思い通りになる君が良かったのに
君はいつまでも君のままだから
死ねば思い通りになると思った
でも今の君はしゃべらない・・・笑わない・・・
寂しくて寂しくて寂しくて悲しくて
禁書を手にとって試してあげる
ブードゥー教の教えに従って
君のもう一度命を吹き込もう
ヤモリの目玉 カエルの心
コウモリの右翼 ミミズの体液
赤いワインを添えた君の写真で
目覚めた君
虚ろな瞳は何が映る?
渇いた喉で何を語る?
消えた心は何を思う?
よろめく足でどこへ向かう?
ブードゥー教の黒魔術によって再びこの世に舞い戻った彼女
だがしかしそこに彼女の面影はなく
ただ一体の少女ゾンビは目的もなく街をフラフラと徘徊した
生命活動のない肉体は動けども死体に等しく
少しずつ醜く腐乱していったのであった
目覚めた君
虚ろな瞳は何が映る?
渇いた喉で何を語る?
消えた心は何を思う?
よろめく足でどこへ向かう?
罪の意識は命の重みで
腐乱する君を最後にそっと・・・抱きしめた
それでも君は静かに静かに崩れ落ちていった
優しく優しく抱いたのに静かに静かに崩れ落ちていった
自然に還ることだと思う事が僕には出来やしないまま
その匂いは鼻をついた