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Good luck Charlie!

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嫌なほど汗をかいていた。
「ひどいゆめだ」
自分は全く覚えていないが悪夢を見ていたらしい。全身に嫌なほどドロドロとした汗が服に張り付いていた。ベッドから体を起き上がらせ、枕元に置いていたセブンスターと安物のライターを取り、火を付けてふかした。白濁とした煙は黄ばんだ壁に飲まれていく。
埃の積もったテーブルの上には昨日食べ残したカップラーメン、スナック菓子が机上でばら撒かれていて自分はそれを摘みながら煙草を嗜む。
口から流れ出す煙は秋だというのに未だに生温い部屋に漂っていく。口に詰め込まれていく菓子は湿っている。口から零れた唾液はテーブルに落ちて埃を纏った。
「うーっ、うーっ」
今日も昨日もずっと隣の部屋からは甲高い唸り声が聞こえては止んでの繰り返しで頭がどうにかなりそうだった。壁が薄いのか? 隣のヤツ最近ずっとずっと唸ってやがる。うるさい。ダメだ頭が痛い。うーっ、うーっ、って、ずっとずっとずっと聞こえてくる。
「ウルサイ」
……うるさい。
うるさいうるさいうるさいうるさい!
どうしようもない怒りを足へと委ね、部屋の壁を蹴ると、ヒッと怯えたような声を上げて黙り込んだ。やっと静かになったけど、あ。壁、へこんだ。穴は開かなかった、壁薄くなかったのか、でも、へこんだ。ぼくのあたまもへこんだ。あーあ、どうしよう。あたまいたい。頭がずっと殴られてる。
ガンガン、ガン、ガン! ガン……、ガン、ガン、ガン。
「アタマ、イタイ」
灰の積もった煙草の火を消した。


そこに自分の番号はなかっただけなのだ。
鼓動が嫌になるほど早まって、目まぐるしく回ってしまう息は深呼吸をすれば落ち着いた。でも、親の息は僕の周りを絞め殺していくだけだった。
だって親は微かな希望に縋ったのだから。
あぁ、絶対受かるよ、だから絶対に受かってね。春樹。アナタは出来る子なんだから。
っていつも溢れんばかりの期待が僕を占めていっていた。
合格して当然? でもこんな有り様だ。こんなことがあっていいのか。こんなことが。
自分は親から一瞬にして出来ない子の烙印を押し付けられてしまったのだ。
終始無言のまま家に着くと親は僕を囲んだ。口を開けば涎が飛んだ。
どうしてあの時もっとやらなかったの? 
自分は死に物狂いでした。
どうしてこんなことになったの? 
と親は問うても自分には解けない。
自分には分からないんだ。
将来に対しての希望なんてありゃしない。
本当に、どうしてこんなことになったのだろうか。どうしてだろうか。
 
2, 1

  


また煙を玩ぶ。
白い部屋の壁が吐く煙のせいで黄ばんできている。キッチンからは腐った臭いが蔓延ってきている。ビールの空き缶が流し台に積まれて今にも崩れ落ちそうになっていた。
本当に何をしているのだろうか。
自分みたいなクズみたいな人間生きていて意味があるのだろうか。
だが前みたいに真っ当に生かされているだけの生活なんて戻りたいだなんて願わないし、ましてやあんな親のところなんて。
あんなクソみたいな親のところなんて、絶対に死んでも行きたくない。
「……死にたい」
自殺なんて毛頭望んでもいないし、誰かに殺されたくもない。
眠っていたら死んでいたらいいのに……なんて、絶対に死ねないのにそんな事言ってしまう。
死にたくないのに、でも生きたくない。
なぁ。そうだろう? とノウに語り掛けたら同意の声が反芻した。

