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「I Fought the Law」THE CLASH

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動画はこちら
https://youtu.be/AL8chWFuM-s

今回取り上げた本
「拝啓パンクスノットデッドさま」石川宏千花

https://www.amazon.co.jp/%E6%8B%9D%E5%95%93%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89%E3%81%95%E3%81%BE-%E3%81%8F%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%AE%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%96%87%E5%AD%A6-%E7%9F%B3%E5%B7%9D-%E5%AE%8F%E5%8D%83%E8%8A%B1/dp/4774330795


和訳・解説はこちら
https://lyriclist.mrshll129.com/clash-i-fought-the-law/


 今回はほぼ読書感想文(になる予定)。

 ペースはゆったりとしているが、読書の習慣が戻ってきた。アルバイトが忙しくなった時期に読書から離れていた。就職結婚子育て、の一連の流れが落ち着いて来た後、少しずつ読書復帰し、昔読んでいた作家の未読作品だとか、これまで触れてこなかった作家だとか、小説に限らず、脈絡もなくなんやかんやとか。
 思えばこの「音楽小説集」を始めたきっかけの一つも、カズオ・イシグロ「夜想曲集」という短編集だった。作者が愛する曲を題材にして書かれた物で、イシグロ作品を読んだ事のなかった私が「とりあえず短編集を」と思い手に取った。カズオ・イシグロと音楽の趣味は合わなかったが、「それなら自分の好きな曲で書けばいいんだ」と気が付いたのだ。

 そんな読書習慣は、作者様や出版社様には悪いと思いつつも、図書館通いで支えられている。絵本を借りても子供達へのヒット率は十分の一くらいなので、自分用に借りる本の割合が多くなった。そんな中、児童書新刊コーナーでたまたま手に取ったのが、石川宏千花著「拝啓パンクスノットデッドさま」だった。ぱらぱらとめくっただけで何度も「レッチリ」が目に入ったり、「ブルーハーツはいける?」「『1000のバイオリン』なら」なんてやりとりもあった。
 現在の読書ペースは、一月二十冊ペースだった独身時代と違い、月三〜四冊程度である。そんな中、「拝啓パンクスノットデッドさま」は帰ってすぐに読み始め、二時間ほどで読み終えた。

 簡単なあらすじ紹介。

 高校一年生の晴己と二つ下の弟・右哉は、半ば母親に捨てられながら、二人で暮らしている。二人の母親へ長年の片思い中の「しんちゃん」の庇護及びパンクロックの英才教育により、晴己はベースを弾けるようになり、右哉は豊かな声量と作詞意欲に突き動かされて暮らしている。
 家庭の事情とアルバイト掛け持ち生活から、バンド活動を諦めている晴己だが、右哉はとにかくパンクバンドを結成したいと願い続けている。中学時代に「しんちゃん」のバンドで数曲ライブ演奏した動画を同級生に発見されたり、アルバイト先でハードコアバンドのヴォーカルをしている人と知り合ったり、晴己はバンド活動に巻き込まれて行き……というお話。

 作中で多く取り上げられるのが初期パンクロック。特にザ・クラッシュの楽曲だ。そこで今回は晴己達がライブ演奏するうちの一曲「I Fought the Law」を聴き込んでみた。一昔前にCMでも使われていたのでご存知の方も多いと思う。カヴァー曲だというのは今回初めて知って驚いた。「俺は法律と戦った。法律が、勝った」という歌詞があまりにもザ・クラッシュにマッチしていたので。

 元々好きだった曲を取り上げられている小説を読んで興奮した私がするべき事とは何か。
・久しぶりに本の感想を書こう。
・そうだギターで初期パンクロックの曲を何か練習しよう。
・ゲーム「マインクラフト」で自分のキャラクターをモヒカンにしよう。
・自分もバンドやろうぜ小説を書いてみよう。
・「市立マッドカプセルマーケッツ小学校軽音部」というタイトルで書き始めよう。
 と、思い付いた事は全部とりあえずやってみるのが正解だろう。マイクラに関しては既に初プレイ時からモヒカンに仕上げてある。


「市立マッドカプセルマーケッツ小学校軽音部」内容。

 音楽活動の盛んな「市立マッドカプセルマーケッツ小学校」の軽音部に通う少年ドラマー、ラーズ・ウルリッヒは、今日も仲間達と次のライブに向けての練習に余念がない。メタルとパンクと歌謡曲バンドの掛け持ちをして膨大なリズムを刻みながら、ラーズはある事で頭を悩ませていた。部活の規則により、ライブをする際には、必ず最低一曲はオリジナル曲を演奏しなければならない。これまでラーズ自身は作詞作曲に関わって来なかったが、次のライブ「六年生を送る会」では、自分にドラムを教えてくれたジョン・ボーナム先輩から直々に「お前が作った曲で俺を送り出してくれ」と頼まれていたのだ。
 どのような言葉も、先輩への感謝の気持ちを完璧に表す事は出来ない、と苦しむラーズに「ドラムを叩くように書きなよ」と助言したのは、まだ小学一年生のイアン・ペイス少年であった。

(内容は予告なしに変更される場合がありますし、そもそも書いてない可能性がございます。ご了承下さい)


 Spotifyにて、
小説「拝啓パンクスノットデッドさま」登場曲集
https://link.tospotify.com/60XNV2bAubb
というプレイリストを作ってみたので、Spotify入れている方は是非どうぞ。ブルーハーツについてはサブスク解禁されていないのでカヴァー曲になってます。

 三歳になった息子の健三郎は、久しぶりに出してきたマイク付きのキーボードに向かって、「プレイバック! プレイバック!」と、山口百恵「プレイバックPart2」を歌っていた。その様子が少しパンクだな、と思えた。

(了)
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