというテレビスペシャルで、第一期第一話を初めて観た瞬間から、OP曲に惚れて、リピートで聴いていたら、子どもたちにも浸透した。
 ミニカーでルパンごっこ(「ルパンセンサー!」)しながらダバダバ歌う健三郎(昨日四歳になりました)。
https://twitter.com/dorobe560/status/1457437136638992385?t=IcaIuDzGhc3weaDtC9W0bQ&s=19

 私が子どもの頃再放送で観ていたのは第三期あたりだろうか。その頃聴いたチャーリー・コーセイの歌声は、五十歳くらいの大ベテランシンガーのものだと思っていた。今回ルパン三世のことをいろいろ調べていたら、第一期OPを歌った頃のチャーリー・コーセイは二十一歳。ちなみに歌手デビューは十八歳。
 近年のライブ映像を上に貼っておいたが、最初からこのイメージの人だった。

 You Tubeのアニメ公式チャンネルでも過去のルパン三世のテーマ別傑作選が公開されていて、家族で観ている。時々家族で観るのに向いていない回もある気がする。各期ごちゃまぜなので、「この頃の五右衛門の顔嫌い」などとココは言う。
 ココは基本五右衛門が好きだから、そういうことも言うのだ。私も昔はまず五右衛門が好きになり、五右衛門が斬鉄剣役にしか見えなくなってからは次元、次いでルパン。今は銭形についていろいろ考えを巡らせているうちに、子どもの相手の隙間時間を銭形調べに費やしてしまった。

 作中内で銭形がするようなことは、ICPOの管轄ではない。現職の刑事が子供向けに執筆した本の中で断言してたから本当に違いない。そもそも銭形警部とは何なのだ、というところまで私の思考は沈んでいく。

 どうしてルパンを捕まえられないのにクビにならないのか?
 →実際は何度も捕まえているが、ルパンがすぐに脱獄する。

 他の人では代わりにならないのか?
 →実際変えてみた例は全て失敗している。そもそも常人が立ち向かえる相手ではない。捕まえても逃げるのだからそもそも捕らえる意味がない? しかしそれでは世間体が悪い。永遠のいたちごっこになるのが確定していても、誰かがルパンを追わなければならない。
 →銭形以外に誰もやれない

 そもそも銭形は存在するのか?
 →ルパンの盗みの動機の多くに峰不二子の思惑が絡んでいる。
 →不二子が絡まなければ、ルパンはスキを見せない。
 →銭形でも太刀打ち出来ない。
 →銭形の存在意義がゼロになる。

 不二子は「ルパン三世」という物語を続けるキーである。
 →不二子がルパンに盗みのきっかけを作らせる。
 →不二子がルパンの成果を横取りする。

 銭形はルパンと不二子の息子であるともいえる。
 →物語の構造上、ルパンの行動は不二子によってきっかけを与えられている。
 →ルパンの行動により、銭形の対応が決定される。
 →ルパンが黙々と盗みを働く、捕捉者を即座に殺害する、といった人物であれば、銭形は存在しない(もしくはすぐに抹消される)。

 極論を言えば次元と五右衛門がいなくても「ルパン三世」は成立する。しかしルパン、不二子、銭形の三者がいなければ、「ルパン三世」は成立しない。
 ルパンと銭形はグルである、という陰謀論を組み込んだ話も放映されたことがある。しかし銭形の潔白は証明され、ルパンを追い続けている。
 
 私たちは存在している。
 それは何故か。
 親が私たちを生んだからである。
 経緯はどうあれ父と母がコンプライアンスした結果である。
 銭形はどうか。
 銭形の両親がコンプライアンスした結果生まれたのか?
 否、ルパンに不二子が物語作成を促し、その結果生み出されたのだ。
 そのようにしても人は生まれるのだ。
 少し戻って書き直す。
 私たちは存在しているのか?
 誰かによる物語上の都合により登場した人物に過ぎないのではないか?
 
 健三郎は四歳になった。
 一人でも遊べる時間が長くなった。
 組み上げられたレゴブロックをバラし、再構築しようとして失敗してもがいている。
 以前ならもがく前にすぐに私を呼んだ。
 今はある程度自力でどうにかしようとしてから、私を呼ぶ。
 健三郎は私と妻がコンプライアンスしたから存在している。
 しかし、自力でレゴを元の形に直せなかったその瞬間に、私という存在が生み出された、その可能性はいつだってゼロではない。
 ルパンが犯行予告を出す直前まで、銭形は存在しない、という、「ルパンゼニガーの猫の法則」というやつだ。
 猫は関係ない。

 つまりはこう言いたいのだ。
 生まれた時には「一ヶ月もつのか?」という勢いで心配していたのに、今やダバダバ歌いながらパパのお腹をペチペチと叩く四歳児になった健三郎に「誕生日おめでとう(これを書いているうちに昨日のことになってしまった)」と。

 あと、パパにもう少し優しくして、と。

(了)
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