カチャン。
ソファにあったプラスチックは落ちた。
「なぁ、チャーリー……」
また、隣が唸る。


カン、カン、と、チョークを鳴らす音だけが無言の教室に響く。手元にあるノートは真っ白で机の上に置いてある文具は浪人生としての道具にすら扱われていなかった。
講師はずっと公式(?)つらつらと言っている。
インスウブンカイヲココデ。
ダイニュウヲシテ。
カチカチ、シャーペンの芯を伸ばした。黒板に白の文字だけが浮かぶ。
「サエキハルキ、ここ分かるか?」
講師は急に自分を当てて、ここを解けと差し棒で差す。
ノウは指示された公式の解が解けないらしい。ノーとはっきりと答える。
「………分かりません」一瞬顔を上げてそう言うと講師はまたか、と呆れの顔を見せた。そして俯きそのまま机に突っ伏した。
次に当てられた名前も顔も見えない同じ浪人生は意図も容易く問題を解いて周りから尊敬の眼差しを浴びさせられていた。
ゲラゲラと周りが馬鹿にしているような、いや、している、だって、あんな問題、解けなかったんだから。こんなはずじゃなかったのだ。こんなこと。
こんなんじゃ、また、また、また、また、まただ。
――誰のおかげで、予備校に通えているの。
何もできない木偶には、空っぽがお似合いなのだ。
――ハルキ。
伽藍だ。唾が飛ぶ。
――お前なんて……、お前なんて!!!
早く、夜は明けないのだろうか。
いつになっても暗いままだ。いつになっても。

顔を上げると、皆、歯を見せて僕を見て笑っていた。
サエキっていう下がいるから、皆平静でいられるんだって。アイツみたいになってしまったら人生はオワリだーって、教室で隠すことのない音量で聞こえてきた。
「だれが、できない子だ、ぼくは」
あ、鼻血。
よだれが白のノートに落ちる。もうだめだ、やっぱり、しにたい。しにたいのになー。しにたい、しに。
し。し。し。し。
し、し、し……。し……。

4, 3

  


「ねぇ」
いつの間にか休み時間になっていたのか、声をかけられた。ねぇ、って言った? へー、コイツ、誰? ぼくはしらない。しらないからだれなんだ? だれ?
「無愛想な顔だね」目の前に立つのは中世的な顔立ちで、さっき聞こえた声と同じで、なに、コイツはぼくを馬鹿にするためにわざわざこっちにやって来たのか。ムカつく、むかつく、むかつく!!!
(こいつ、なに?)
(ばかにしちゃってんのぉ?)
(どうしちゃうー?)
なぐっちゃお! とノーとすら言えないノウ。
ノー!
ノー!
ノー!
ノー!!!!
「サエキくん、俺さ」
ぼくに笑い掛ける顔は、青痣まみれだった。ギャクタイ? 長い前髪で隠している額に古びた絆創膏がある。
ダレ? だれ? だれ? だーーーーーれーーーーーー?????????????
(こいつ、なに?)
(もしかしたら、ぼくとナカマかもよ!)
(どうしちゃうー?!?!!!!)
ノー!
ノー!
ノー!
ノー!!!!
仲良くしちゃお! とノウが言う。
「名前は?」
「俺?」
「そうだ」
「冬可」
「トウカ」
聞いたことある名前だな。
覚えてないけど。
「……そう。ハルキくん。外に出ようか」
トウカと名乗る男に連れられてぼくは予備校から離れていった。



