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リアル消防六年生の時に書いたやつ(暗黒微笑)

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恐怖の予言で会いましょう。


          
                  この物語はフィクションです。何か知ってるのが出てきても無視してください。By○○○○←昔のHN






 時は1999年。某預言者が、世界が滅亡すると言った年。そのまんま空から魔王が降ってくるだの、全面核戦争が起きるなど、根も葉もない噂が飛び交う華の東京。
 何故、何故この様な事を私こと森一彦(丁寧に振り仮名。モリガズヒコ)が考えているかというと、なんでも、
どっかのお偉い学者さんがスーパーコンピューターで今日この日が予言の日だと割り出したらしい。
 そんなニュースが昨日テレビで流れ、世界中が大騒ぎ。そこらじゅうの店で100万円分一気に買い物する客や、
世界の大富豪が全資産を恵まれない人々に与えたりと、中々にハッピーな事も起こった。
「死ぬ前に一度でいいからこの高級マッサージ椅子を使いたかったんだ! フオォォォォォ!!」
 目の前の家電屋で、中年の親父がヘヴンを味わっている。試用スペースならいくらでもあったのに、切ないオヤジだ。
「俺、俺決めた! 今日死ぬかもしれないのなら、アデランスに相談して増毛するよ!」
 後ろにいた見事なまでの乱反射ぶりを見せ付けるハゲが凄んでいる。公衆電話で滾る想いをアデランスの受付ねーちゃんにぶつけているようだ。
 一日で生えるわけでもないというのに…泣かせる奴。
ざわざわ……。
 何だか慌しい。ただでさえ人が溢れかえっているというのに、何やら人が左右に移動して真ん中に道を作っている。
「見ろよ、あれ・・・」
「あぁ、可哀想に…多分決心されたんだろうな……」
「キャッ、なにあれ」
 野次馬をかきわけ道の真ん中を見ると、そこにはボンテージに身を包んだ女と、目隠しをされ首輪を付けられ下半身の大事な部分以外裸な男の二人が歩いていた。
「ほらっ、さっさと歩きな! ペットのくせに主人の足手まといになるんじゃないよ!」
べシン!
「ん”ん”!」
 ……見なかったことにしよう。
 

 と、まぁこんな具合にそこらかしこで自分の欲求を爆発させた奴らが今日になって増えた。
 ・・・その中に俺はいない。
 まず一つ、自らの夢という夢は全て叶えたつもりだ。二つ、もう人生で自分が愉しめる事は全て愉しんだつもりだ。三つ、今日滅びるという予言を信じていない。
 以上、いつも通りの日常を過ごそうとする俺の状態。ちなみに、俺はサラリーマンな21歳独身なので、世界が滅びようとなんだろうと会社に通勤している最中だったのだ。
 しかしながら、まず地下鉄が動いていない。バスがいくら待っても来ない。タクシーも見かけない。以下、説明不要。
 そんなわけで徒歩で出勤という遅刻前提の無駄な行動を俺はしているわけだが……どうにも、世界はこんなにも腐ってしまったのか。
「ソォオラァッヲジユウニッ! トッビッタッイナァ!!」
「はい、ヘリコプター」
 空で、いい年こいたオッサンが頭に装備しているヘルメットから伸びたロープでヘリコプターに吊るされている。
 どうやらどこかの会社の重役らしく、ヘリコプターのパイロットが下腰だ。さっきから上のような会話を延々とマイク有りで地上に流し続けているようだ。
 と、気付けば自分が勤めている会社、「極楽(株)」に着いた。このネームではどのような会社かわからないだろうが、そこはまぁ作者の愛嬌ということで。
 ……だが、会社内には人っ子一人いない。しかし、いつも入り口にいる笑顔がステキな受付嬢は仕事をこなしていた。
「やぁ。今日は何か特別な事でもあったっけ」
 よっ、と軽く挨拶する俺。
「いえ、特にありません」
 軽く返事をしてくれる受付嬢。
「なんか、あった?」
「いえ、特にありません」
「どうかしたのか?」
「いえ、特にありません」
 無限ループきたー! じゃなくて、彼女の目の前のテーブルに何やら書置きがある。
_____________
                  