トウカの唇から紫煙が淀む。
黄緑が映えるハイライトはまだ明けられて間もなかった。
「あれ? サエキくんって喫煙者じゃなかったっけ?」
「……吸うよ、べつに」
トウカから唆されているかのようにぼくは煙草の火をつけた。
「セブンスターって、ヤンキーっぽいねー」
「銘柄なんてどうでもいいだろ」
「そう? 俺、銘柄で人を見ちゃうね」
「そしたら、ぼくは数日前までメビウスを吸っていた、って言ったら?」
「それは……、浮気性じゃない?」
「へー、そうなるんだぁ」
「まぁまず、予備生が親の金使ってまで煙草吸ってるなんて、論外だけどね」
「あは」冬可は違和感のある笑みを浮かべる。
「あはは」ぼくも冬可と一緒に笑う。
「君とは仲良くなれそうだ! サエキくん!」
手を差し伸べられる。煙草を持った手で掴んじゃったから、煙草が落ちた。ボトリ。気にするな。気にするな。気にしちゃーぁ、ダメ。紫煙が足からモクモくと沸き上がっている。トウカ、きみは、だれ? 気にしちゃーぁ、だめ、ダメダメダメダメ、サエキクン! サエキハルキ、ハルキ、トウカ、トウカ、その煙草、誰の? 誰の物? だれ? 気にしちゃーぁ、ダメ、ダレ、ダメ、ダレ、ダ、だ。だ。
「サエキクン!」
サエキクン!
サエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクンサエキクン――――――。

6, 5

  



「サエキくん?」
緩やかなカールをした髪の少女は僕に立ち塞がるように立っていた。
あれ、あ。トウカがいなくなっていた。あれ、おかしい。おかしいって思うことがおかしいんだ? どうおかしい? ? あ、う。……? ? 
おかしくないよ。
トウカはお前に飽きて帰ってしまいました。
おかしくない。
トウカは人気者だからお前なんかには構ってられないんだ。
そっかー。

「……なんか用?」
ポケットに入れていたセブンスターから一本取り、銜える。
「え、えっと。ずっと、サエキくんと、お話がしたかったんです。私の名前は小山夏美って言って…その、よろ――」
「鬱陶しいなぁ、こっちは吸いたいってのがわかんないのか。自己紹介でもしたいのならさっさと大学受かって、新歓のときにでもげんきよくすればいいじゃないか。うっとうしいし、うざいんだよ」
吸い掛けの煙草を投げ捨て、小山と名乗った少女の隣を抜けて行った。
大学落ちてピリピリしてるような奴らとなかよくトモダチ作ろうとしてるヤツの気が知れない、そんなひまがあるんだったら参考書でも買ってどりょくでもすればいいのに。うっとうしい。鼻血がまたでてきた。あいつのせいだ、口端にながれた。めがいたい。あー、しにてー。しにたくなってきた、しなないけど。またたばこに火をつけた。

二本目のたばこの先に灰がつもり欠けそうになったころあいにこやまとかいうやつはまたやってきた。
「なんでくるんだ」
「サエキさん、未成年じゃないんですか?」指先に挟んでいた煙草をまた銜えてから僕は笑った。
「どうだろうね」小山の顔は少しずつけんおに代わっていく。お前が僕に声をかけたんだろう、そんな顔された方がフカイなのに。
「そんな事よりろーにんしてるんだから予備校の奴らみたいに死に物狂いになって勉強、すれば? こんな予備校でトモダチつくってもいいことなんてないよ、ましてトモダチの相手がぼくなんてさ」
そう言うと、小山はクスリと笑っ、わら、。その笑みがいフカイをおぼえさせていく。僕を見てわらいやがったんだ、コイツ! もっともっともっとくるしんでまた浪人してしまえばいい。二浪……三浪? はは、けっさくだ。笑いやがって、くそ、ノウがグチャグチャだ。わらいやがって。けむりをすいこむたびにノウがかたむいている。いや、セカイ、シカイがかたむいた。どっちだっていいんだけど。よくないんだけど。キーキーと耳はないてノウは泣く。二浪サンロウするのはきっと僕のことなんだろうね。きっとね。

小山は「私は大丈夫ですよ。えっと、よければ一緒にご飯を食べませんか?」笑って言っていた。またわらった。
近くにある公園に出て、ポケットに入れ込んでいたたばこのハコを取り、サンボン目のたばこをすう。すると小山はロコツにイヤな顔を僕に見せた。たばこガキライなんだろうか。
涎に塗れた煙草は唖然とする脳の前で落ちた。唇の感覚が次第になくなっているのだろう。口の中が鉄臭い。鼻血がずっとずっと止まらない。歯がガタガタと鳴る。
「……あー、あ……」
チャーリー、こんな僕をたすけてくれよ。



「あー、えっと、お口に合うか分からないですが、サンドウィッチなんですけど」
「やっぱいいや。いらない、いらないから」
こやまはすこしカナシソウなかおをした。そんなかおをされてもいらないものはいらないんだからしかたないじゃないか。
ゆびさきをはな下にかざす。たばこを吸っているドクトクのにおいがはなにスルドく刺さる。ずっとはなぢも止まらないし、あたまがうまくうごかない、あんまり。手が血でぬれた。ジュウリョクでつぶれそうだ。つぶれそうで、あたまがへこんでいるし、ずっととなりのへやからうーっ、うーっ、っていう声、きこえてるんだ。ノウがイヤっていってるんだあー。あーいやだなーっておもってるー。

 「さえきさん、はなぢ」
「え、はなぢ? あ、うん……」こやまからティッシュをわたされる。ずっとみたことのあるコイツのかお。
「そういえばさ、きみって」あらためてトナリにすわるこやまをみる。
「え、な、な、なんですか!」こやまはかおをあからめわたわたととまどう。そのかおさえどこかみおぼえがあり、しぐさ、みつめるしせんのなまぬるさ、ねちっこいこえもなにもかもがきおくのおくそこをむりやりつついてくる。ぜんぶ、ぜんぶ、イヤなきおく。
「あー」
おもいかえせない。でもこやまじたいになにかいわかんがあるのはたしかなんだ。
「………なぁ。ぼくらってこれがはじめて?」
「え?」
「だから…これがはじめてのであいなの?」
こやまはクスリわらう。
その笑みはまるで虫が這ってくるような、ぞくぞくとした感触がずっとー這ってー。腕から肩に掛けて虫はぞわぞわと這ってきて。
イッシュンにして、黒だ。
「どーでしょうかね?」
あ。
こ 
のえが 
おき
ら 
いだ。

8, 7

  

 

今日の授業が終わり、とりあえず予備校から少し離れたところで一服する。
「……、はぁー」息を吐く度に口から白煙が沸き出てくる。別事の憂さ晴らしの為だけに煙草に嵌まったというのに、今や手放せない嗜好品になっていた。
「さて、何食おうか」
「悩んでるのなら俺と食うー?」少し男にしては高い声を持つ男はヘルメットを被ったままこちらにやってきた。見覚えのあるライダースジャケットが散らばっていた記憶を呼んでいく。
「秋人か?」
目の前に立つヘルメット男はヘルメットを脱ぎ、赤く染めた髪を夕日で煌かせる。
彼は日高秋人。高校生からの仲で正直に言うと腐れ縁と形容した方がいいかもと思うほどずっと一緒にいる。ちなみにアキヒトと呼ばずにシュウトと呼んでいる。
秋人は大学には進学をしようともしなかったし、就職もしなかった。秋人は腐れ縁ではあるが僕にはその理由は分からなかった。決まったレールがない人生なんて僕には想像がつかないからこそ秋人は一目を置いている。……なんてことを言ったら秋人は調子に乗るから絶対に言わないけども。
「よ、春樹。グーゼングーゼン」
「偶然なわけないだろ、予備校終わったタイミング見計らって来たくせに」
そうだっけ? と秋人はとぼける。
「何の用?」
「何の用って、分かってるくせにぃ」
意味深な言葉が空っぽになってきた脳に深く突き刺さり、煙草を銜えながら秋人に詰め寄る。
「本当だろうな……」
「俺が嘘吐くように見えるぅ?」
「秋人だからな」
「あはは、辛辣。……鞄にあるよ。さっき…先輩に会って渡してくれたんだ」
「そ、そう。う、う…ん。ちょうど良かった、だって切れるとこだったから…」
「……鼻血、出てるね」と秋人は言って僕の鼻にティッシュを詰める。鼻血は首筋まで流れていた。
「出てるねー。それ」
「まぁ、ね」
ティッシュを更に鼻に押し込んだ。