                   
わたしは鳥になる。      

       極楽門者

_____________
 ……極楽門者(ゴクラクモンジャ)、うちの会社の社長。僅か一代でこの会社を築き上げ、息子と娘に恵まれたダンディな社長。
 なるほど。さっき上空でラリってたオッサンは社長だったのか。そりゃショックだろう。いつも知的で人当たりが良く、
会社と社員、そして社員の家族の事を第一に考え、まさに社長の鏡のようなあの人が……。
『ソォオラァッヲジユウニッ! トッビッタッイナァ!!』
 なるほど。ショックだ。それで目の前の彼女は放心状態だったのか。       
「お嬢さん」
 俺が優しく声をかけると、彼女が僅かにこちらを向く。
「社長、鳥になってたよ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
 よっぽどショックだったのか、彼女はテーブルにナトリウムが含まれる泉を作り出した。

 

 そうとなれば、また明日から職場を捜さなくてはいけない。会社を後にし、周りの超雑音に耳を傾けないよう考え始める。
 本当かも分からない滅びの予言などよりも、目の前に突き出された無職の二文字は決定的だ。
「HAHAHA! じゃぱンのOTAKU文化を見にキテミレバァ、コリャイッタイ何の騒ぎダーイ!」
 両手いっぱいに紙袋を持った外人が周りの雰囲気に感化されてハイになっている。多分その袋には漫画やら何やらが入っているのだろう、
この状況を愉しんでいるこいつはある意味幸せだぜ・・・。
「どうやら、今日で決着をつけなければいけないようだな・・・バッドゴッドファーザー」
「ふっ、望むところだ。覚悟しろ、ダンディ!」
 腐れ縁っぽい二人が勝手にファイナルバトルを繰り広げているようだ。結構バカにできない被害が出ている模様。


 結局、この状況じゃ仕事なんて捜せないだろうから、家に帰ることにする。それが一番の選択肢だろう。
 無駄に疲れた俺は、家の扉の前にいつのまにか着いていた。
「ただいま」
 とは言っても誰もいないのだが。まぁ決まり事みたいなものだ。
 もうすっかり辺りも暗くなり、シャワーを浴び終わって冷蔵庫のビールを取り出し、TVをいつものチャンネルに合わせる。
「ニュースのお時間です! 臆病なカーレッジ君が始まりますよー!」
 違った。
「猫の森ニュースプラスワイド。今日の特集はなんといっても、不発に終わった恐怖の予言。朝から全てを捨てている人々が良く目立ち、職業年齢問わずにそこらじゅうで騒動を引き起こしたようです」
 画面には、パジャマ姿の男性ニュースキャスターと、東京タワーに引っかかっている男の写真が映し出されている。
「あ、社長」
 この後、タワーに引っかかった社長の救出劇を24時間態勢で放送するとのことだが、面倒くさいので寝ることにする。
 居間のテレビ電源を消し、電気を消し、二階の自室に行く。いい忘れていたが、ここは一軒家だ。
「今日もいい汗かいたな! 明日もいい汗かこうな!」
 いつも通り、寝る前に気合を入れる。これをすると目が覚めた時にやる気が出る。
 脳内日記に今日の出来事を記しているうちに、いつの間にか俺は眠りについた……。





 翌朝。
「俺も随分とメルヒェンチックな夢を見るようになったもんだ」
 家の外は天国でした。




 続く







 天国という場所は、人によっては変わるだろう。人の価値観によって、食欲を満たすためだけの場所、睡眠欲を満たすためだけの場所、性欲を満たすだけの場所…と、様々に成るだろう。本元は、海を越えた場所が発祥地。それでも天国という場所は魅力的であり、瞬く間に世界中へと浸透していった。それと同時に地獄という場所も浸透することになるのだが……。





「さて、ここはどうなのだろう。私にとってはまさに待ち望んでいたと言ってもいいほどに、天国。むしろヘブン」

 簡単に説明すると、だ。まずこの場所は、ニュートンだとかそんな常識は通用していないらしい。私が地面に立っているのに対して、目の前で雨粒が浮かんでいる。地面も変だ。緑色かと思えば、瞬時にピンクに変わったり……空は、いつもと変わらず青い空。何処までも続く空。……飛んでいるのが鳥ではなく、女子という点を除けば、実に快晴で気持ちの良い日だ。

「……女子」

 そう、女子。俗世間的に言うと、「魔女っ娘」というやつだ。ツインテールな髪型に真っ青な色。目の色は此処からでも分かるほどに赤い……何故、現実なのにあんな真っ青な髪の色に違和感を感じないのか。恐ろしい、自分が恐ろしい……。女子は、箒の代わりにミサイルにまたがり、杖の代わりにウィンチェスターを構え、呪文の変わりに呪詛を……。

「そう、その状態で何故私に突っ込んで来るというのだろうか。…そうか、空から大魔王が降ってくる――!」

 よく見れば、ミサイルには、中流家庭ではそうそう簡単にはお目にかかれない黄色いマーク。あれだ、核弾頭ですか。……まずいな。このままでは遅くても後10秒後にはぶつかるだろう。ミサイルの速さで十秒かかる距離に居た女子を視認出来たのか、というつっこみは無しだ。見えたのだから仕方が無い。

 ――ドゴォォォォォン!