人生の設計図が破れ始めたのは高校受験の時だった。
親の期待に応えようと死に物狂いで毎日勉強して、少しで頭を傾けてしまえば耳の穴から覚えた単語がぼろぼろと重力に流れるように零れそうな。ノウはこぼれちゃったんだけど。

1043。

掲示板に張られている紙にはその番号はなかった。
1043。
104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043104310431043。
あ?
足元には1043と書かれた紙が落ちる。風に落とされていく桜に埋まって笑顔で立ち去っていく奴らに踏まれる。
じゅけんをうけたときの隣のせきのやつはぼくをあざわらって親と手を繋いでどこかへいく。
あいつカンニングしてたのに、ぼくのかいとうをうつしてたのに、なんでなんでなんで何で!!! なんで? なんで? なんでなんだろう?
あいつがうかってぼくはおちた? なんで?
「春樹の頭の出来が悪かったからだよ。結局全部無意味だったんだから」
チャーリーは言う。
おやはないていた、なきたいのはぼくだっていうのに。
 そして僕は滑り止めだった高校に入った。落ちた時のあの時の親の顔を見ない為に、また無様にならない為だけに勉強に心を委ねていた。
だが、僕の人生設計図は日高秋人と会った所為で更にぐじゃぐじゃになってしまった。なおそうだなんて思わないほど壊れてしまった。壊れてるぐらいがちょうどいいって秋人は自慢気に言っていた。壊れてしまっていたら、戻せないけどいいのか?
とチャーリーに聞いても答えは返ってこなかった。
だって灰色だから。

10, 9

  


コホンと咳払いをした。
「思いだ返すはぁー、一年の初夏―」とドリンクバーで入れてきたコーラをストローで飲みながら秋人はまさるで演説でもするかのように語り始めた。その滑稽な姿を見て思わず口元が緩んだ。……本当にさ変わっていないなぁ、というエ懐か しい気持ちが僕の中で回 っていく。
「確か…席で替 れええの時席が僕の前に なったんだよね」
「それだよ。で俺が運悪く学で当てられてー…春樹のノート引っ手繰って答え、写したんだよな。でもあーん ま えっでででりにも当たりすぎて数学教師疑い始めてー…」
「『これ佐 人白 伯 君のノートじゃないの』って…あの時の顔は凄かったな。今でも覚えているよ」
「うんうん、あ 竹失 れは笑い物だ」
突然、秋人は鞄 を開けてあたりをキョロキョロと見る。キョロキョロキョロキョロギョロギョロギョロギョロ周りは家族連ればかりだ、多分警戒しなくても大丈 夫だ と思うけど。警戒なんてする方が馬鹿だ、そんなに見ているやつなんて。
みているやつなんて。
見 て い、いいいい、る。な? るるるるるるな。ルるるるるうるー。る……。
見るな。
「春樹」「はる? き? って、言喜古されんそあさのこと? か? のか?」「分かっている」寝流里香秋人の指示通り、机あの 下に手を伸ばし秋人から手渡されるのを待つ。暫くすると手元にレジ 袋が渡された。「ありガ がと、秋人」「あー、うん、ど う も、んじゃぁ…それぐらいの量なら四ほどか。んじゃ…ま たよろ さくな」「あぁ 、うん、 試してから でいい? 今日試すから、明 日ならいつでも来ていいよ、うん、うん…。ホ ントに日月 日になっ てた ら、ホン トに死んじゃってたかも。あ、あはは」キラキラ とレジ袋の中 で 輝き続ける。あぁ 、涎が止ま  ら ない、おかしいな、いや、大丈夫。 ダイジョーブー。ひさしぶり。ぼくのチャ  ーリー     。待っ         て いたよ。 ずっと 。  チャー  リ   ー 。  会  いた     か       っ    たよ。チャーリー。
チャーリーも、僕のことが恋しかっただろう? 
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