 とか考えている内に、我が家は跡形も無く消え、遥か地上にはキノコ雲が見え、女子は笑い、私は宙に浮かんで……。

「とりあえず、核弾頭を一つの小さな出来事にしてしまうこの展開と死なない私を誰か説明してほしい」

「はいはーい、呼ばれて飛び出て」

「誰だ貴様」

「……決め台詞を折るなんて、やるわね」

 そうだ、さっきの女子だ。ミサイルにまたがった中々に奇天烈な。……何故、その女子が私にウィンチェスター、モデル70スーパーグレイトなんてものを向けているのだろうか。

「とりあえず、銃口を向けるのを止めてくれたまえ。寿命が七日縮んだ」

「やだ。とりあえず、実験」

 ――パーン。

 頭に焼け付くような感覚。続いて痛み、瞬時に消える。そして私の頭は真紅の鮮血で飾られ……て。

「何故だ。確かに頭を打ち抜かれたはずなのに、何故私は生きている。そして何故貴様は私を殺そうとする」

「…まぁ、なに。あははははー。とりあえずそのお堅い口調を止めてくれないと説明する気が失せちゃうなー」

「……わかった。じゃあ聞く。なんでお前は俺を狙う。なんで俺は死なない。そして此処は何処なんだ。明らかに摂理とか無いぞ」

 もうなりふり構っていられない。この状況を把握しない限り、愉しめるものも愉しめなくなってしまう。

「よろしい。ま、ここは地球。…あ、もちろん1999年のね」

 な、地球だって? 重力が作用しているとは思えないな……。しかも、1999年、今年ときた。

「次、わたしがあなたを狙う理由ね。これはあなたが死なない事にも関係あるんだけど・・・」

「なんだ?」

「こほん」

「……」

「おーめでとーうございまぁーす! あなたは、1999年度の神様に選ばれましたー! わーわー!」

「……はい?」

「だから、あんたが神様だって言ってんのよ」

 それがなんでこの状況と俺が狙われる理由とこの女子に狙われる理由になるっていうんだ! さすがの私でも冷静を保っていられる自身は無いぞ!

「それが、どういう」

「あーもう、簡略して言うと、あなたが神様になったせいで地球は変になって、そのせいであなたは死ななくなって、わたしは神様になった人を捜すために見かけた人を手当たり次第狙っている。わかった?」

 ・・・つまり、結局は私が悪いと。

「分かった。とりあえず俺を神様にした奴をぶっ殺す。生きたままにセメントで固める。それをクレパスに落す。というか、一言で言うと許さん」

「ありゃ、そっちなの」

「ん?」

「わたしはてっきり、無差別に人々を虐殺して人類を滅亡させてしまったことについて何か言われるかと思ったのよ。寛大な人が神様になってて良かったワー」

「滅亡……」

「そーうなのよー。調子に乗って核弾頭使いまくっていたらいつの間にか放射能が蔓延しちゃうしイグアナはみんな洋物ゴジラになっちゃうわで、結局は2時間54分33秒で億単位の人類は全滅しちゃったのよう」

「二時間はやっ! というか、どうしたらそんな短時間でイグアナが変異するんだよ! 洋物ゴジラとかマイナーすぎ!」

 なんだなんだなんだ。という事は何か。人類は滅亡して地球は洋物ゴジラに乗っ取られて挙句の果てに放射能蔓延が現在進行形? そんなバナナ。フィリピンバナナ。

「待て、それじゃ、お前はなんだ。それに俺はなんだ」

 そうだ、人類が滅亡したのなら、目の前に居る女子はなんだ。見た目についても、ネコミミもウサ耳も犬耳も付いていないし、妙に長くも無い。微妙にロリータ風な体型だが、特に目立っている変なとこは無い。

「あなたは神様だからねぇー」

「お前は」

「わたしー? んっふっふ!」

 うわ何処かで聞いたようで私は効いていないようないやみな笑い方。

「わたしはねぇ……じゃじゃーん!」

 頭から女子の皮が剥け、て…中からは――!

「う、ウワアアァァァアアアァァァァァァァアアアア!!!!」

























 ――チュンチュン。チュチュン。

 そして、夢落ちだった。




(暗黒微笑) ここで尾ワットwwwルwッウェwwwwwwっうぃでwwwwwwっうぇwwwwwww
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